ルリユールおじさん|お直しの技術と伝統を、パリの路地裏で。少女の宝物が特別な1冊に|大人も楽しめる、一生の絵本
だいすきな絵本作家さんが何人かいる。そのうちのひとりが、いせひでこさんだ。
絵も文もどちらも担当されることが多く、水彩やアクリルで描かれるやわらかくたおやかな世界感が印象的な作家さんだ。
そんないせひでこさんが、素敵な文化・伝統を紹介してくれる絵本がある。今回はその1冊を紹介したい。
『ルリユールおじさん』
作:いせ ひでこ
講談社
定価:1,760円(本体1,600円)
サイズ:20×28センチ
ページ: 56ページ
舞台はパリ。女の子が路地裏の静かな通りにあるお店を訪れて物語は動き出す。
ソフィーには大事にしている植物図鑑があった。でもたくさん読んだからか、ページがばらばらと外れてしまった。本をどうにかしようと奔走する彼女に「ルリユールおじさんが直してくれる」という助言が。
そこで彼女はルリユールおじさんのお店へ。ソフィーの目の前で、本がよみがえっていくー。
「ルリユール」とは手づくりの製本工程、あるいはそれを行う職人のこと。フランス語だ。
元々大事にしていた図鑑だったが、ルリユールおじさんの手によって、ソフィーにとって思い出深い特別な1冊になったことが伝わってくる。ルリユールおじさんの手は魔法を生み出す。そんな風に思っていたかもしれない。
お直しの文化は世界に数多くある。そのひとつ、フランスの製本技術及び職人ルリユールを素敵な物語とともに伝えてくれたいせひでこさんのお仕事に敬意を表して、この絵本を紹介したい。
絵本についての私のnote
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