いつおかマガジン 第8回「祭のスタッフが『ADHDで何が困っているのか』について語り合ってみた」
「いつでもおかえり」運営です。いつも『いつおかマガジン』をご覧いただきありがとうございます。
ともに「ADHD」と診断されている弊社の広報担当である「くらげ」(以下「く」)とエンジニアである「h-michael」(以下「H」)が前回に引き続きADHDについて語り合ってみました。どうぞお楽しみください。
[く] こんばんは。くらげです。
[H] こんばんは。Hです。今回はどういう話をしましょうか?
[く] 先日、Slack で話した「ADHD あるある」のことをリリースしたところ記事にして記事として公開しましたが、読者からはだいぶ好評だったようです。
ただ、前回の記事では「そもそも ADHD で 何が困っているのか」というところがあまり触れられていませんでした。というわけで、今回は「そもそも何に困っているのか」というところをちょっと話しあえればと思いました。
[H] それでいうと、前提として自分は「ADHDだから〜に困っている」といよりは「〜に困っていてそういう傾向ってADHDっていう括りにしているよね」という認識でいたりします。
[く] 最初から読者の期待を裏切る内容になっていますが、それは大事な観点ですね(笑)「自分の困りごと」ってADHDであろうがなかろうが必ずあるわけで、ADHD と診断されていてもその人の困りごとの全てが ADHD から来るかというとそうではないんですよね。ですから、「困っていること」が先に存在していて、そこから分析して行ったら「たまたま ADHD でした」ということも多いと思います。
[H] 自分はADHDって「Aという原因があってそれがBという状態を引き起こしているからCという診断方法でほぼ確実に診断できる」っていうものではないと思っているんですよね。だからあまり「ADHDだから」って言わないようにしていたりします。あくまで自分はAとBとCが苦手でこういう傾向にあります。って言うことが多いです。補足としてADHDという診断を受けています。みたいな。自分がどうしても努力しても苦手なことを他人に納得してもらうためのラベルとして効果を発揮してくれるもの、みたいな認識です。人間は名前がついていないものを認知することが難しいから命名してもらって少し生きやすくしてもらったと思っています。
[く] 私の場合はとりあえず困りごとがあった場合は一度「ADHD の症状ではないか」という所に落とし込んで、そこから解決策を探したりしています。でも多分、細かく見てみたら自分がADHD で困ってるというところでも本来の意味では ADHD からくる問題ではないということもあるとは思うんです。でもまぁ、一度 ADHD に落とし込むというメソッドで問題の対処がやりやすくなっているので、この辺は自分の障害に対するスタンスの違いのようなものがあるのでしょうね。
[H] 自分も果たして自分のこの困りごとはADHDなのだろうか?とか10周くらいまわってよくわからなくなってしまっていますね。自己分析が行き過ぎてもよく分からなくなってしまいます(苦笑)
[く] めちゃくちゃよくわかります(笑)そういうところを一つ一つ潰していくと自分もよくわかんなくなるのでとりあえず ADHD ということにしておこうみたいな…。いや、実際にADHD の診断はもらってるし、忘れ物が多いだとか時間が覚えられないとかそういう問題は確実にあってそれが薬を飲んでからだいぶ緩和されたみたいなところがあるんですよね。
[H] ずっと脱線しつづけるので困りごとの話に戻しますと、
・予定をたてることが嫌い。
・短いスパンで制限時間があることに取り組むのが苦痛。
・同じくらいの重要度のそこそこ重要なタスクが複数あると全部手をつけないということになりがち。
・整理整頓ができない。正確に言うと方法がわからない。
ということが主にあります。
[く] これもこれで典型的な ADHD の困りごとですねぇ…。自分も全部そうなんですけど、この中では何気に一番きついのが「同じくらいの重要度のそこそこ重要なタスクが複数あると全部手をつけないということになりがち」ですよね。
[H] 特に仕事をする上では辛いですね!
[く] これは自分の中では「アクセルとブレーキを同時に踏む」という表現をしているんですが、焦燥感だけが募っていくのに全く仕事が進まないという大変辛い状態になって吐き気がしたりするんですけど、Hさんはそういうのはないですか?
[H] 頭は忙しくて切迫感は酷いのに何も手がつけられないという状態ですよね。自分もそうなりがちでそういう時は吐き気がしてきます。そういうときはとにかく現実逃避するか寝てしまうことが多いです。
[く] 私もそういう時は最近は寝ています(笑)私もそうですがHさんもフルリモートワークなのである程度は逃げたり寝たりするのが可能なんですけど、オフィスワーカー時代はそういうこともできないので本当に死ぬかと思いました。
[H] 前の会社からは「自分の特性を認めてもらって働ける」ということを一番大事にして求職活動していました。それがある程度うまくいったので、随分と楽になりました。こういう経験から、生きやすい場所で生きるの本当に大事だと思っています。本当に苦手なこととかどうにもならないことを努力するのもしんどいし、できない自分に落胆したりもするし、周囲の目も気になるしでストレスばかりですし。
[く] 全くその通りなんですよね…。私もこのままオフィスワーカーをやっていたら死ぬというところでなんとかフリーランスとして独立するコネと技術が出来まして、そこでめっちゃ助かっています。というところで、今回はちょっと「自分の困らないところで生きるのが大事」ことになりましたね。
[H] そうですね。最初のテーマとは違ってしまいましたが、これも大事な話だとは思います。
[く] ADHD が二人いると話が飛びまくって面白いんですが、記事として作るには困りますね(笑)また対談をして色々気づきなどを深められたらいいなと思います。どうもありがとうございました!
[H] こちらこそありがとうございました!