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私は家族の思い出記録係、ママ。夜な夜なフィルムを現像して、写真を焼くよ。

ハマると、とことんハマるタイプですか?わたしはそうです。
編み物をすれば、糸を染めてみたり、紡いでみたり。一通りやってみたくなる性格です。編み物に関しては一周して、やっぱり一番は「編む」のが好きで、商いとしては「糸を染めて売る」のがメインという結論。手染め糸のお店をやりながら、自分や家族の服を編んでいる、2歳児を育てる母でございます。

そんな人間がフィルムカメラで家族の写真を撮るようになって、2年ほど。幸い(?)機材(レンズ・カメラ)沼方面には向かっていないのだけど、モノクロフィルムを1本撮ったのをきっかけに、「自家現像」、さらには「自宅暗室で手焼きプリント」という方面に進んできてしまうことと相成りました。

仙台でいつもお世話になっていたカメラ屋さんでは、カラーフィルムは1日(というか1〜2時間くらい)で仕上がるので、現像に出してから布を買いに行って、ついでに夕飯の買い物もして、、、そうしているうちに仕上がったネガとデータを受け取ってから帰る、みたいなことをやったりもしていたのだけど、モノクロフィルムだとそのお店では現像できず、東京のラボ送りになるので、仕上がりまで1週間も2週間もかかったりする。そして値段もあがる。

「自家現像という手があるらしい」というのをどうやって知ったのかは思い出せないが、多分フィルムカメラまわりの皆様のnoteを読んだりして知ったのだったと思う。やってみるか、そんなにむずかしくなさそう、と軽い気持ちでモノクロフィルム自家現像生活がスタート。

ハマるととことんハマるタイプなうえ、形から入る&道具はカッコ良い(当社比)のが良い、というタイプなので、フィルムを巻き取るリールとタンクは、(難しいらしいとは聞いていたが)ステンレス製にした。1本目のフィルムはリールへの巻取りに大苦戦し、一部、像が出てこない部分があったりしたのだけど。とほほ。

 逆にアーティスティック

そんな失敗をしながらも、仙台にいるうちに2本、東京に引っ越してから2本現像して、だんだんリールに巻くのもうまくなってきた。今夜は初めての現像液(Ilford ID-11じゃなくて、フジ ミクロファイン)&初めてのフィルム(Ilford FP4+じゃなくて、Agfa APX100長巻)でもうまく現像できた。

そして今月になってから始めたのが、自宅暗室でのモノクロ手焼きプリント。現像したネガは、そのままでは日常的に見ることができないので、紙にプリントするか、スキャンしてデータにするか、何かしら処理をしないといけない。いつもは、現像をお願いしたお店で、そのままスキャンしてデータにしてもらっているが、さて、自家現像したフィルムはどうするか。

プリントやスキャンだけお店にお願いしてみたり、デジカメで撮影するかたちのスキャンを自分でしてみたり、色々試しているうちに、データで編集するの、そんなに好きじゃないし、データだけあっても、SNSのために撮っているわけでもないし、自分でプリントしたらいいんじゃない?ということになりまして、こちらの沼に進むことにしたのです(ちなみに、「データだけあっても〜」というのは、2歳の息子が、手に取って見れるアルバムの形に残したいから、です)。

そこから、ネガを紙のサイズに拡大する「引き伸ばし機」やら、光を当てて像を印画する「印画紙」やら、印画紙用の現像液などの薬品やらやら・・・をメルカリやヤフオクでかき集め、新居の自室兼寝室の雨戸を閉め、赤い光を灯し、夜な夜な写真を焼いています。

自家現像に比べて、暗室用品は必要なものの数が多く、中古で手にいれるしかないものも多く、集めるのはちょっと大変でした。でも、安く済ませたり、入手しやすいもので揃える方法は色々ある。セーフライトはLEDでも大丈夫で、それを元々持ってたIKEAのランプに入れればOKだとか、引き伸ばし機と引き伸ばしタイマーのメーカーが違っても大丈夫だとか。あとモノタロウでバットとかポリビンとか買った。

案外苦労したのは、どのサイズの紙に焼きたいのかによって、用意するべき道具のサイズも変わってくるということ。そもそも印画紙のサイズの規格が聞き慣れないものでなかなかピンとこないし(四つ切り、六切り、大キャビネ、キャビネ(カビネ)とか、それがさらにインチ表記だったり、、)。大は小を兼ねるようで兼ねなかったり、、。ちょっと余計なものまで買ってしまって、使いやすいサイズのものを買い直したりもしているけど、少しずつ正解が見えてきたかな。

上にも少し書いた通り、わたしが撮っているのは家族写真で、たまに展示したりという可能性はあるけど、飾るのも家の壁くらいだから六切りで十分。基本はアルバムに入れたいからL版(大キャビネを半分に切ったサイズ)で、気に入ったものは少し大きく2Lサイズ(大キャビネ)に焼いて、コンタクトシートと、壁に飾りたいものは六切りに焼くつもり。今のところね。

現像も、プリントも、子どもが寝てから静かに楽しむ趣味としてはぴったりだと思う。薬品は危ないので、子どもの手の届かないところに置く必要があるけど、大きな音は出ないし、もし子どもが起きてきたとしてもちょっと中断しておくことはできるし。息子は、朝起きたら、自分の写真が干してあるのが嬉しいみたい。アルバム用にはならない、ちょっと失敗したやつは息子にあげてます。手垢をつけながら、何回も箱に入れたり出したりして眺めているのは良い景色です。

まだ干すところちゃんと準備できていない

わたしが生まれて初めての暗室作業をしたのは令和も6年になってからだというのに、富士フィルムはとっくにモノクロ印画紙の製造をやめてしまっているみたいだし、薬品なんかもいつまで手に入るかわからないけど、今始めてみてよかったと思う。まだ中古でいろいろ手に入るし、期限切れの印画紙や薬品も使えてるし、Youtubeはじめ、インターネットの力で情報は手に入るしね。

全然暗室の経験がなくても、専用の部屋がなくても、自分で撮ったフィルムを現像して、紙に焼くところまで、できちゃうもんなんだねえ。しかも楽しいよ。

あなたも、こちらの沼へいらっしゃる?おすすめ動画貼っておきます。

🎥 暗室欲しくなる動画(メキシコ在住のアーティスト。家にこんな立派な暗室あったら素敵だよね)

🎥 アナログ好きのあなたへ(長いけどめちゃ面白いよ、世界最古のポラロイド工場を買って復帰させた人の話)

あ、ちなみに今、東京は日暮里の三葉堂寫眞機店さんで、公募展に参加中です。HARMAN Phoenix 200で撮った夏の思い出写真展です。こちらはプロのプリンターさんがプリントしてくれました。息子の写真出してます。

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itoshigoto
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