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インフレ課税

円安誘導・インフレの狙いは、米国からの圧(要請)もあっただろうし、日本政府としても失業率改善の成果を示せることができるようになる。と、ぼくのテキトーな憶測を述べてきたけれど、他にもう1つある。
そして、これこそが政府・日銀にとって本命の狙いだったと思っている。

インフレとは物価が上がること。それは相対的にお金の価値が下がることでもある。
例えば、これまで1個100円で買えていたパンが、同じものなのに値上げによって200円支払わないと買えなくなったとする。すると100円の価値は、以前の半分に減価したことになる。これがインフレ。

今度は視点を消費税に向けてみる。

1個100円だった時の消費税は10円。値上がりをして200円になったパンの消費税は20円になる。ま、当たり前の話を書いているだけなんだけど、これで国の税収は10円→20円と倍に増えることになる。
もしインフレを起こさず、国が同じ額だけの税収を増やそうとすれば、考えられることは増税しかない。その場合、消費税を20%にする必要がある。

仮に消費税増税を実施すると宣言したら、その時の総理や政府はどうなるのか。
国民から不満の大ブーイングが起こるのは間違いないだろうし、場合によっては政権が倒れることになりかねない。
ところがインフレの場合、税率そのものを上げるわけではないので国民からは気づかれにくく、円の価値を徐々に下げることで税収を増やすことができる。それに、消費税を増税するほど不満や批判もおそらく出ない。

これが他の国だとデモは当然のこと、暴動の1つや2つは起こるだろうけれど、なんせ日本はデフレの時代が長過ぎたため、「インフレ?なにそれ、美味しいの?」というほどインフレ経験のない人が多いので大きな騒ぎにもならない。

あわよくば、国民が「よくわからんがインフレだから仕方がない。みんなも言ってるし」とでも思ってくれて、文句が出ない程度の緩やかさで円安が進むことを狙っていたんじゃないのかな。

本当の狙いは、そこじゃないでしょ

そういった意味では国債発行と同じで、政府にとってインフレは国民にあまりダメージと感じさせることや嫌われることなく財源を生み出す方法といえる。
しかしその出どころはもちろん家計であり、意志とは関係なく、そっーと真綿で首を絞められるように可処分所得(手取り)が減らされる国民は、まさに ”ゆでガエル” だ。

インフレを進めるというのは実質的に増税そのものであり、これは ”インフレ課税” と呼ばれる。でも、さすがに政府や財務省の人は、そうとは呼ばないよなぁ。

そしてこのインフレ課税は、消費税を上げるよりも遥かに破壊力がある。

つづく



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