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”肩代わり” という税金(保険料)徴収

これ、本当にやるつもりなんだな。
厚労省の暴走が止まらないなぁ

こういった時は「それによって誰が得をするのか」を考えれば、いろんなことが見えてくると思うので、雇用主側と被雇用者側、両方の側面から考えてみる。

まず被雇用者側から。
この法案が決まると、パート・アルバイトさんの労働時間が週20時間以上なら年収を問わず厚生年金に強制加入になる。これだと壁が解消され所得税が下がっても、社会保険料の方がはるかに高い。そのためか、しきりに「将来受け取れる年金が増える」と謳うけれど、多くの人は今の生活が苦しいんじゃないの?
それにかなり手取りが減るから、労働時間を週に20時間未満に抑える人もおそらく増える。そうなると、もっと働き控えが進むことにもなる。
そこで厚労省が場当たり的に言い始めたのが、こちら。

もう狂っているとしか思えないし、本当に中小零細企業を潰そうとしているよね。
これ、雇用される側にしても「働ける時間が増える上に、社会保険料を企業が肩代わりしてくれるから手取りも減らなくて済む。良かった、良かった」なんて、おめでたい話にはきっとならない。

先述したように、そもそも社会保険料の会社負担分は人件費なので、企業が給与や昇給、賞与を決める際には社会保険料を30%(本人負担15%+会社負担15%)と設定している。だからパート・アルバイトさんまで厚生年金に強制加入になると、それだけ人件費が増えることになる。

企業は粗利の中から ”人件費率” を考えやりくりをするけれど、構造的に人件費率を簡単には変えられないだろうから増えた負担分は、人件費のうちコントロールのできる賃金を抑えるしかない。
結果、企業としては従業員数か、賃金を減らすなりして人件費を抑えることになる。あるいはその分の利益を減らすしかないけれど、そんなことのできる中小零細企業は、ほとんどないと思う。

厚生年金の適用拡大は、こうして企業の意思や昇給、賞与といった計画など、お構いなしに人件費を増加させる。そしてそれは、パート・アルバイトさんだけでなく社員も含めた従業員の賃金が抑制されることにつながる。
つまり ”企業が肩代わり” なんて、おめでたいことを被雇用者に言っているようでいて結局、社員も含めたすべての従業員へ、その皺寄せが行くことになる。

「賃上げが難しい」「給与を上げても手取りが増えない」のは、厚労省が毎年上げ続ける社会保険料負担が最大の原因なのは間違いない。
意図的にややこしくしているのだろうけれど、しかし厚労省の場当たり的で短絡的な施策もここまでくると、つぎはぎだらけで整合性も保てなくなってきている気がする。

それに、こんな狂気の沙汰としか思えない欠陥だらけの社会保障制度でなければ、企業は賃上げや時給1500円も、実は簡単にできると思うんだけどね。

つづく


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