市場ゼロか、巨大なチャンスか？|ビジネスの可能性を調査した3人のセールスマン

香港で靴の製造会社を経営するある人物がいました。

彼は、南太平洋にある孤島に靴の市場があるかどうかを確認するため、1人のセールスマンを派遣しました。

このセールスマンは、島の状況を確認するとすぐに電報を送りました。

「島の人々は靴を履いていません。したがって、市場は存在しません。」

しかし、経営者は納得できず、2人目のセールスマンを派遣しました。

2人目のセールスマンからの電報にはこう書かれていました。

「島の人々は靴を履いていません。つまり、非常に大きな市場が存在します。」

これでも経営者は満足せず、今度はマーケティングの専門家でもある3人目のセールスマンを派遣しました。

3人目のセールスマンは現地の部族長や住民と直接話し、詳細な調査を行ったうえで、次のような報告を送りました。

「島の住民は靴を履いていないため、足には傷やあざが目立ちます。私は部族長に、靴を履けば足の悩みが軽減されることを伝えたところ、彼は非常に興味を持っていました。部族長の見積もりでは、1足10ドルであれば島民の70%が靴を購入するとのことです。初年度に少なくとも5,000足は売れる見込みです。島への輸送経路と島内での流通網の整備にかかるコストを差し引いても、この事業は十分に利益を生み出す可能性があります。早急に進めるべきです。」