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【日録】2025.2.13 なわとびで気づいたけっこうもれたろう

 先日、娘がなわとびの練習をしたいというので公園に行った。どうしても「うしろとび」がうまくできないという娘に見本を見せてやろうと、久しぶりになわとびを手に取った。なわとびは苦手ではない。小学生のとき、学校でなわとび大会というのがあって、あやとびで3位になったこともある(60人中くらいの話です)。うしろとびなんて楽勝だぜ(ドヤ)と余裕をかまし、勢いよく跳び始めた。

 しかし、2回、3回と跳んだところで下半身に違和感が。え?え?!えぇ!立ち止まって動きを止める。濡れ……ている。というより漏れ……ている。ヨシタケシンスケさんの『おしっこちょっぴりもれたろう』を思い出す。私はちょっぴりもれたろうの友人「おしっこけっこうもれたろうくん」だ。こんなとき、ちょっぴりもれたろうくんがいてくれたら……。「わざとじゃないんだよねー」と、もれたろう同士で励まし合いたい。おしっこって2月の夕方に漏らすとこんなに冷たいんだなぁ。スウェットパンツが黒でよかった。家から徒歩5分の公園でほんとうによかった。

 突然の多量の尿漏れで下半身とともに凍りついて愕然とする私に、「ママもうしろとびできないの?」と娘が駆け寄ってきた。「ママ、漏らしちゃった」と小声で言うと、娘は「え!うそ!」と驚く。「ズボン濡れてる?わかる?」とお尻側を差し出して見せると、「ほんとだ!ママ漏らしてる!」と一応下ネタだからか、娘は私や周りに気遣って小声で言うも、口を抑えて笑いをこらえていた。しかし、やたらと意気消沈する私を見て「大丈夫だよ、誰も気づかないよ。大人がなわとびで漏らすなんてきっと思わないよ」と、励まし(?)てくれた。
 
 娘には申し訳なかったが、しばらくしても乾かないどころか、冬の風が濡れた下半身をどんどん冷やしていくので、早々に帰ることにした。上半身が寒くなるのを覚悟で、羽織っていたユニクロのウルトラライトダウンを脱ぎ、腰に巻いてごまかした。帰り道、私は軽く絶望していた。夕日はこんなに赤いのに、私はけっこうもれたろう――。

 娘を出産後、尿漏れにはたいへん悩まされてきた。出産時のトラブルとその後の手術のせいもあってか、骨盤底筋群が緩くなっていることには薄々気づいていたのだ。

 尿漏れといっても、突発的な咳やくしゃみ、腹筋を使うくらい大笑いしたときなどに尿が「ちょっぴりもれたろう」状態になるだけだったので、そこまでの支障は感じていなかった。ただ、やたらとおりものの量が多いことや、風呂上がりに膣から水が出ることはずっと気になっていた。いくつかの婦人科で検査をしても異常なしで、気になるなら膣錠を処方すると言われるのだが、膣錠を入れたあとに出てくる白いヤツがどうも嫌いで、頑なに処方を断っていた。これも膣の筋肉が弱っているせいだったのか……。考えてみれば分かりそうなものだが、病院で指摘されなかったので気づけなかった。まさか、なわとび3回で異常尿漏れに気づくとは。

 翌日から、YouTubeを見て骨盤底筋群を鍛えるトレーニングを始めた。はじめは「骨盤底筋群を意識しましょう」「ハンモックを引き上げる感じで」と指示されても、骨盤底筋群ってどこよ?ハンモックってなによ?といまいち理解できなかった。だんだんと、なんとなーく分かってきたものの、まだ完全につかめていない。
 また、別件で婦人科に行く用事があり、尿漏れの相談をしてみた。膣ハイフ手術もあるが、保険適用外で高額な割に効果は薄いらしく、とりあえずは膣トレして鍛えましょうとのことだった。湯船に浸かる際にお尻の穴を締めたり開けたりする方法と、トイレで用を足す際に途中で尿を止める練習がいいと言われた。何度挑戦しても尿の勢いが弱まるだけで止めることができない。まずは「出ている尿をピタッと止める」のが目標だ。なんだか滑稽だなあ。

 尿漏れで悩む女性は多いと聞く。年代の近い女性がくしゃみをしているのを見ると「あの人も実はおしっこちょっぴり/けっこうもれたろうかしら」と要らぬ心配をしてしまう。
 私はいつまでもれたろうなんだろう……。隠れもれたろうのみなさん、骨盤底筋トレーニング、一緒に頑張りましょう。


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