3日坊主未満は避けたいのでまずは3日分 【日記の練習#01】
2024年10月12日(土)
川辺のベンチで、最近買った西加奈子さんの『夜が明ける」を読んでいた。本に没頭していると、川床に高く爽やかな鳴き声が響いた。顔を上げると、小さな小さな鳥が、背中が青色の鳥が、すばしこく飛んでいくのが見えた。「カワセミを見れた!ラッキー!」とこっそり喜びつつ周囲を見渡すと、向こう岸もこちらの岸も誰も気づいていない様子で、自分だけの発見だったことに、少しの優越感を覚える。
またしばらく本を、時々蚊に集中を乱されながら、読んでいると、先ほどと同じ鳴き声が聞こえた。見回しても青い鳥はどこにもいない。
と、川の中の岩に小さなものが乗っているのに気づいた。いそいでiPhoneのカメラを開いて拡大すると、オレンジ色の鳥が見えた。別種か?と思ったら、こちらの視線に気づいて自慢するかのように、背中の綺麗な青色を向けてくれた。
再びホクホクと嬉しさを感じていると、予備動作なくパッと岩から離れた。水面に飛沫が上がった。あっという間に飛び去っていく。よく見ると、白く光るものを掴んでいた。
カワセミを1日に2度も、しかもまで見れるなんて。今週一番の幸せを感じた。
余談だが、『ハンター× ハンター』を読んでから、動物が狩りをする瞬間を見るたび、ハンター試験中に主人公のゴンが相手に気取られずに攻撃する方法を編み出していたシーンが自動再生されるようになった。
10月13日(日)
今日はうっかり6時半に目が覚めてしまった。十分に疲れが取れてはいない感覚だったけど、久々の早朝にワクワクしてしまって、カーテンから空を覗くと、水色とオレンジが白くぼやけていた。
1年前、京都に引っ越してきたばかりの頃はよく早起きして鴨川に出て、景色を眺めていた。水の音がよく聞こえるお気に入りのスポットを見つけて、座り込んでいた。
働き始めてからは、少しでも長く寝ていたくて、毎日8時起床でドタバタと準備する朝が続いていた。朝焼けはお久しぶり。
衝動のまま着替えて靴を履いて自転車に乗った。 家から川辺への道は、直線上に比叡山が見える。ふんわりと霧がかかった朝の比叡山は只者ではないオーラを放っていて、心の中で「有難い、有難い」と拝む。
川辺に出るとすぐ、日が昇る瞬間に遭遇できた。眩しい。気持ちがいい。こんなに朝早くから、たくさんの人たちがランニングや犬の散歩をしている。自分など、半年に一度の思い切りで布団を振り払ってきたのに。
川辺に降りて少し自転車を漕いでいると、普段は深夜にも見かけないような、フラフラとおぼつかない足取りのサラリーマンが歩いていた。この辺に朝までやってる飲み屋なんてなかったような。タクシーで朝帰りして休憩がてら散歩してるのかな。
朝日に照らされて綺麗な山々や、川の風景を眺めながら、後ろ姿からも酒の残り具合の見えるサラリーマンを追い越す。無事に家に帰ってね。
橋の歩道で自転車を停めて山と川を撮る。カメラフォルダには昨年から撮り溜めているおなじような写真が山ほどあるのに、鴨川の景色を見るとついカメラアプリに指が伸びる。
寒くなってきたのでそろそろ戻ろうと、来た道を戻る。サラリーマンはついに歩くのをやめて、芝生に寝っ転がっていた。風邪ひくぞ。
でもなんか、自由でいいな。しんどそうだったけど。
鴨川の何より好きなところが、この自由さ。鴨川に集まるひとはみんな、他の人が何をしていてもあんまり気にしないし、そもそも度を超えた振る舞いをしない。各々が好きなように過ごしながら、お互いが過ごしやすい空間を守っている。
10月14日(月)
先日友人と、てんどんまんと釜飯なんちゃらと、もう1人誰だっけ、という話になった。
アンパンマンのキャラ一覧のサイトを確かめにいくと、正解はカツドンマンだった。
そりゃね、親子丼とか海鮮丼とか人気の丼ものは沢山あるけど、日本代表3選に入れるならカツ丼がだよな。いやそもそもあのパンの世界に海鮮系って居たっけ。パンに合わせる海鮮って白身フライだけど、揚げられた魚のキャラってどこで生命宿ったんだ?
とかなんとか話しながらキャラ一覧を眺めていたら、小さい頃あんなに大好きでずっと見ていたのに、全く覚えのないキャラクターが(むしろ知らない人の方が)沢山いてショックを受けた。
(ちなみに見ていたサイトはこちら
なかまのしょうかい|アンパンマンについて|アンパンマンポータルサイト)
一覧には写真が五十音順で並んでいて、名前は詳細ページを開かないと出てこない仕組みになっていた。
あ行だけでもわかるように、ぱっと見ではモチーフがなんなのかさえ不明なキャラクターの多いこと。あまりに予測がつかなくて面白くなってきた。
2人で、画像から名前を推測するクイズを始めた。
例えばこの人。モチーフは明らかだが、「おむすびざむらい」か「おにぎりざむらい」かどっちだろう。と思っていたら
おむすび「まん」???
せっかくの和装を活かして名乗りなよ…。
続いてこの人。
上に持っているのはお稲荷か…?とにらみつつ、無難に「いなりマン」と推測して開くと、
頭の中で推測していたネーミングルールが破壊された。
他にも、あ行の一番最初に乗っているこの人に至っては、「あじさいさん」だという。
これ以上具体例を出すともったいなく感じてきた。サイトの作り上、1人でもできるので、ここまで読んでくれている方はぜひサイトを開いて遊んでみて欲しい。
クイズを繰り返していると、相手側の正答率がなぜかじわじわと上がってきて、ついには完全一致の答えを3連続で出してきた。モチーフ、性別、年齢層、イメージ国から推測しているようだ。
アンパンマンキャラクター特化型AIやん。
最後に、一番衝撃だったピタリ回答がこれ。
「ようかんおかみ」とか「ようかん姉さん」とかかなと思っていたら、「マダム」って。そんでなぜこれを一発で当てられるん。
こんな力どこで使えるんやと笑いつつ、どこかに確実に存在している、この「やなせたかしっぽさ」を我が物にして名付け続けている仕事人に思いを馳せた。
もし後継ぎをお探しでしたらお声がけください。
3日分、ことごとく文体やテンションが違ってて笑ってしまった。
明日起きて恥ずかしくなるかも。果たして4日目に到達なるか。
おやすみなさい。