キャリア論を自転車のアナロジーで説明してみる

「やりたいことがわかりません」という相談を、若手からベテラン問わず、周囲の同僚社員からよく受けます。

ちなみにこんな質問してくるのは、わたしの経験上、圧倒的に日本人が多いです。

日本で有名なwill/can/mustのフレームワークをご存知でしょうか。3つ重なるところが転職だよ、というものです。たとえば、こういうやつ。ぐぐればたくさんベン図が出てきます。

WILLが言語化できている人はそれで突き進めます。素晴らしいことです。でも、どんだけ考えてもわからない、そんなのないよ!ってなこともたくさんありますよね。

やりたいこと、果たしてどこまで「わかる」必要があるのだろう、特に、事前にわかってる必要がどれだけあるのだろう、と私はずっと思っています。

そう思うに至ったいくつかの例をだしていきます。

ツールドフランスで優勝したい、というのを口に出すことは、そもそも自転車に乗ってないとできないと思うんですよね。

ラグビーワールドカップに出て優勝したい。も、きっと、そもそもラグビーを楽しんでいるから出てくる言葉。

Will/can/mustの順序が逆というか、ぶっちゃけこんなこと意識しなくてもいいんじゃないかと思います。とりあえずチャリ乗って風を切る感覚を楽しむ、遠出することを覚える。できるようになることが増える。ツールドフランスはそのあとでいいんじゃないか。

will/can/mustは、後から自分のキャリアを振り返って整理棚卸しするツールとしてとらえたほうがきっといい使い方ができると思っています。

Steve Jobsのconnecting the dotsの話も、そういうことだと思うのです。聞いたことない人はぜひ聞いてみてください。

「私はやりたいことがわからないから」を言い訳にしたり、やりたいことを語ってみたらデカい夢すぎて逆に腰が引けてしまったり、なんてこと往々にしてありませんか。思考が先行すると、キャリア開発すら自らできなくなってしまうと思うわけです。

そういうわけで、みんな、もっと、自転車に乗ることを楽しんだらいいんじゃないか。本能と感性の赴くままに、こどもみたいでいいから「パパむて、今日自転車に乗れたよ!」みたいな瞬間をどれだけ増やせるかがキャリア開発の一番大事な一歩ではないのか。

そこから全ての可能性が広がるし、広げるにあたって、早い遅いなどなく、何歳からだっていいじゃないですか。

未来に正解なんかあるわけもないし確実なこともない状況で、唯一の正解は、自分の本能と感性に従って楽しみ切ることの一択だと思うのです。

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