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死後の世界を誰も知らない理由

ある深い池にヤゴが住んでいた。

彼らは不思議に思っていた。

百合の枝をつたって水面にのぼっていった友達は、なぜ誰も帰ってこないのだろう。

そこで彼らは相談した。

「次に誰かが水面に上がったら、必ず戻ってきて、何が起こったのかを話してくれ。約束だよ。」

すぐに、仲間の1人が強い力を感じた。

彼は百合の葉に辿り着き、そこで美しい羽のトンボに変身した。

その事を伝えようと、彼は池の水面を飛び回った。

けれど、ヤゴ達は誰1人として、その美しい生き物がかつての仲間の1人だとは気付かないのだった。

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