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過度な期待は、しない方がいいと思うんだな

今回の衆院解散を石破首相は「日本創生解散」と謳い、「地方創生」を政策の中心に捉えているのはわかるけれど、そもそも何をもって地方創生なんだろうな。

地方の人口減少を食い止めることや地域のGDP拡大、それによる地価の上昇、またそれらを持続的に継続することなんだろうけれど、その根幹をなすのが経済成長であることは間違いない。

石破首相は以前から東京一極集中を是正し、地方創生や地方経済の活性化を掲げてこられた。それが重要なのはわかるし、その言葉自体も耳障りの良いものに聞こえるけれど、どうなんだろう。

所信表明では交付金倍増の方針も示され、「守る」を連呼されていたけれど、これは現在すでに疲弊している人たちに保護主義といった妙な期待や勘違いを助長させる気がする。
インフラ整備などへの注力はもちろん必要だし、そういったことが地方の観光業界などを活気づけることにつながるとは思う。しかし、地方創生はあくまでも ”地方、地域が自力で稼ぐ力を生み出す” ことが目的であって、補助金をバラまき、疲弊した個人商店を救済するといったものではない。

自民党総裁選の時、高市さんは日本経済を復活させることを第一に、そのため思い切った財政出動することを声高に公言されていた。
けれど、これもインフラ整備であったり技術革新につながる将来有望な業界や人、会社に対する投資であって、人材不足や物価高騰に困っている町の個人商店を救いましょう、といった話ではなかった。

これは、私見だけれど。
コロナ禍でゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)を実施したものの、過剰債務を抱え倒産する中小零細企業が続出し高止まりをしている。
コロナ禍の時は仕方がなかったと思うけれど、それでもゼロゼロ融資が、実質的には破綻しているゾンビ企業を延命し増やしたという側面もある。
その ”延命にしかならなかった” ことが、政府には反省なり後悔としてあるんじゃないかな。

そんな政府の支援策も終わり、今では人材不足に物価高騰という追い打ちまで加わった。また、日銀が利上げという政策に舵を切ったため、当然これは借入の利払い負担が増えることにもなる。
よほど財務基盤が強いとか、これらの問題を改善できる企業でもなければ、他の企業や事業所の淘汰はますます進むことになる。

要するに「賃上げや利上げについて来れない中小企業がデフレを発生させている。だからそういった企業の労働者は生産性の高い企業に移るべきであり、それが経済全体の生産性を向上させることになる」と植田総裁は述べられている。つまり、率直に言えば「ゾンビ企業は退場してもらい(潰れ)、雇用が流動化した方がいい」ということ。厳しいことを言われているように聞こえるけれど、これが偽らざる気持ちだと思うんだな。

マスゴミの一つ覚え

これまでにも「政府や日銀はそれを容認しているのだろう」と述べてきたけれど、過保護によるゾンビ企業の延命をやめれば、淘汰が進むことで新陳代謝が起こり経済が成長しやすくなる、というのが政府や日銀の本音だと、ぼくは思っている。
無論、そんなことは口が裂けても言わないだろうけれど。

実際、石破首相も所信表明で「コストカット型の経済はやめなければならない」「高付加価値創出型経済に変える」「賃金や設備投資をカットする経済から脱却することが必要」と、”賃上げと投資がけん引する成長型経済” を強く打ち出された。
そして今では、政治家や経済アナリストなどに限らず「物価に負けない賃上げ」が世の中のコンセンサスとなっている。

従業員にとっては良い話だろうけれど、これを本当にできる中小零細企業、特に食べもの屋さんって、どれくらいなんだろうね。
ゼロゼロ融資を利用後、倒産が最も多いのがサービス業で、業種別では飲食店が一番多い。

そりゃ、お店をやめたい人、売却したいと考える人が多くなるわけだ。

つづく



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