果たして何がある

吊り革に預ける自分の重さ
昨日より少しだけ、重たく感じて
特に心を病んでるとかではなくて
ただ単純に疲れてるだけなのかもしれない
不安定な天気と流行りの速さに気を当てられて
見たかったドラマもまだ見てないし、
あの日のフィルムもまだ現像してないな

今日1日の評価を添加物で飲み込んで
それもまあ悪くないと60点の感想を吐き出し、
この選択を正解と思いたい自分が
人間という檻の中で飼われていることに気づく

分かるやつだけに分かればいいなんてことはない
でも分かってほしい人にだけには分かってほしい
個人的な感想も、個人差のある感情も、
衝動的な解釈も、酔って絡んじゃう自分も、駄文も
全部自分が、らしくいる為に代謝する日々のこと

少しずつ少しずつ大人に近づいて、
好きなものをちょっとずつ捨てて、
会える友達をだんだんと減らして、
目指すてっぺんには何があるのか

ここまで捨ててきた他の道のりを
てっぺんから見下ろした時、果たして何があるのか

空に羽ばたく鳥に並んで、床に転がる蝉に添い寝して
全部を聞いてみたい

果たして、その先にはなにがある？

一生懸命に、自分らしくあろうとすることの先に
何がある