見えていないもの #2
そして私はいつからか、自分自身の行動に自信が持てなくなっていることにも気付いた。提出しないといけない最難関のExcelを用いたレポートの提出期限が刻一刻と迫る中、私は「誰に教えてもらおうか」ということばかり考えていた。周りからの「バカ」だとか「頭悪い」という言葉を受け入れ、次第に私自身は、「頭が悪い」から「何も出来ない能無し」にまで自分を落として考えるようになった。再度言うが、こうすることが何も考える必要がなく楽だったからだ。
けれど、レポートはそんなに甘くなく、誰に聞いても教えてもらえなかった。聞く人がいなくなって、仕方なく自分から動き出した。使い慣れていないExcelも、YouTubeの動画を見ながら2日かけてなんとか攻略することに成功した。その時、私は周りと比べて、その周りのレベルに合わせることが、次第に目標になっていることに気付いた。
周りの学生なら1日いや1時間程度で終わることに、私は2日もかかったんだ。でもできた。そんなに脳効率は良くなくとも、自分でやればちゃんとできるっていうあたりまえのことに気が付いた。きっと私は、できる周りの人たちのようにならないといけないと勘違いしていたんだ。周りに目を向けるあまり、私自身のことを見ていなかった。
#3に続く