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ブランディング塾⑤「世界観」1.ターゲットマーケティングであるケース

昨今、手作り販売業界で「世界観を大事に✨」というような言葉をよく耳にしませんか?


「世界観」って一体何なんでしょう?

例えば…
自分の作るものは魔法の世界にインスパイアされてます。
だから「魔法の国」という世界を作り上げています。
というような思いがあったとしましょう。
この場合、わかりやすくそれが「世界観」ですよね。
ですが、それは「自分の好きな物の体現」ではないでしょうか?
その「魔法の世界」をどこの誰にどうやって売り込むのでしょうか?

キラキラワードで置き換えられてはいますが、
「世界観」=「ターゲット層の好む世界」なのです。

私の先輩作家さんで、かれこれ20年近く前の私がまだ駆け出しですらない頃からお世話になっている方がいまして。
その方はセンスがものすごく良くて、抜群のアシンメトリー感のあるコンテンポラリーなネックレスやコスチュームジュエリーを作る才能の持ち主です。
ですがある時、売り場をそれまでの「キラキラ煌びやかなお客様が個性的なアクセサリーを求めてやってくる催事」から
「一般のお客様が普段使いのアクセサリーを求めるアクセサリー売り場」に変えました。
その際に、コスジュエ路線からシンプル天然石アクセサリーに商品展開も変えました。
元々抜群のセンスがあるので、シンプルだけど絶妙なオシャレ感のあるアクセサリーは大人気で、一躍売れっ子作家さんへと駆け上って行かれました。

その先輩曰く製作をするときには
「街を歩く人を見て、そのアクセサリーを観察したり『あの人こんなアクセサリーに合いそうだな』って考えるようにしている」と言っていました。
これは、マーケティング&顧客層の限定を行っているんですよね。
顧客層が見えれば、その層が好むものをマーケティングして、
好まれる商品のある売り場=「世界観」を作り出せるのです。

つまり、何を言いたかったかと言いますと
「世界観」という言葉に踊らされて、こてこてとしたディスプレイを作りこむ必要はないということです。

それでも「魔法の世界」をコンセプトにしたいのであれば、できます。
ですが逆の路線(売り場から売れるものを生み出すのではなく、売るものから売り場をリサーチして選択)を歩むことになるので、少々時間はかかるかと思います。
ですが、SNSなどを上手に用いればイケるとは思います。

ここでも作家の永遠のテーマ「作りたいのか、売りたいのか」に帰結してしまいますが、
「売りたい商品を売れる場所で売れるように展開すること」が
「世界観をつくりだすこと」ということだと思います。

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