Walking in the night
深夜1時、家を出る。
いつも通る街も、夜には夜の衣装を身にまとう。街路照明で優しく光る歩道。信号機は赤の部分だけが点滅し、歩行者用信号は完全に消えている。完全に電気の消えた家もあれば、未だ煌々と光を放つ家もある。
僕はコンビニでコーラを買い、飲みながら歩く。
たまに車や歩行者とすれ違うが、皆が目の前だけを見て歩いている。死んだような顔をして。
いつもの公園に到着。ベンチに座り、目の前のブランコを眺める。風でたまに少しだけ揺れるそれは、悲しげにキーキーと音を立てる。
この時間こそ僕の1人になれる時間だ。僕が落ち着ける時間だ。僕が幸せな時間だ。
コーラを飲み干し、ゴミ箱に投げ入れる。失敗。立ち上がり、転がるペットボトルを拾って、今度は投げずに捨てる。最後に滑り台の1番高いところに上り、天を仰ぐ。星はあまり見えないが、綺麗な夜空だと思った。
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