ワンピース「ワノ国編」は東方見聞録がモチーフだと思う2つの理由
高校で世界史の勉強をしていた方なら、「ハイドゥ(カイドゥ)の乱」を聞いたことがあるかと思います。
フビライ・ハンの大元ウルス(モンゴル帝国)に何度も反乱を起こしたカイドゥに関しては、マルコポーロが書いた東方見聞録に何度も登場してきます。
カイドゥという名前から、ワンピースの四皇の一人カイドウを連想した人も多いかと思いますが、あくまで
・名前が似ている
・反乱を繰り返した
程度の関連性しかなかったわけですが、
「おでん」と「ヤマト」の登場により、ワンピースのカイドウはやはり、モンゴルのカイドゥが元ネタで、ワノ国編は東方見聞録から多くのヒントを得ている可能性が高くなってきたと考えています。
1.ヤマトのモデルは「月の光」の名を持つカイドゥの娘
ワンピースには「ヤマト」というカイドウの娘が登場します。
彼女は、女性でありながらカイドウから「息子」と呼ばれ、自身も「僕」という呼称で呼び、父のカイドウに逆らい続ける男勝りな女性です。
実在のモンゴルのカイドゥにも娘がいました。
名はクトゥルン。
女性でありながら普段から男のように振る舞い、モンゴル相撲では誰にも負けない腕っぷしの強さで、父カイドゥに連れられて何度も戦争に参加し、父に助言するほどの戦の才能があったと言われています。
クトゥルンは、カイドゥから溺愛され、周りが肉体関係を疑うほどだったと言われています。
ワンピースでヤマトが出てきたとき、ようやくカイドウの元ネタがモンゴルであると確信に変わった人は多いのではないでしょうか。
クトゥルンとヤマトは、カイドゥの娘という点やその振る舞いも含めて非常に酷似しています。
さらに、東方見聞録には記載はありませんが、歴史家ラシャドによれば、クトゥルンの夫は、過去にカイドゥの暗殺未遂事件を起こした王子です。
これはエースがカイドゥを倒しにきたストーリーにも紐付けされそうですね。
クトゥルンは、別名「アイヤンイェルク」でその今は「月の光」です。
「月の光」→「光月」という連想もできて面白いですね。
2.おでんのモデルはアルゴン王子
東方見聞録では、クトゥルンのお話の後に、アルゴン王子という人物のお話に移ります。
このストーリーが非常におでんの話に似ています。
ザックリ言うと
・アルゴン王子は、カイドゥと互角に渡り合うほどの戦上手
・アルゴン王子が遠征中に父が急死
・父が急死の際、アルゴン王子不在の隙をついて弟のアマコットが王位を簒奪
・遠征先でその知らせを聞いたアルゴン王子はアマコットの討伐に動く
・しかしそれを事前に察していたアマコットはアルゴン王子を迎え撃ち、アルゴン王子は戦に負けて捕虜になる
・捕虜になったアルゴン王子を救おうと7人の将軍が立ち上がる
・7人衆は、戦に勝って女と遊び呆けているアマコットの隙をついてアルゴン王子を奪取
・勢いにのったアルゴン王子はアマコットの討伐に成功
おでんのストーリーに似ていますよね。
もし、おでんの側近たちは赤鞘九人男のモデルが、アルゴン王子を救った七将軍だとすれば、赤鞘九人男には、もう一人裏切り者がいるかもしれませんね。
ちなみに、アルゴンの息子カサン王子もまた壮絶な人生を歩むことになります。↓
・アルゴン王子は王位につくが、数年後何者かによって毒殺される
・アルゴンが毒殺された際、息子カサンは遠くの地にいたため、アルゴン王子の時と同様身内に王位を簒奪される
・簒奪したキアカトゥもまた何者かによって毒殺され、いよいよカサン王子が王位継承かと思いきや、叔父のバイドゥが王位につく
・カサンは王位をかけてバイドゥに戦を挑むが圧倒的兵力差でカサンの敗戦は濃厚だった
・だが、バイドゥ側の将軍が立て続けにカサンに寝返ったことで逆転勝利
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