暮代 樹
小説『少女十勇士 見参!!』シリーズ本編をまとめたマガジンです。
「忍者の小説書いてんだし、どーせなら、忍法のコラムとか書いてみたら?」と嫁さんに言われてちょっとその気になりましたw コラム忍者ウンチク 第1回「変身の術」|暮代 樹|note(ノート)https://note.mu/itsuki_bodai/n/n96a8711e2e16
「変身の術」と書いて「かわりみのじゅつ」と読みます。「変わり身の術」「変り身の術」と送り仮名を混ぜる表記もあります。 白土三平マンガでお馴染みのあの術であります。 一応、創作の忍術だと言われています。 変身の術とは、自身の気配や居場所を察知した敵に対し、自身と他の物を瞬時に置き換え、敵が攻撃する以前或いは最中に逃げ遂せる遁法です。これが術の概要ですね。 フィクションのわかりやすい表現においては、気配を察した敵が手裏剣を投げる、命中したと思い駆け寄ると、忍び装束を来た丸太と
「猿(ましら)家は『大坂の陣』ば落ち延びた西軍ん方の“忍者”ん家系だ」 猿飛代子が一人旅に発つ夏の日、柄にもなく見送りに来た父がそう言った。 飛代子はそんな荒唐無稽な話を信じるも信じないもなく、どう受け止めていいか困惑するばかりだった。 そんな娘に父は続けて言った。 「猿飛佐助って名前ば聞いたことあろうが、お前はそん子孫たい」と。 馬鹿げているとこの時、一笑に付せたらどんなにか楽だったろうか。後になって飛代子はそう思ったが、この時は次々と変転する現実にただ振り回される
慶長二十年五月七日。世に言う大坂夏の陣。ところは大坂城天守閣。 その最上階で真田大助幸昌は豊臣軍総大将、秀頼の傍に付き従っていた。 本当は天王寺で父幸村と共に最後まで戦いたかった。だが、父から秀頼様をお護りしろと命を受け、大助は今ここにいる。 父幸村は退却中に茶臼山で戦死したととうに報せがあった。 その秀頼の傍らには千姫がいる。いずれも死装束である。姫の侍女が二名従っている以外、他の近従はすべて階下に下がらせていた。 二の丸の火の手が、天守からも見えていた。 “い
番外編をアップし終えて、ぷち燃え尽き症候群が来た。 あはははははは。……はぁ。 えっ、てゆーか、それってnote始めて一つ目のテキストアップしただけじゃん。それで燃え尽きって、どんだけ燃焼点低いんだよ。 自分でもそう思うが、来ちゃったもんはしょうがない。 クリエイト系からそうじゃない仕事に転職してから半年、持て余す創作熱をアウトプットすべく昔書いてタンスの肥やしにした小説をリファインする事にした。 夏から発表先も決めずに書き始めて三ヶ月ほど、現在第六話を執筆中。嫁さんからn
「やっぱり志羽家は姉さんが後を継げば良いんだ」 「それは出来ないんだって、何度も話したでしょう」 「わかってるけどさ……」 志羽千鶴と志羽秀一、この姉弟のこのやり取りを飛代子が耳にするのは三度目ぐらいになる。 夏季休暇に入ってすぐ発った旅の途中で、飛代子は従姉妹の霧子、盟友の安奈と共にこの熊本の志羽家に数日逗留させてもらう事になった。 その数日の間に言葉とニュアンスを少々変えながらも繰り返し聞いた会話だった。 志羽家のいくつかある和室の応接間の一つが、滞在中の飛代子達