短編小説:日本の終末
6月の平日、午後3時を過ぎた頃。ぱらぱらと音を立てた小さな雨と、ゴロゴロと鳴り響くどす黒い雲。右手でビニール傘を差し、左手でコンビニで買った物をレジ袋に入れて、ある場所に向かって歩いていた。
1週間前、突然発表された日本の植民地化。移民の受け入れを行った結果、日本人の人口より移民の人口が上回ってしまった。選挙による投票で、数の少ない日本人が勝てるはずもなく内閣総理大臣や国会議員等が軒並み移民に入れ替わってしまったのだ。その結果、日本は他国と合併する形と発表されたが、実質的な