見出し画像

ややこしいなぁ

何かと話題の「103万円の壁」だけれど、お店などをされている人なら昔からパート・アルバイトさんの確保に苦心された経験はあると思う。

ねぇ、50歳無職|職業訓練でWEBマーケティングを学ぶさん。

昔からある問題なのに今更これほど話題になるのは、これが現在急激に進む賃上げと不可分の関係にあるからに違いない。

時給1000円より1500円の方が「103万円の壁」にかかる時間が早くなるのは当然なのだから、ただでさえ人材不足なのに賃上げは、さらにそれを加速させることになる。だからといって「やっぱり賃上げはやめよう。はい、解散、解散」となるはずもなく、じゃあ「103万円の壁」の方をどうにかしよう、という話になる。

「103万円の壁」については、多くの人が解説されているので詳細は割愛するけれど、この「どうにかしよう」をわかりやすい政策として掲げ、今回躍進したのが玉木代表率いる国民民主党だった。

曰く、

昔から最低賃金は上がっているんだから、基礎控除(+所得控除)も同じように178万円に上げましょう

これなら178万円まで所得税がかからないので、働き控えがなくなる、と。

同様のことを言ったり書かれている人もおられるけれど、本質はそこじゃない気がするんだなぁ。

年収が103万円を超えても課税されるのは超えた部分のみ。だから税負担はそれほど多くないし、「103万円を超えると手取りが減る」「働く方が損」「働いたら負け」なんてことはないと思う(次の ”壁” までは)。

学生さん(19歳以上23歳未満)アルバイトの場合、103万円を超えると「親の配偶者手当が会社から打ち切りになる」といった理由もあるだろうけれど、これは時代にそぐわない手当になってきたことを思うと仕方がない気がする。
現実問題として、それ以上に堪えるのが扶養控除がなくなること(=親の所得税、住民税負担がかなり増える)、それによって世帯年収が減ることだと思う。

だから働く時間を抑えるというのは、働いている当事者の意思というよりも親御さんからの「頼む、103万円を超えないでくれ〜」という切実な声を素直に聞いた結果というのが現実じゃないかな。

そうだとすると、アルバイトをしている当人の基礎控除と所得控除(48万円+55万円=103万円)を引き上げるよりも、親の扶養控除をどうにかしてあげた方がいい気がするけれど、どうなんだろ。
正直、ぼくが勉強不足のためよくわかっていないと思うけれど、「103万円の壁」に問題があるとすれば、やはり親の扶養控除(や配偶者控除)側な気がする。

それにしてもこの問題は、タイトルにしたように「ややこしいなぁ」という印象が強い。そもそも「103万円の壁」のすぐ後ろには、「106万円の壁」「130万円の壁」が立ちはだかっていて、こちらの方がよほど深刻な問題だと思うけれどなぁ。

仮に玉木さんの言われるように、基礎控除と所得控除を178万円に引き上げた場合、「106万円、130万円の壁=社会保険加入義務」は、どうするつもりなんだろう。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?