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「既存漢字グランプリ」結果発表

はじめに

古来より日本文化の中心を占めてきた漢字。その形と意味の奥深さは、時代を超えて私たちを魅了し続けています。

そんな漢字の新たな魅力を再発見する試み、「既存漢字グランプリ」の結果が遂に発表されます。

この大会は、当初、漢字の順位を決める競技として構想されました。しかし、予想を遥かに上回る応募数の殺到を受け、運営方式に大きな変更が加えられました。順位付けを廃止し、それぞれの部門でノミネート漢字を選出。そして、これらの中から最終的に大賞を選ぶという形式を採らせていただきます。

この変更により、より多様な視点から漢字の魅力を評価することが可能となり、大会の趣旨である「既存漢字の新たな魅力の発見」により一層焦点を当てることができました。

注目すべきは、この大会がGoogle Japan漢字ミュージアムにも取り上げられたことです。漢字文化の新たな発信の場として、各方面から高い関心を集めています。

審査を務めたのは、いととと視力、そしてアート評論家である渋沢たつみ。各界の審査員たちが、それぞれの視点から漢字の魅力を掘り下げました。

初回にしてかなりの応募がありました。その中から厳選されたノミネート漢字と、栄えある大賞受賞漢字をご紹介します!



スタイリッシュ部門

視力「うぉ〜、カッコいいですねぇ!いやこれトップバッターからいきなりレベル高くないですか?

いととと「レベル高いなぁ」

視力「とめはねはらいが完璧ですねぇ」

いととと「一個一個のパーツを見ると組み立てるのが難しそうなのに、ちゃんとそれを組み立ててシンプルで力強い漢字として成り立たせている

視力「単純に自分をこんなに堂々と表してる"我"という意味自体がカッコいい。"われ"、"が"っていう響きも良いよなぁ」

渋沢「日常的に見慣れた存在でありながら、その構造を深く見つめると、奇跡的なまでにスタイリッシュな美しさを秘めていることに気づかされる。まるで、古代ギリシャの彫刻に命を吹き込んだミケランジェロの手によって生み出されたかのような完璧なバランスと構成を持つこの一字は、漢字という領域においても芸術の頂点に位置するものだ。直線と曲線が織りなす調和、力強さと繊細さが同居するその姿は、まさに漢字界のミケランジェロと呼ぶにふさわしい存在である。その芸術性と造形美は、他の漢字とは一線を画すものであり、誰もが認めざるを得ない圧倒的な存在感を放っている」

視力「ほぉ〜、これまたシンプルでカッコいいですねぇ」

いととと「よく見たらスタイリッシュですよね。曲線の美しさと、そこから生まれる力強さのバランスが絶妙

視力「最後の"くりん"ってなってるとこもお茶目でいいなぁ。遊び心と格好良さを両立させている

渋沢「その曲線は天体の軌道を思わせ、宇宙の神秘さえも感じさせる」

視力「アグレッシブな躍動感溢るる既存漢字ですねぇ!若さが凄い

いととと「見慣れた字だけど改めて見るといいなぁ。飛ぶという動作が、文字の形そのものに表現されている

渋沢「上部の翼のような部分と、下部の力強い足のような部分が、まさに飛び立つ瞬間の緊張感と解放感を同時に表現している。静止した文字でありながら、動きの本質を表現することに成功しており、漢字の持つ表現力の高さを証明している

いととと「流れてますねぇ」

視力「出ました!さんずい系!さんずいの段階で標準以上のスタイリッシュさは約束されてますが、それを見事に活かした後半の滑らかさは流石

渋沢「水の流れだけでなく、時の流れ、文化の伝播なども想起させ、漢字の奥深さを体現している

視力「なるほどぉ… 変化球スタイリッシュではある気がする。なんかよく見たら"実はカッコよくなくね?"っていうカッコよさがあるというか。つちへんとかって本来スタイリッシュと逆なのに良く見えてくる。一周回ったスタイリッシュさと言いますか…伝わるかなぁ?いや、良いですよコレ

視力「あ〜!織!面白いですねぇ!これをスタイリッシュに持ってくるの!チョイスがおしゃれかつスタイリッシュ!たしかに改めて見るとカッコいい

いととと「『音』と『或』の右側の部分をつなげて表現するのが、並の漢字じゃないな〜〜って思いますね。並の漢字ならあそこ離してますよ!でも彼はつなげてる!そこがあっぱれです。いや、離すことで生まれるセンスもあるんですけど、これはむしろ、つなげた方がセンスあるんですよね。いやぁ〜いいな」

渋沢「『音』と『或』の一部がつながることで、織物製作の連続性と調和を示している。この漢字は、単なる文字ではなく、人類の文明の発展を象徴する芸術作品とも言えるだろう

いととと「なんか郷ひろみみたいなスター性ありますね

視力「はぁ〜!情熱的ぃ!スタイリッシュかつパワフルですねぇ、なんか団塊世代のエネルギッシュさを覚える。ひへんのシンプルでストレートなスタイリッシュさが刺さります。お父さんの昔の写真カッコいいみたいな

渋沢「古来より人類にとって重要であった『火』の力強さと、それを制御し活用してきた人間の知恵が、この一字に凝縮されている

いととと「うわ〜!なんだろうなぁ、これ。なんて言ったらいいんだろうなぁ」

視力「なんというか不思議な品の良さを感じますね。育ちが良い感じがあるというか、ロジカルかつクレバーで 日本人なんだけどシンガポールに住んでリモートで仕事してる実業家っぽい

いととと「とげとげしててかっこいい!」

視力「間違えてスタイリッシュ部門に来ちゃったのかな?

いととと「なんか濃いな」

視力「カッコいいけど、昭和のハンサムって感じだな。眉毛太いっていうか もみあげ長いっていうか。加山雄三み強い

いととと「勝利への執念が詰まってる」

いととと「うおおおおおおお

視力「うわぁぁぁぁぁあ

いととと「切れ目かと思った

視力「ここに来てめちゃくちゃシンプルなスタイリッシュさ

いととと「手突っ込んだら抜けないやつ

視力「本当のスタイリッシュってこういうことなのかも」

渋沢「一本の線で世界を二分し、同時にその線自体が全てを包含する。この相反する概念の共存こそ、『一』の持つ最大の魅力ではないだろうか

かわいい部門

いととと「萌え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

視力「ふわぁぁぁ カワエェェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

いととと「にゃあああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

視力「けものへんの丸みの帯び方がまた可愛いさを引き出してますよねぇ」

渋沢「その構造自体が猫の本質を見事に表現している。左の『犭(けものへん)』は動物性を、右の『苗』は成長や生命力を象徴している。これは、猫が家畜でありながら野生の本能を持ち続けていること、そして人間社会に溶け込みつつも独立心を失わない存在であることを暗示しているのではないだろうか

いととと「かわいい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

視力「おぉ かわいいですねぇ。ま、でも最後のはねがなぁ

視力「どこに可愛さあんだよ

渋沢「一見すると日常的で馴染みのある存在だが、その奥に秘められた可愛さに気づくと、その魅力に心を奪われる。字の構成はシンプルでありながら、まるで柔らかな線が織りなすかのように優しさを感じさせ、見る者に思わず微笑みを誘う」

視力「ん?」

渋沢「『にょう』と発音する音も、どこか愛嬌があり、その響きに耳を傾けると、まるで小さな動物がちょこんと座っているかのような愛らしさを感じることができる。「水」の部首は、穏やかに流れる小川のようであり、その流れが甘い香りを運んでくるかのようなイメージを与える。まさに蜂蜜がゆっくりと流れるような、その優雅で甘美な印象は、「尿」という字に不思議な魅力を与えている」

視力「は?」

センス部門

いととと「テトリス部門でもいい

視力「いいですねぇ、センスあるなぁ。独特の世界観を感じる」 

いととと「もじもじくんでこれ迫ってきたら怖い

視力「けっしてスタイルが良いわけではないのに、どこか品のある佇まい」

いととと「うわ〜これはセンスある。並の漢字だったらつなげてますよ

視力「はぁ〜!これはめちゃくちゃハイセンス!」

いととと「並の漢字なら『俺これつなげてまうわ〜』ってなってると思う。『俺怖くてよう離せんわ〜つなげてまうわ〜』って」

視力「しかも真ん中の横線だけ空いてるのかと思ったら、上でも一回さり気なく空けてるんですよねぇ」

いととと「僕これ好きですねぇ〜」

視力「センスは引き算だということを思い知らされる」

渋沢「『分離』と『結合』という相反する概念を同時に体現している。線は離れているが、全体としては一つの意味を成す。まさに、形而上学的な深みを秘めた漢字と言えるだろう」

視力「うわぁ!こっちも空けてきたぁ!大胆かつ繊細で絶妙な距離感」

いととと「またこれもいい離しっぷりですねぇ。並の漢字ならあそこ浮かせない。『俺これつなげてまうわ〜』ってなってると思う」

視力「さっきから同じこと言ってません?」

渋沢「それは単なる空白ではなく、無限の可能性を秘めた『間』である。この『間』は、日本の伝統美学における「間」の概念とも通じ、見る者の想像力を刺激する」

いととと「浮かせてきたぁ!!!」

視力「うっひゃぁ!皆余白の使い方上手すぎ!」

いととと「並の漢字ならあそこ浮かせないんですよ。『俺これ着地してまうわ〜』って感じで安定を求めちゃう。でも「呉」は違う。この大胆な浮遊感が、漢字に新たな次元の表現力を与えている。まるで、文字が重力から解放されたかのよう」

いととと「急に来たな」

視力「うぉ!陰のセンス!いや、僕かなり好きですよ。行ききった逆張りでダーティなセンスを炸裂させてると思います」

いととと「夢屋まさるみたいな芸風ですかね?」

視力「たしかに元々はポップだった人間の開き直った闇落ち感はある。ほんとは海とか苺になりたかったのかな

渋沢「毒は危険であると同時に、適切に用いれば薬にもなる。

視力「おぉ!尖るかぁ〜、なんか毒と近い感触はしますねぇ。意味的にも尖るってセンスの象徴みたいなところありますからねぇ。気概をすごく感じます。そこを評価したいところですが…」

いととと「いやこれよく考えたらセンスか?漢字の意味を『小』と『大』でそのまま伝えてるだけで、パンサー尾形のサンキュー!みたいな芸風ですよこれ。ロケの時のあばれる君みたいながむしゃらさも感じます。精神的なとがりじゃなくて、ただの物理的な尖りじゃないかな。でもその素直さが逆に際立ってる」

いととと「センス、ただそれだけ」

視力「由緒正しきセンス、家柄からセンス」

いととと「すごいセンスだなぁ。不思議とバランスが取れてる。特に真ん中にさんずいを入れるという大胆な構成が秀逸。これ、組み合わせ次第では台無しになる可能性もあったはずなんです。でも、この絶妙なバランス感覚で、成立してる。

視力「よく見るとそもそもの各々のパーツもかなり整ってて、わざわざセンスで勝負しなくてもいいのに、あえてこの形を選んでる。その上でこんなハイセンスなのがすごい

いととと「リスクを恐れずに挑戦し、見事に成功してますよね。創造性とバランス感覚の調和を体現してる

渋沢「現代社会におけるイノベーションの本質を表しているようにも見える

視力「いやこれは凄いセンスだな。あえてのニ」

いととと「ハッとする推薦文だなぁ」

一番手が称えられるのは当然として、真に誉れを受けるべきはそれに続いた二番手の存在です。 「一」の字を決めた後に、その次の数を表す字を「二」にしよう、これでいいよね、これがいいよ、ってするの、結構な勇気がいりませんか?

推薦文

渋沢「『一』に次ぐものとして、継承と発展の概念を体現している。それは単なる模倣ではなく、先駆者への敬意と、そこからの創造的な一歩を表している

素朴部門

いととと「あ〜〜〜〜」

視力「素朴だなぁ〜〜」

いととと「実家帰りたくなるよ〜〜〜

視力「THE素朴」

視力「手入れしてない朴訥さがいい」

いととと「九はスタイリッシュだったけど、八はなんか素朴なんだよなぁ。洗練されたシンプルさというよりは、田舎の優しい素朴さ」

視力「癒されるなぁ 絶対あだ名はっちゃん

渋沢「繁華な都市の喧騒とは無縁の、穏やかでゆったりとした時間が流れる田舎の雰囲気を持っている。無駄のない形状は、あたかも田舎の人々の飾らない心を映し出しているかのようであり、そこには自然体の美しさが感じられる。八という字が持つ素朴さは、現代社会の中で忘れられがちな本質的な価値を思い出させてくれる。都会の華やかさに対するアンチテーゼとして、この字は、どこか芋っぽいと感じさせるその素朴さゆえに、心に安らぎを与えてくれる」

いととと「まるで田舎から都会に出てきたばかりの純朴な子みたい。素朴で飾り気がないけど、それがかえって魅力的。ちょっと芋っぽさもあるけど、それが愛らしさを引き立てている。」

視力「磨けば光るものを持ってる

いととと「俺だけが知ってる可愛い子

視力「え?狂う?これは素朴部門で合ってる?」

いととと「よく見たら素朴じゃないですか?

視力「う〜ん…言われてみればそんな気もする 一個一個の線は優しいし落ち着いてて…悪いやつではないのかも」

渋沢「その意味から凶暴さや狂気を連想させるが、形状そのものをじっくりと見てみると、驚くほど穏やかな雰囲気を漂わせている。この字は、まるで優しい心の持ち主が静かに佇んでいるかのような印象を与える。この字が持つ本質は、実際にはその意味とは異なるものであり、形そのものが持つ穏やかさが、私たちに重要なメッセージを伝えているのだ。形状を深く見つめることで、表面的な意味を超えて、文字の内なる性質に気づくことができる。」

視力「渋沢さんの審査コメント、感動すら覚えるな。狂気そのものは危なくない 表面的な部分だけ見てたらその奥にある真の素朴さに気付けないってことか…

いととと「なんだよそれ」

バランス部門

視力「うわぁ〜絶妙なバランス!よく倒れないなぁ

視力「ぉおお!コレまた凄いバランス!どうなってるのこれ?」

いととと「よく考えたらスゲーハイセンスだな」

視力「たしかにハイセンス系でもある」

渋沢「特筆すべきは右側の空間だ。この空虚さは「空」の概念を想起させる。無の中に有があり、有の中に無がある。この漢字は、その思想を視覚的に表現しているのだ。 さらに、「汽」が蒸気を意味することを考えると、この字は物質の状態変化、つまり変容と進化の過程をも象徴している。液体から気体への変化は、人間の精神的成長や社会の進歩にも通じる概念だ。

いととと「並の漢字だったらあそこに『メ 』足してた

視力「なんか空洞過ぎてソワソワしちゃいますね

視力「うぁぁ!これも凄い!そして安定感も凄い!上下逆さまにしても違和感ない」

いととと「が〜まるちょばを見ているようだ

いととと「必見!

視力「うぉぉ超絶技巧的!早すぎて見えないけど!凄いバランスとタイミングとテクニック。みっつの点の調和が美しい。ここまで出来るのに何年修行したんだ

いととと「ですよ。の腕の動きみたい

視力「ひぇぇぇ〜凄すぎ。関節柔らかすぎだろ

渋沢「この字が持つ曲線と直線の絶妙なバランスは、見る者を引き寄せ、まるで目の前に広がる未知の世界に誘い込むかのようだ。その美しさに心がドキドキと高鳴り、胸が張り裂けそうなほどの興奮を覚える。体の中を興奮が駆け巡り、血圧が高くなっていくのが分かる」

視力「複雑に絡まってるのにしなやかで美しい」

視力「え!?

いととと「クララが立った時よりびっくりする

視力「もはや宙に浮いてる説まである

フォント部門

いととと「ぶっと!

視力「こうしてフォントを変えるだけで印象がガラッと変わるなぁ」

渋沢「ただならぬ官能的な魅力が宿っている。その黒々としたフォントは、見る者の視線を引き寄せて離さない。太く、力強く引かれた一筋の線は、まさに心を奪うかのようだ。その存在感は、単なる一本の線でありながら、圧倒的な重みと深みを感じさせる」

いととと「躍動感!このフォントなら鳥人間コンテスト出ても優勝しそう

視力「テンションで押し切っててなんか元気出る!右側のチョンチョンが羽みたいで愛くるしい」

視力「このフォントかわいい」

いととと「インスタグラムのアイコンみたいだ

いととと「ん?なんか見覚えあるぞ?」

視力「松屋すぎる

いととと「お腹空いてきたな」

視力「情景が浮かんでくるかのよう。雨が降る前の夏の入道雲を思い出させるなぁ

渋沢「一見するとその形状にクールなかっこよさを感じさせる。しかし、その内側ではどうしようもない欲求不満が渦巻いている。表面ではクールで、何事にも動じないかのように見えるが、その内側には満たされない何かを抱えた寂しさが存在している

視力「なんか怖い!」

いととと「雰囲気出てるな〜」

視力「色も不気味さを醸してて良いですねぇ」

パワフル部門

視力「肉離れしてません?」

いととと「そり立つ壁ありません?山田勝己が自宅にトレーニングルーム作ってるみたい

視力「東京フレンドパークのジャンプするのもある




ノミネートは以上となります!
ここまでノミネート漢字の発表をお楽しみいただきありがとうございました!

さあ、いよいよ、栄えある「既存漢字グランプリ」の大賞発表の時が迫ってまいりました!果たして大賞の栄冠に輝く漢字は、どの文字になるのでしょうか。読者の皆様の期待と興奮が、一気に高まっているのを感じます。

しかし、その前に!
もう一つ、どうしてもお伝えしたいことがあります!

ノミネートには惜しくも届かなかったものの、ひときわ存在感を放つ漢字がいくつもあったのです。

そこで、「渋沢ピックアップ」と題し、その漢字たちを渋沢たつみが皆様にご紹介したいと思います。 さあ、皆様、このまだ見ぬ漢字の宝庫へ、いざ、ご一緒に繰り出しましょう!思いもよらぬ発見と感動が、そこには待っているかもしれません。

「渋沢ピックアップ」、スタートです!

渋沢ピックアップ

渋沢たつみ「この一反木綿のような形状を持つ漢字は、その独特な姿から、一見すると漢字であることを疑いたくなる。しかし、その視覚的なインパクトは極めて強く、この漢字が注目を浴びたことにより、既存漢字グランプリは急速に広く認知されるようになった。その結果、Google Japanや漢字ミュージアムといった名だたる機関がこの大会に注目し、取り上げるまでに至った。この漢字の登場は、既存漢字グランプリという催しを単なる文化的イベントの域を超え、文字という枠組みに新たな価値を与える重要な文化現象へと押し上げたと言えるだろう。漢字の形状に対する既成概念を打ち破るこの一字が、大会の規模を拡大し、その意義をより深める象徴となったのである」


渋沢「手書きというアプローチが非常に斬新で、そして実に興味深いものだった。その字体には一見すると気の抜けたような軽やかさが漂っているが、伝統的な印刷字体に対する反抗や、形式的な枠を超えた自由な表現を模索しているかのようだ。意識的で洗練された表現手法であると評価せざるを得ない。書の原点に立ち返り、手書きという人間味溢れる表現を通じて、文字に新たな命を吹き込むことに成功している。まさに、現代における漢字表現の革新を象徴する作品と言えるだろう」

渋沢「単純にその見た目が面白い。どこかコミカルで、視覚的に印象に残るこの形状は、一目見ただけで興味を引きつける。こうした、ぱっと見では意味が掴みにくい、ある種の謎めいた漢字に出会えるのも、既存漢字グランプリの醍醐味であると言えるだろう


渋沢「なりたちが興味深く、また一見して不可解な漢字にも、より一層の注目が必要だと強く感じる。こうした漢字は、単なる文字としての機能を超えて、文化的な背景や歴史的な文脈を秘めていることが多い。今回、惜しくもノミネートからは漏れてしまったが、この字に対するアプローチは非常に独創的であり、漢字そのものが持つ奥深さを改めて感じさせられた。このような字が持つ隠された意味や構造を探求し、その魅力を再発見することは、既存漢字グランプリの本質に通じるものであり、今後のさらなる発展において重要な視点となるだろう

渋沢「アンビグラムという手法での参戦は、非常に独創的で興味深いアプローチだと感じた。特に、この作品が『渋沢たつみ』と読めるように設計されている点は、視覚的な驚きと知的な遊び心を兼ね備えている。既存漢字グランプリは、まさにこうした多様な視点を受け入れる懐の深い大会であり、創造力と革新性が評価される場としての役割を一層強く印象づけるものである」

渋沢「まさに欲求不満を体現している。私はこの字から、言葉では表しきれないほどの強烈なパワーを感じる。線と形が持つ独特の緊張感が、見る者に抑えきれない力が内側からみなぎってくる感覚を与えるのだ。まるで心臓の鼓動が高鳴るように、ドキドキとワクワクが交錯し、破裂してしまいそうなほどのエネルギーを秘めている。この文字は、ただの文字ではなく、抑圧された力や欲望が文字の形を通じて爆発しようとしている様を、見事に表現している。まさにその不満と衝動が、この字を生き生きとさせ、圧倒的な存在感を放っているのだ」


皆様、「渋沢ピックアップ」をお楽しみいただき、ありがとうございました!


大賞発表

長らくお待たせいたしました!
ついに、この「既存漢字グランプリ」の頂点に輝く、大賞作品の発表のお時間です!

大賞に選ばれるのは、「既存漢字グランプリ」の理念を体現し、漢字の新たな可能性を示してくれる、素晴らしい漢字です。それは、伝統の重みを受け継ぎながらも、現代に生きる私たちの心に、鮮やかに響く漢字です。

それでは、既存漢字グランプリの大賞を発表したいと思います。

大賞に輝いたのは・・・







大賞は「我」です!
この漢字を応募してくれたなーお様、本当におめでとうございます!
なーお様には、賞金として5000円相当のギフト券を贈呈いたします。

それでは、審査員の皆様から、「我」という漢字への思いを込めたコメントを頂戴したいと思います。

審査コメント

いととと

「我」という漢字の魅力は、まさに奥深さと普遍性の見事な調和にあります。日常的に使用する漢字でありながら、改めて見つめ直すと、その先鋭的なデザインに驚かされます。

まず、そのバランスの妙が目を引きます。縦画と横画の絶妙な組み合わせは、ほんの少しでもずれれば崩れてしまいそうな繊細さを持ちながら、なぜか揺るぎない安定感を醸し出しています。

さらに驚くべきは、この複雑なバランスを保ちながら、誰もが比較的容易に書ける字となっている点です。そして、その簡潔さの中に力強さと格好良さを兼ね備えているのです。

この「複雑さと簡潔さ」「普遍性と個性」「伝統と革新」といった相反する要素を、ひとつの字の中に見事に融合させている点に、私たち審査員一同が心を打たれました。

『我』という漢字は、まさに既存漢字の真髄を体現していると言えるでしょう。その奥深さと普遍的な魅力が、今回の大賞に値すると、満場一致で判断いたしました。おめでとうございます!

視力

やっぱりトップバッターから圧倒的実力と華を見せてくれて、この大会を盛り上げてくれました。
その責任と重圧を見事乗り越えた漢字が初代王座に相応しいと思いました。

特に僕が目を引いたのは、その意味と読みでして、「我」という漢字の持つ自身の存在意識を指す形容、そこに加わる美的センスはその用途としても他に類を見ない唯一性を文字通り我を強く体現していると感じました。

なおかつそれを発音する時に生じる「われ」「が」という言葉の響きの逃げの無さが孤高かつ誰しもが持つ個人の内面世界を端的に表していて、そこにスタイリッシュという言葉だけでは言い表せない深い業と愛すべき大衆性、普遍性を覚え、選ばせていただきました。

デザイン、テクニック、読み方、意味、どれを取っても既存漢字の名に恥ない素晴らしい漢字観!
これからも我を貫いて既存していてください!おめでとうございます!

渋沢たつみ

「我」という漢字は、日常において頻繁に目にするものでありながら、その奥深さを見落としがちな一字である。しかし、その構造を丹念に見つめることで、奇跡的なまでにスタイリッシュな美しさを秘めていることが明らかになる。まるで、ミケランジェロが古代ギリシャの彫刻に命を吹き込んだかのように、この漢字は完璧なバランスと構成美を誇り、漢字という芸術の領域においても頂点に君臨する存在である。

今回、「我」が初代既存漢字グランプリの栄冠を手にしたことは、極めて正当であり、審査員一同もこれを心から讃えるものである。この漢字は、その芸術的価値と存在感において他を圧倒し、この勝利は偶然ではなく、まさに必然であったと言えよう。

「我」は、既存漢字の素晴らしさとその奥深さを再認識させる象徴であり、この漢字が持つ普遍的な美しさと、時代を超えて語り継がれるべき価値は、私たちにとって大いなる誇りである。これからもこの文化を永遠に残していくことを、強く望む次第である。

改めて、「我」の優勝を祝福する。その卓越した造形美と圧倒的な存在感に深い敬意を表し、今後も既存漢字の文化がさらに広く注目されることを願う。「我」、優勝おめでとう。まさに、漢字界のミケランジェロと称すべき存在だ。


さいごに

今回の「既存漢字グランプリ」は、私たちが日常的に使用している漢字に新たな光を当て、その奥深さと多様な魅力を再発見する機会となりました。

ノミネートされた漢字たちは、形状の美しさ、意味の深さ、歴史的な重要性など、それぞれが独自の魅力を放っています。 この大会を通じて、漢字は単なる文字ではなく、日本の文化や歴史、そして私たちの想像力を映し出す鏡であることが改めて確認されました。

「既存漢字グランプリ」は、今宵をもって幕を閉じようとしています。しかし、既存漢字の魅力と可能性は、この大会の終わりと共に消え去るわけではありません。むしろ、この大会を通して、私たちは既存漢字の持つ無限のポテンシャルに気づかされたのです。

皆様、どうか、この大会で出会った漢字たちの魅力を、忘れないでください。そして、日常の中で、友人や家族、同僚など、様々な人々と既存漢字について語り合ってください。一人一人が既存漢字の魅力を再発見し、共有することで、漢字文化はより豊かに、より深く根付いていくのだと私は信じています。

「既存漢字グランプリ」は、漢字の未来を切り拓く一つのきっかけに過ぎません。今日この場で感じた感動や発見を、どうか大切な人々と分かち合ってください。そうすることで、既存漢字は永遠に生き続け、私たちの心の中で、新しい命を吹き込まれ続けるでしょう。

皆様が、既存漢字について語り合い、その輝きを守り続けてくださることを、心から願っております。

「既存漢字グランプリ」に参加してくださった全ての皆様、改めて心より感謝を申し上げます。既存漢字という、私たちの心に灯した情熱の火を、これからも大切に守り続けていきたいと思います。

みなさま、本当にありがとうございました!既存漢字よ、永遠に…


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