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紙胎漆とは…

私は作品を、漆という大カテゴリーの中でも、

紙胎漆という技法で制作させていただいています。

漆をされている方、漆を知っている方は分かるかもしれませんが、

紙胎漆で制作されている方も少なかったり、

対面でお話するのもなかなか理解するのが難しかったりする技法なので、

改めてご説明させてもらえたらと思いました。


まず、漆器は本来木が生地となっているものが大半になります。

他に、○胎漆器という呼び方ですが、○の中に漆を塗る素材が入ります。

例えば、陶胎漆器は陶器を生地とした漆器、籃胎漆器は竹で編んだものを生地とした漆器など。

例外で、革を生地にしたものは漆皮(しっぴ)と言います。

私は、紙を生地としているので、紙胎漆(かみたいうるし)と呼んでいます。

本来は、紙胎漆(したいうるし)と呼びますが、私独自でかみたいうるしと呼ぶことにしました。

猪革シリーズは、また別で紙胎漆と漆皮が合わさった技法になります。



作り方は、小さいものでブローチから。

本来は、和紙などを漆で接着し、重ねて貼っていくやり方が主流ですが、

私は木型を彫って、紙の生地を型から抜き出し生地を作っています。

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抜き出した後はこんな感じで、本当に紙の塊です。

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紙なのでしっかり吸い込んでくれるため、何度もの工程が必要になります。

そこからの工程はこんな感じで進んでいきます。

下地作業が多く、塗っては研ぎ、塗っては研ぎの地味な作業が続き、出来上がります。

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裏面は黒の塗りたてで仕上げて、金具を装着。

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東京のネジ箱屋さんで作ってもらった箱に、

蒔絵でも使う綿でふんわりと入れて出来上がりです。

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他に、何十倍もの大きさのバッグだと、これに何十倍の漆や、

時間を使ってじっくりと漆を固めながら作っていきます。

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本来なら、漆器は分業制になっていて、木地師さんが木を加工し成形するところです。

均一な轆轤の器も美しくて大好きなのですが、

柔らかく温かい、手の跡が残る形を表現すべく紙胎漆に挑戦してみました。

試行錯誤して、ようやく作り方が分かってきたところで、

まだまだこれから作ってみたいもの、形、大きさがたくさんあります。

このページは、メモがてら自分の作り方と共に変わっていきそうです。

また更新した際はぜひご覧いただけますと嬉しいです。



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伊藤奈津美個展

手作りのモノ @nuno_424


2021年1月27日(水)〜2月6日(土)
期間中 31日,2月1日,2日 休
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住所 愛媛県今治市松本町3丁目6
営業時間 12:00~17:00
定休日 日曜・月曜・火曜
HP https://ameblo.jp/nuno-loveandcafe/


作品はこちらからご覧いただけます。

おうち時間のお手すきの際に、よろしければご覧ください。

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