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次の一手

世の中のほとんどの経営者の方は、 ”良い借金” をされていると思う。
無論、良い借金であってもそうでなくても利子を付けて返済する義務があるし、それは日本最大の債務者・日本政府であっても同じこと(そうであると仮定して話を進める)。

日本政府のように約1300兆円も借金があると、その利払いだけで一体いくらになるんだろう・・・考えるだけで恐ろしい。

現在も、日銀が次回いつ利上げをするのかが焦点になっている。
短期金利を上げれば長期金利も上がるので、これほど元本が巨額だとわずかな利上げでも日銀の財務は、かなり大変なことになる。
そう、日銀が利上げにめっちゃ慎重なのは、昔デフレに戻してしまったトラウマもあるだろうけれど、こういった事情もあるのだと思う。

でもこれ、植田総裁のせいじゃないから。
本当に気の毒になる。

先日引用した ”国の税収” のグラフを眺めていて、思うことがあった。

それにしても狡猾だなぁ。インフレ課税によって消費税は実質増加するし、政府の債務残高も減っていく。あっ、インフレが進めば当然賃金も上げざるを得なくなるから、所得税も増加するじゃないか。

インフレ課税の何がすごいって、他の税と違い、カムフラージュした消費税だから気づかれにくい上に、大人だけでなく子供が買い物をしても同様だということ。
ほぼ ”全国民から徴収できるシステム” になっている。

いやはや、本当によくできてるわ。

しかし、なんだろうな、これ。

国民へ向けた建前としては、「景気を良くして賃金を上げる。そしてデフレを脱却する」と伝えられるので一応、理解はできる。けれど、今でもこの手の話を見聞きするたびに、やはり釈然としない気持ちになる。
本当は誰のための政策なの?と、いちいち怪訝に感じてしまう。

インフレを起こせば税収が上がり、何よりも政府の債務残高が減ることを黒田・前総裁は当然わかっていた。政府・日銀にとって、これほど都合の良い政策はなかったに違いない。
ところが、1つ問題があった。それが、巨額に膨れ上がった債務の利払いだったのだと思う。

量的金融緩和を開始すれば、すぐに片付くはずだった物価上昇率2%の目標は一向に達成されず、引き受けた国債はすでに膨大になっていたため巨額な利払いも日銀財務を悪化することになる。
そこで、次の一手が「マイナス金利、イールドカーブ・コントロール(YCC)」の導入だった。

その是非はともかく、個人的には量的緩和をやってみたことまでは悪くない、仕方がなかったと思うけれど、その後のマイナス金利、イールドカーブコントロールは本当に必要だったのかな。

振り上げた拳をおろせなかったんだろうなぁ

ぼくは、長過ぎた量的緩和は途中でも引き返すべきだったと思うし、マイナス金利、イールドカーブ・コントロールはアベノミクスの蛇足だったと思っている。

ほほぅ

なぜ、マイナス金利、YCCを導入されたのか、ぼくは不思議だった。
もちろん「目標達成ができていないので追加した。デフレ脱却のため、国民のため」という建前だったのだろうけれど、違いますよね、と。

つづく



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