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小説 トビの舞う空 第1話

あらすじ

小学生の舜太は、毎日通っていた大好きな近所の海岸で、画家の老人と出会い、一枚の絵画をもらう。「トビの舞う空」という名のその絵画は、舜太の心を魅了し、心に響く作品であった。老人が著名な画家の江島早雲であると知った家族は、絵画を売るよう舜太に迫るが、舜太は頑なに応じなかった。狭い自分の部屋に絵画を飾り、毎日眺めて過ごした。高校生になった舜太は、美術館に江島早雲の特別展を見に行く。その時「トビの舞う空」は独り占めしてはいけない絵であると気付き、家族の反対を押し切り絵を美術館に寄贈することを決心する。そして自分も江島早雲のような"人の心に響く絵"を描く画家になろうと決意する。


小説 トビの舞う空 第1話


「ただいまあ!」

「舜太!宿題やってから遊びに行きなさいよ!」

「帰ってからやるう」

舜太はかあちゃんといつものやり取りをすると、玄関にランドセルを放り投げ、外に飛び出した。

所々錆びのある、にいちゃんのお下がりの青い自転車に跨り、今来たばかりの通学路を逆戻りする。舜太は海へと下る長い坂道を、ペダルから足を離し軽快に下ってゆく。海から吹いてくるミネラルを含んだ風が心地よい。風は髪の毛を後ろになびかせ、舜太の大きなおでこを丸出しにした。

江ノ電の踏切手前の高校を過ぎると視界の両端まで海が広がる。

「まったく、この信号長すぎだよ」

海岸へと渡る国道の長い信号に、はやる心を押さえきれず舜太はつぶやいた。

今日は波が良いのか、午後だというのに、海岸沿いの駐車場はサーファーのおじさん達の車で満車だった。

舜太は自転車を止め、いつもの波よけのコンクリートに座った。足をぶらぶらさせて海を見渡す。

黒胡麻のようなサーファー達がプカプカと浮かんでいた。黒いつぶつぶは江ノ島の方まで延々と続いている。江ノ島へ渡る橋の向こうには、トンガリ帽のような岩が小さく見えた。その隣にはつい最近雪をかぶった富士山が、どうだ!とばかりにそびえている。

舜太はこの景色が大好きだった。

空には一羽のトビが舞っていた。

「あの野郎、また狙ってやがるな」

あれから、トビは舜太の宿敵と化した。

先週の日曜のことだった。舜太はかあちゃんに何度ねだっても「高いからダメ!」と買って貰えなかったハンバーガーを、貯めていたお年玉で内緒で買った。海岸沿いの大きな白い看板のお店の、千円もするハンバーガーだ。

舜太は波止めコンクリートに腰掛け、大きなハンバーガーの包みを開けると、不敵な笑みを浮かべた。そして大口を開けいよいよかぶりつこうとしたしたその瞬間だった。

突然、黒い影が舜太の背後から襲いかかってきて、両手に持っていたハンバーガーがまるでマジックのように消えてなくなった。

トビは、舜太のハンバーガーの包み紙を掴んで急上昇していった。一口も食べることが出来なかったハンバーガーの破片が、あたり一面に飛び散っていた。

「やられた!」

迂闊だった。
この海岸で観光客がトビに食べ物を奪われる姿を「バカだなあ」と眺めていた舜太だったが、同じ憂き目をくらった自分はもはや同類だった。

「夢にまで見た憧れのハンバーガー、大枚叩いて買ったハンバーガー。トビの野郎!食べ物の恨みは怖いぞ、絶対に忘れないからな!」

悠々と舞うトビの姿を見上げ、舜太は先週の悪夢を回想していた。

気がつくと、江ノ島に茂る木々の黒さが増していた。海面は薄いオレンジ色で輝き始めている。

「やばい!日が沈んじゃう」

舜太は自転車に飛び乗った。

海岸沿いの国道を、車と競うように自転車を立ち漕ぎした。帰りの高校生達で混雑している江ノ電が、舜太の自転車を軽々と追い越していった。

夕暮れまでに江ノ島に着いて夕日を見る。これが舜太のいつもの日課だった。

次の日曜、舜太は寝坊の両親と兄弟達を寝床に残し、愛車の青い自転車でいつもの海岸に向かった。

波止めのコンクリートの上に寝転び、波の音を枕に、流れる雲と円を描くトビをぼうと見ていた。

「俊太!」

「うわっ、びっくりしたあ」

俊太は驚いて上半身を起こした。

「ウフフ、びっくりした?」

カレンちゃんは目をくりくりさせ悪戯っぽく微笑んだ。ウェットスーツ姿でピンクのサーフボードを抱えている。いましがた海から上がってきたのか髪の毛から水が滴り落ちていた。

サーファーのお父さんと、毎週この海岸でサーフィンをしているカレンちゃん。小学校の同級生で幼なじみ。日焼けした肌にパッチリとした大きな目。ハーフで、自毛なのか塩焼けなのか、きれいな栗色のロングヘアーの子だ。

「ねえ、舜太もサーフィンやろうよ」

カレンちゃんは会うたび同じことを言う。

「いや。俺はいいよ、運動神経悪いし」

「大丈夫、私が教えてあげるから、楽しいよ」

すると、朝ごはんを食べて無い舜太のおなかがグゥと鳴った。

「ウフフ、ちょっと待ってて」

カレンちゃんは自分の自転車のカゴの中のコンビニ袋を「はい、あげる」と差し出した。中にはサンドイッチが入っていた。

「じゃあね、舜太!」

自転車の横に取り付けたボード掛けにサーフボードを掛け、舜太に手を振ると、カレンちゃんはお父さんと二人で帰って行った。

舜太は再び波止めの上に寝転がり、カレンちゃんに貰ったサンドイッチを開けた。一つ取り出すとパクリとかじった。上空ではトビがその様子を伺うように旋回している。

「絶対お前にはやらないからな」

舜太は食べかけのサンドイッチを慌てて口に押し込んだ。残りのサンドイッチもすべて口に放り込み、頬を膨らませ「どうだまいったか!」とトビに向かってピースサインをした。

「サーフィンかあ...」

口の中いっぱいのサンドイッチをようやく飲み込み、舜太は呟いた。

カレンちゃんは運動神経抜群。明るくて、可愛くて、足も早くて、運動会ではいつもリレーの選手。それに引き換え自分は、徒競走はいつもビリ、舜太なんて名前に完全に負けている。

舜太は五人兄弟の真ん中、子沢山の家は決して裕福とは言えなかった。かあちゃんにサーフボードが欲しいなんてとても言えない。ましてウェットスーツなどもってのほか。

「あー無理無理、サーフィンなんて絶対無理」

かあちゃんの鬼の形相が目に浮かんだ舜太は、それを打ち消す様に首を振った。

「さあ帰ろう、そろそろかあちゃん達が起きる頃だ」

舜太はムクリと起き上がり、自転車に跨り、ペダルに足を掛けた。

その時、一台の白い軽トラが駐車場のバーをくぐって入って来た。軽トラは、舜太がいるすぐ隣のスペースに来て止まった。

「見慣れない車だ。でも鎌倉ナンバーだから地元の人だろう。サーフボードが乗って無いってことは、サーファーでは無さそうだな」

すると、軽トラの運転席のドアが開き、ぬっと黒いスーツに黒のサングラスと言う全身黒づくめの人が出てきた。

その男は、見ている舜太に気付き、ジロリとこちらを向いた。

「こ、怖い人か!」たじろいだ舜太は、自転車に跨りながら後退りした。

次に、助手席のドアが開き、白髪のお爺さんが降りて来た。

お爺さんは江ノ島の方を向いて立つと、両手の親指と人差し指で四角形を作った。それを上下左右に動かしながらしばし眺めていた。

「よし、三宅、ここにする!この向きに立ててくれ」

お爺さんは全身黒づくめの男に向かって言った。

「ハイ、先生」

三宅と呼ばれた黒づくめの男は、軽トラの荷台から木製の三脚のようなものを降ろして立てた。そこに、木枠に真っ白な布が貼られたものをセットした。

突然の出来事に、舜太は帰ることを忘れ、自転車から降りた。見慣れない二人の行動を観察し始めた。

椅子に腰掛けたお爺さんは、四角い黒色のクレヨンのようなものを持つと、真っ白い布の画用紙に向かい、何やら描き始めた。

黒づくめの三宅はお爺さんよりの後ろにパイプ椅子を置き、背筋をピンと伸ばして座っている。

「何を描いているんだろう」

興味津々の舜太は、三宅を警戒しながら、少しずつお爺さんの後ろに回り込んだ。

お爺さんはクレヨンを立てたり寝かせたりして描いている。海、江ノ島、富士山、眼前に広がる景色が再現されていく。それはまるで無機質な布に生命を吹き込んでいくかのようだった。

舜太はお爺さんの鮮やかな手の動きを見つめていた。三宅は舜太の事に全く気に止める様子は無い。微動だにせず静かに座っていた。

どのくらい経ったのだろうか、南風が吹き始めた。お爺さんの描く布の画用紙が時折カタカタと揺れた。

「三宅、今日はこのくらいにしておこう」

お爺さんが言うと、

「ハイ、先生」

と三宅は答えた。三脚と描きかけの布を慣れた手付きで片付け、軽トラの荷台に乗せた。三宅はここに来てから「ハイ、先生」を二度言った切りだった。

お爺さんは舜太をチラと見て「おや、可愛いギャラリーが居たんだね」と笑い掛けた。そして、三宅の運転する軽トラに乗り込み帰って行った。

「もう舜太!どこ行ってたの、遅いわよ」

家に着くなりかあちゃんに怒鳴られた舜太は「遅いのはかあちゃんの方だ」と思ったが口には出さず、食卓に一つ残された冷めたトーストにマーガリンを塗った。

「あのお爺さん達、一体何者なんだろう。黒づくめの三宅という男も気になる。でもあの絵の続きが見たい。お爺さん達、また来るかなあ」

舜太はトーストを頬張りながら考えていた。

次の日曜、舜太はいつもより早起きして海岸へ向かった。前日まで降り続いた雨が空気中のチリを流し、抜けるような青空に江ノ島と富士山がくっきりと見えた。

「おーい!」

サーフボードに乗ってプカプカ浮かんでいるカレンちゃんが舜太を見付け手を振った。舜太は軽く手を振り返した。

「お爺さん達来ないかなあ」舜太は駐車場のゲートが開く度に目をやった。

「今日は来ないのか」と諦めかけた時、あの白い軽トラが入って来た。

「やった!お爺さん達来た」舜太の心が踊った。

軽トラは舜太の方に向かって来ると、先週と同じ駐車スペースに止まった。そして今日も黒づくめの三宅に続き、お爺さんが降りて来た。

三宅は無言で、手際良く、先週と寸分違わぬ場所に三脚と椅子を置き、描きかけの布をセットした。そして自分用のパイプ椅子に座るとピクリとも動かない。

お爺さんは椅子に座り、キャンパスに向かい描き始めた。舜太はお爺さんの後ろに立ち食い入る様に見ていた。

舜太は、後ろに座る三宅を「自分が邪魔で絵が見えないのではないか」とチラ見したが、三宅は全く気にも止めない様子で微動だにせず座っていた。

「おや、今日も来たね」

舜太の視線に気が付いたお爺さんが振り返ってニコリと微笑んだ。

「ごめんなさい」

舜太は覗き見していた後ろめたさから思わず謝った。

「謝る事無いんだよ、三宅、この子にも椅子を」

三宅は「ハイ先生」と軽トラの荷台からパイプ椅子を出し、三宅の椅子の隣に開いた。

「あ、ありがとうございます」

舜太は三宅にお礼を言い、椅子を三宅から気持ち離すよう置き直してから座った。

それにしても、三宅と言うこの黒づくめの男「ハイ先生」以外喋れ無いのだろうか。三宅はどんな顔をしているのだろう。お父さんも付けない油でがっちり固めたオールバックの黒髪。四角い真っ黒なサングラス。いつも姿勢良く、背筋をピンと伸ばしている。無口で無表情で、見た目は怖い。でもどことなく優しそうな雰囲気すら感じる。不思議な人だ

舜太は隣に座っている三宅を、チラチラ見ながら思っていた。すると、お爺さんが話しかけて来た。

「ぼく、名前は何て言うんだい?」

「しゅんた、です」

「しゅんた君か、良い名前だ」

「絵が好きなのかい?」

「はい!好きです」

「そうか、そうか」

お爺さんは描く手を止め振り返り、舜太に微笑んだ。

「お爺さん、なんでそのクレヨン四角なの?」

「これはな、クレヨンではなくて、コンテというんじゃ」

お爺さんは新しいコンテを一本取り出すと、舜太に手渡した。舜太はコンテを物珍しげに眺めていた。

「そのコンテ、君にあげるよ」

「お爺さん!ありがとう!」

目をキラキラと輝かせる舜太に、お爺さんは嬉しそうにうなづいていた。

舜太は、三脚が「イーゼル」、描いている布は「キャンバス」というものであると、お爺さんから教わった。

「僕は舜太って名前だけど、運動神経が悪くて、だから徒競走はいつもビリ。でも絵は好きなんだ、入選した事もあるんだよ」

「ワハハ、ワシも運動は苦手じゃった。だから絵ばかり描いとった。大人になれば運動が苦手とか関係無いから気にするな」

お爺さんはコンテを持つ黒い手で、舜太の頭を撫でた。

「舜太、絵はな、自分の目で見たものを、心で描くんだぞ」

舜太はなんとなくうなづいた。

「心で描いた絵は、見る人の心に響くんじゃ」

お爺さんは短くなったコンテを、空に向かって描くように大きく動かした。

舜太は、心の中を爽やかな海風が吹き抜けて行ったように感じた。お爺さんの醸し出す只者ならぬオーラを子供ながらに感じていた。

「舜太、なにしてるの?」

サーフィンを終えたカレンちゃんが、濡れた髪の毛でサーフボードを脇に抱えてやって来た。

「うわあ、すごーい!」

カレンちゃんは舜太の横に来て、お爺さんの絵を覗き込んだ。

くっ付きそうな程に頬を寄せて来たカレンちゃんの濡れた髪の毛が頬に触れ、舜太はドキリとした。

カレンちゃんは、描かれていく様子を、しばし引き込まれる様に見ていた。すると突然「帰って着替えて来る」と言って居なくなった。

髪の毛から滴り落ちた水滴の跡が乾く間も無く、カレンちゃんは普段着に着替えて戻ってきた。髪の毛はまだ乾いてなかった。

立って絵を見ていたカレンちゃんの為に、三宅はパイプ椅子を出した。

「ありがとうございます」

カレンちゃんは笑顔で言った。サングラスの奥の三宅の目が少し照れ臭そうだったのを、舜太は見逃さなかった。

絵が一段落し、ふうとおでこをこすり、お爺さんは振り返った。

「おやまあ、また一人増えたねえ、舜太くんのお友達かい?」

「カレンと言います。絵すごいですね!」

カレンちゃんは、大きな声でハキハキと言った。

「ありがとう、カレンちゃんも絵が好きなのかい?」

「ハイ!大好きです、でも描くのは苦手」

「そうかい、絵は見るのも良いことなんだよ」

「うん、お爺さんの絵、なんか好きです」

「そう、それで良いんだ。絵はね、見て心で感じるんだ」

三宅は小さく手を叩きながらうんうんと頷いていた。舜太はお爺さんの言う「心」の意味が、少しわかるように思えた。

「天気の良い日はここで描いてるから、いつでもおいで」

お爺さんはそう言い、軽トラの窓から手を振った。三宅は駐車場のゲートを出るまで、何度も僕達に向かい会釈していた。

「ねえ、カレンちゃんは三宅の事怖いと思わないの?」

「全然!優しそうなおじさんじゃん」

カレンちゃんはあっさりと言い放った。

ロン毛や坊主に髭面、中には刺青の入った人もざらだ。そんな個性溢るるおじさんサーファー達にいつも囲まれているカレンちゃんには、三宅などごく普通の人に見えるのかもしれない。

人を外見で判断しないカレンちゃんはえらいな、と舜太は思った。

舜太が家に帰ると、食卓に朝食が置いてなかった。

「かあちゃん朝ごはんは?」

「何言ってんの!もうお昼よ、昼ごはんまで待ちなさい」

時計の針は間もなく正午を指そうとしている。舜太は空腹であることも忘れていた。

翌週、舜太が海岸に着くと、既に軽トラが来ていた。

舜太が慌てて近づくと、お爺さんの後ろにはパイプ椅子が三つ並べて置いてある。カレンちゃんと三宅は並んで座り、絵を見ていた。

「遅いぞ、舜太!」

カレンちゃんは悪戯っぽく微笑んだ。

三宅は今日も黒づくめだ。舜太に向かってどうぞと手の平を差し出す。舜太は三宅に会釈し椅子に座った。

コンテだけで描かれた絵は、ほぼ下書きを終えたようだ。

「さあ、色付けだ」

お爺さんが言うと同時に、三宅はすくと立ち、軽トラの荷台から絵の具の入った木箱を出した。そしてお爺さんの隣に、素早くセットした。

いつの間に二人は仲良くなったのだろう。翌週、舜太が海岸に着くと、描いているお爺さんの後ろで、カレンちゃんと三宅が楽しそうに喋っている。

「おはようございます」

「おはよう舜太、ねえねえ、三宅って面白いんだよ」

三宅のこと呼び捨てにしているカレンちゃんに、舜太は青ざめた。

「三宅ね、私の事、カレン様って呼ぶんだよ、可笑しいでしょ、ウフフ」

「いや、そんな、カレン様」

三宅は頭を掻きながら、照れ臭そうにしている。

舜太は唖然とした。
「ハイ先生」以外の三宅の言葉を初めて聞いたのだ。

「カレンちゃん、大人を呼び捨てしたらダメだよ」

「舜太様、私は三宅で大丈夫でございます」

「ほらまたあ、こんどは舜太様だって、アハハ」

カレンちゃんが笑うと、お爺さんが筆を止め振り返った。

「ワハハ、面白いおじさんじゃろ。さあみんなお腹が空いたろ、三宅、ハンバーガー買ってきてくれ、全部で四つじゃ」

「ハイ、先生」

お爺さんは千円のハンバーガー屋を指差した。舜太がトビに奪われたあのハンバーガー屋だ。

「おお!食べられるのか?あのハンバーガー!」

お爺さんのまさかの言葉に、舜太の心は踊った。

カレンちゃんは、一緒に行ってあげる、と三宅と二人でハンバーガー屋に向かった。

しばらくして三宅とカレンちゃんは紙袋を持って戻ってきた。四人は並んで波止コンクリートの上に座った。

「さあ食べようか!」

「ありがとうお爺さん!いっただっきまーす!」

舜太が大きく口を開き、ハンバーガーにかぶりつこうとしたその時だった。

あの黒い影が迫るのを、舜太は背後に感じた。

「三宅!あぶないっ」

舜太は叫んだ。


→第2話へつづく







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