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東京オリンピック開催を願ったら不謹慎ですか

昨日、「新型コロナウイルス感染拡大のため、政府が非公式に東京五輪中止を決定した」と、イギリスのロンドン・タイムズが報じたというニュースがありました。
これを受け、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、現時点での中止や再延期の可能性を否定し、菅首相も予定通り開催すると主張しています。

最近の世論調査では、国民の8割が今夏の五輪開催を望んでいないという結果が出ているそうです。
東京五輪まで約180日。
開催は難しいだろうという雰囲気が社会全体に広がっているのを感じます。

緊急事態宣言が再び発令され、感染者数がなかなか落ち着かない現在の状況を考えると、現実問題、いよいよ開催は難しいかという考えもよぎります。

私は、2012年~2013年に、イギリスの大学院でスポーツマネジメントを学びました。
2012年のロンドンオリンピックは、サッカーとバスケットボールの試合を観戦し、初めてオリンピックを肌で感じました。その時の感動とワクワク感は、今でも忘れません。

また、2013年には、2020年のオリンピック開催地が東京に決まり、ネットでIOC総会の中継を見ながらアナウンスされた「TOKYO」の一言に歓喜したことを思い出します。
その時は、留学先の各国の友人から祝福のメッセージをもらいましたが、まさかあれから7年後に、こんなことになるとは想像もしませんでした。

オリンピックは、アスリートが参加して各競技の世界一を決めるだけの大会ではありません。
オリンピズムという理念を広めるという目的があり、簡単に言えば、「スポーツで世界平和を」という願いが込められています。

私は大学院で、オリンピズムの権威である教授のもと、「スポーツの可能性」について研究していたので、オリンピックは人々にとって意義のあるものだと考えています。

オリンピックは、税金の無駄遣いだとか、オリンピック用に建てられた競技場や宿泊施設は、その後、うまく活用できずに負の遺産になるのではないかなど、批判の声も多くあります。
しかし私は、オリンピックにはもっとポジティブな可能性があるように感じてならないのです。

昨年11月に開催された体操の国際競技会で、H難度の大技「ブレットシュナイダー」を成功させた内村航平選手。
その大会で内村選手は、東京五輪開催を願うスピーチをしました。

国民の皆さんが五輪はできないんじゃないかという気持ちが80%を超えているというのは、少し残念に思っています。「できない」じゃなくて「どうやったらできるか」をみんなで考えて、どうにかできるように、そういう方向に考えを変えてほしいと思います。非常に大変なことであるというのは承知の上で言っていますが、国民の皆さんとアスリートが、同じ気持ちでないと、大会はできないのかなと思う。どうにかできる、なんとかできるやり方は必ずあると思うので、どうか「できない」と思わないでほしいと思います。

オリンピックというイベントのポジティブな部分に目を向けてほしいです。
スポーツの可能性を信じてほしいです。
ネガティブな部分にばかり目を向けて、早々に中止を訴えるのは、とても残念です。

オリンピック開催を願い、そのために何ができるかを考え、行動する。

普段とは違うオリンピックになるかもしれません。でも、それを嘆くのではなく、コロナ禍だからこそできる特別なオリンピックにしようと考えることもできます。

今年の夏に絶対に開催すべきだと言っているのではありません。
中止が確定する前から、ネガティブな面ばかりに注目して悲観的、否定的に捉えることはやめませんかと言いたいです。

さまざまなことが制限され、閉塞感を感じる今、何か希望を持っていたいのです。
このような状況下で、何ができるかを模索する。
「できない」ではなく、「できる」を前提に前向きに思考し、行動する。
こうしたことが、今の私たちには必要ではないかと思います。

私は願っています。
確実に記憶に残る東京オリンピックを。


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