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自省録|連続投稿が40日で止まってしまった原因を考える②

 こんにちは、砂塔さとう射月いつきです。
 noteを開始してから毎日、新作のショートショートを書いて投稿し続けてきました。

 しかし、続けるうちに徐々に雲行きが怪しくなり、連続投稿40日目にして一旦休憩に入ることになりました。小説の出来に、看過できない粗さを感じたからです。

 そのため、昨日から作品が粗くなってしまった原因を考察し、分析しています。

 本日も引き続き、テコ入れのための究明の旅にでかけてみます! ただの反省会ですが、お付き合いいただけるなら幸甚の至り!

 ひあーうぃーごー。

※なお、本稿で語っている「ショートショートはこうあるべき」的な考えは、あくまで砂塔独自のものであり、他の作者様に押し付けようという他意はございません。

※悪あがきしてんなコイツ的な視点で、ニヨニヨしながらお読みいただければ幸いです。


昨日の考察まとめ

 ショートショートにはしょうわより伝わりし、売り物になる三条件というものがあります。

・新鮮なアイディア
・完璧なプロット
・意外な結末

星新一『きまぐれ博物誌』より

 3つのうち、アイディアはまだ尽きていません。ネタ帳にはショートショートにできそうなアイディアが、まだ30個近く出番を待っています。

 作品が粗くなってきているのはどうやら残り2つに原因がありそうだ、と判断して、深堀りしています。

 昨日は「結末」部分について考察しました。
 その結果、結末そのものではなく、そこに至るまでのプロセスに問題があった、という結論が出ました。

 よって、本日はその諸悪の根源、プロットに立ち向かっていこうと思います。

プロットとは

 そもそもプロットってなんだっけ、ってとこから知識を整理し直してみます。

 プロットは、物語の全体像を把握するためのツールであり、いわばストーリーの設計図といえるものです。

 僕が小説を書き始めた2000年前後には、プロットという言葉はあったものの、教材などを読んでも「人によってつくり方はそれぞれです」的な説明しかありませんでした。まだインターネットが今ほど普及していない時代だったこともあり、謎に包まれた存在だったと記憶しています。

 おそらく「プロットのつくりかた」的なものが普及するきっかけになったのは乙一さんではないかと思います。彼は、映画の脚本作りの教科書を参考にプロット作っている、とインタビューで語り、話題になりました(確か『シド・フィールドの脚本術』だった気がしますが、記憶が曖昧です)。

 以降、プロット術として人気を博しているのが三幕構成(三幕八場構成)です。

三幕構成。
「ミッドポイント」を最大の山場として
ストーリーを組み立てていく、
映画の構成の基本的フレーム。
詳細は類書をご参照のこと。

 この他にも、シドの構想を小説に特化させたK. M. ワイランドの《小説再入門》シリーズや、三幕構成を更に発展させたブレイク・スナイダーの「ブレイク・スナイダー・ビート・シート(BS2)、日本発祥のものでは新井一樹さんの「シナリオ・センター式など、現在では優れた「プロットのつくりかた」本がたくさん出版されています。

 ですが、僕はショートショートのプロットづくりとして、この中から相性の良いものを見つけることができませんでした(短編以上の長さでは大いに参考にさせていただいています)。

 ショートショートの短さを支えるのは、もっともっとシンプルなフレームのほうがいいような気がしています。

ショートショートのプロット

 ショートショートの流れをイメージするには、四分割くらいのシンプルなプロットがいいと思います。
 四分割の構成には、誰もが知っているくらい有名なものがありますね。

 起承転結です。

 ただ、これは感覚的な問題だと思うのですが、個人的にはこの「起承転結」という字面が重くて、自由な発想がしづらく感じています。
 そこで、ショートショートを作るにあたっては、4コマ漫画をイメージしたプロットを立てています。結局、やっていることはほぼ同じなんですけどね。気分の問題です。気分気分。

4コマプロットのイメージ。
特に③では強制的にストーリー転換を
発想するために、「ところが、」という
接続詞を意識して考えている。

 で、ここで工夫があります。「アイディア(非現実)は構成の半分だけに留める」というものです。

 よく言われることですが、本当に誰も見たことがない新しい作品は、読者に面白さを伝えることができません。斬新すぎて、意味がわからないからです。面白いと思っているのは作者だけ、という独りよがりな結果になってしまいます。

 見たことのないもの、というのは読者のイマジネーションに負担をかけます。特に小説は、絵や音で読者の想像力を補うことができない媒体です。下手をすると読みながら想像するのにいっぱいいっぱいで、物語の面白さが入ってこない、なんてことになりかねません。

 新鮮なアイディアにこだわるショートショートではこのドツボにハマりやすいため、注意が必要です。
 そこで僕は、自ら編み出した(と思い込んでいる)「14:23法」という小技で、アイディアに偏りすぎないよう工夫していました。

 といっても、大したテクニックではありません。
 4コマの①と④、②と③をそれぞれペアにして、どちらかに非現実的なアイディアを投入したなら、もう片方には現実的なストーリーを入れる、というだけの話です。

イメージ図。
オレンジのところに
「非現実的なアイディア」を投入する。

 書きながら、どうしても整合性の取れない部分だけ、アイディアと現実の妥協点を見極めながら微調整していきます。
 これくらいの割合が、ショートショートを楽しく読めるちょうどいい比率なのかな、と思っています。

実際にプロットを見直していく。

 さて、ようやく本題。
 昨日と同様に、最新作にして課題作の『お家』を素材に、プロットを見直していきます。
 一応、ネタバレの嵐となることをお断りしておきます。

 まずは現状の作品をプロットに落とし込んでみます。


 ほほう。なるほどなるほど。
 見事に破綻していますね。
 何が言いたいのやら、さっぱりわかりません(笑)

 昨日の記事の中で、このショートショートの面白さの軸は「1歳にしてマイホームを与えられた赤ちゃんの育児」であると結論づけました。

 ならば、②には「後追い」だけでなく、もっと「1歳児の育児」や「マイホーム」に特有のシーンを詰めて、背景を立体的にしてもよかったかもしれません。

 ③では突然「地震」という無関係なシーンに飛んでいるので論外です。昨日もノイズと結論づけたポイントですね。ここも育児関連の「ところが、」に置き換えたいところです。

 ④は一旦据え置き。ですが、このオチにこだわらなくても良いかも。

 この構想だと、14にアイディア、23に現実を入れる構造がスムーズにいきそうな気がします。

この方針でプロットを修正していく。

まとめ

 プロットについて自分がどう考えているのかを振り返り、粗さを感じている作品のプロットを見直してみました。

 やはり、日々の作業に追われるあまり、もともとのスタイルを見失ってしまっていたようです。ぐっちゃぐちゃなプロットになっていたことが判明しました。

 ここからプロットを再度つくりなおし、改訂版の『お家』を書いていきます。

 が。

 その前に、今後ふたたび毎日投稿を開始した際に、同じ失敗を繰り返さないための対策が必要ですね。
 ということで明日は、対策方法とプロットの再構成について考えていくつもりです。
 よろしければまた、お付き合いください。

 あでぃおーす。

つづく。

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