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【日録】2025.1.11 @浅草

ZINEフェス東京

 ZINEフェスに行ってきた。

 昨今、人気があるZINE。私は個人書店巡りが趣味で、よくZINEを見かける。ZINEの良さは気軽に読めるところと、個性的で面白いところ。作者のフェティシズムを強く感じる。
 今日のZINEフェスは、500組ほどの出展者がいるということで、かなり規模が大きい。会場に着いたのは開場後すぐの12時頃。午後になるとお客さんが増え、かなり賑わっていた。1店1店見て、気になるところで立ち止まると、出展者さんが声を掛けてくださる。名刺をくれたり、ポストカードやチラシをくれたり、サンプルをくださる方もいた。見せ方や声の掛け方って本当に大事。何が好きで、どういう経緯でこのZINEを作ったのか伺うのが楽しい。サツマイモとか、アルミ弁当とか、廃墟や団地の写真集とか、偏愛の多様性を知るのがとても面白かった。

 私は今回、ぜひとも手に入れたいZINEがあった。やーはちさんの毒親ZINEだ。私も毒親育ちの片隅にいて、毒親がテーマのものは気になる。直接ご本人と対面して、少しだけお話させていただいた。めちゃくちゃ気さくな方だった。このZINEには自分の経験と取材した話が書かれているとのこと。これから読むのが楽しみだ。

やーはちさんのZINE
掲載を快く許可してくださいました

 他にもいくつか気になったZINEを購入。私は基本的に物欲のない人間だが、本だけは別だ。あれもこれも欲しくなってしまう。5階と6階の2フロアを2周して、とくに気に入ったものだけと決めて購入。来月もZINEフェスがあるので、ここで散財するわけにはいかない。
 今年は娘と一緒にZINEを作りたい。娘は書くことが好きで、手製のZINE的なものをたまに作っている。「本を書く人になりたい」といつも言っている。本は大人にならなくたって書ける。ZINEなら誰でも出版ができる。そしてどこかのZINEフェスで親子で出展したい。それがひとつの目標だ。がんばります。出展した暁にはみなさんどうか買いに来てください。

吉原散策 

 ZINEフェスの後、遊廓専門書店「カストリ書房」さんへ向かう。通りの向かいにある吉原弁財天は、NHK大河ドラマの影響なのか参拝の列が多かった。浅草に詳しい友人に案内してもらって参拝を済ませ、念願のカストリ書房さんへいざ入店。

 タイトルを眺めていると気になるものばかり。女性史に関する本や、元ソープ嬢紅子さんの『色街探訪記』、逢根あまみさんの『ラブホ探訪』などなど。全部買って帰りたい。中村淳彦さんの『熟年売春』を発見。巻末の著者近影にはNEW YORKのロゴが入ったパーカーを着たナカアツ。思わず吹いてしまった。今や異常上流に美容を施され、イケオジ街道まっしぐらの中村さん。人ってこんなに変われるんだな、と勇気をもらった気がした。
 中村さんの本は棚にそっと戻し(すでに拝読済みのためです)、今回は『性差の日本史』を購入。吉原の鳥瞰図がプリントされたブックカバーをかけてもらう。すごくいい。

鳥瞰図のブックカバー

 カストリ書房を後にし、お歯黒どぶの跡地、ソープ街、吉原神社、大門を巡った。私は徒歩だと方向音痴なので(車だとなぜか平気)、土地勘がある方の案内があって大変ありがたかった。

 最後に見返り柳を見て、樋口一葉の『たけくらべ』を再読したくなった。読みたい本ばかり増えていく。しばらく買うのを控えて(できるかな)、読むことに集中しなくては。
 案内してくださったМさん、本当にありがとう。


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