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或阿呆の一興
2024年9月10日 07:12
南禅寺の門前に、「泣き婆さん」と呼ばれる女性がいた。彼女は雨が降れば降ったで泣き、天気が良ければ良いで泣く。雨でも晴れでもいつでも泣いていた。南禅寺の和尚(おしょう)が不審に思い、こうお尋ねになった。「一体、お前さんはなぜいつもそう泣くのか?」すると婆さんは言うのだった。「私には息子が2人おります。1人は三條で雪駄屋をやっております。もう1人は五條で傘屋をやっております。い