解剖学的に考えるFコードを押さえるコツ
ギターを習得する上で、最初の関門はなんだったでしょうか。
多くの人はFコードを挙げるでしょう。
CコードやGコードはなんとか弾けるようになっても、Fコードとなると難易度は一気に跳ね上がり、挫折してしまった、あるいは挫折しかけているという人も多いのではないでしょうか。
今回は、CコードやGコードは弾けるようになったけれど、Fコードがなかなか弾けるようにならないという人に向けて、Fコードのコツを解剖学の視点も使いながら考えていこうと思います。
この記事を見れば、ネット上などでよく言われているコツの根拠や、ネット上ではあまり言われていないコツなどを含め、Fコードを習得する上で重要な知識が多く得られると思います。
まず、Fコードのどこで躓いているか
Fコードの難しいポイントですが、
指が大きく開かない
人差し指で複数の弦を押さえることができない
という点に引っ掛かっている人が多いようです。
ですので、その2点について対策を考えていきます。
1. 指が大きく開かない
人差し指を1フレットに置くと、中指や薬指が届かないという人もいると思います。
私の手が小さいから… 自分の手は硬いのかな…
と悩んでいる人も多いかもしれませんが、それは違います。
そもそも、関節の構造的に、指の広げ方向の可動域はそんなに大きくありません。
手のひらを自分の方に向けてFコードの形を作り、人差し指と薬指の間の距離を測ってみてください。
ギターの1フレットから3フレットまでの距離は大体7cmですが、手の大きな人でもかなり力を入れて指を開かないと人差し指と薬指の間が7cmを超えないと思います。
つまり、中指や薬指を届かせるために、指を大きく開こうとするのは誤りで、そもそも不可能だということです。
ではどうすれば良いかというと、
まず、さっき作った手を、上から見て(人差し指を自分に向けて)みてください。
写真のように、直角三角形の斜辺の部分(◆)であればより長い距離を取ることができることがわかると思います。
つまり、距離を稼ぐには、ギターに対して手を並行に当てるのではなく、斜めに当てれば良いということです。
そのためには、人差し指の斜辺と接している部分(★)を弦に当てれば良いわけです。
これが巷でよく言われている、人差し指の側面で押さえる (より正確には、側面の手のひら寄りで押さえる)というポイントの説明になります。
2.人差し指で複数の弦を押さえることができない
一本の指で複数の弦を押さえること(セーハ)につまずいている人は多いでしょう。
しかし、正しい知識をつければセーハはより簡単になります。
まず、セーハといっても全ての弦を押さえる必要はありません。
Fコードでは、3、4、5弦は他の指で押さえているわけですから、人差し指は、1、2、6弦だけを押さえられれば十分だということです。
ですが、1、2、6弦を抑えるだけでも結構難しいと思います。
特に、2弦が鳴らないという人が多いのではないでしょうか。
ここでは人差し指の位置が重要になります。
まず、人差し指の形を見てください。
第二関節が膨らんでいることがわかると思います。
その第二関節を1、2弦に当てることが重要です。
実際に第二関節を1、2弦に当てて押さえ、1、2弦が両方鳴ることを確認してみてください。(人差し指の向きに注意。前項で説明したように、人差し指の側面を当てること)
残るは指先に少し力を加えて6弦を抑えるだけです。
指先はかなり自由が効く部位ですから、押さえるのに苦労はしないと思います。
あとは親指で裏から支えつつ、他の指を構えればFコードの完成です。
微調整しながら6本の弦が全て鳴る位置を見つけてください。
まとめ
今回紹介したポイント
人差し指の側面の手のひら寄りで押さえる
人差し指の第二関節を1、2弦に当てる