見出し画像

【吟行】走泥社再考 23/08/31(寺元葉香、津島ひたち)

走泥社再考について


参加者

津島ひたち(京大短歌)
寺元葉香(上終歌会/京大短歌)





抱き上げたかわいいひとに深々と作陶者は刃をさし込んで/津島ひたち

視線では洞が満ちきらない夜もあったのだろうトルソ型花器/津島ひたち

幾重にもひだがある板   沈黙を前にざわめく内臓のよう/津島ひたち

ゆりかごの展示の一部のようにして彼女が見入る赤いゆりかご/津島ひたち

わたしたちに窓として差し出されているその奥の雪の手触り/寺元葉香

かつて炎の中で見たはずの今もまだ焼かれているはずの すさまじく沈黙/寺元葉香

女のと言われてさらに深く股に切れ込みの入る 女の人生/寺元葉香



いいなと思ったら応援しよう!