子が出来て人生設計が白紙に戻るなど。
まさかこの年になって、というのが正直な気持ちです。
このまま夫と2人(+猫2匹)、ゆるゆると生きていくプランだった訳で、食べるに困らないくらいに働いて死んで行くのだと思っていました。
これまで生きてきた年月の中で生まれた様々な理由から、私は結婚当初から既に『子どもはいらない』という選択をしていました。
結婚したその勢いのままに、漠然と子どもが欲しいと言っていた夫にも、折に触れて理由は話していたと思います。
ただ、親や親の周辺、同年代の友達や結婚して家庭を持っている人達と話す中では、会話の雰囲気を壊したくなかったしこんな事で波風を立てたくなかったので、そういった話題になったときには曖昧にはぐらかしたり、そうですね欲しいですねと話をあわせるくらいの事はしていた。
子を持つ持たないは、個人やその夫婦の選択であって自由なわけで、別に隠すようなことではないのだが、
子どもはいらないと正直に言うと、人でなしだの女としてどうなの、それって親不孝じゃない?といったような勝手な事を言い出す人がたまにいたので、この手の話題に疲れていたせいもある。
結局36年生きていてその選択肢が覆るような事柄もなく、夫にしても、いなかったらそれはそれでという事を言ってくれていたので、深い話題になるわけでもなくそのまま来ていました。
で、なぜこうなったのか。
40手前となった夫が、『やっぱり子ども欲しいな』と言ったから。
夫がそう言い出した理由はわからないが、たぶん義理の両親の一声だったのではないかと思う。
これはすごく印象的な出来事で、私は『いいよ』と返事をしてすんなり考えを変え、これまでずっと作らない選択肢を選んできたにも関わらず、その時は何故か『それもいいかな』という気持ちになった。
自分に起きた心境の変化の理由は今でもわかりません。
とにかく、子どもについては前向きに考えようということになり、
私の年齢のことを考え、自分達で自然妊娠を目指すか初めからその手のクリニックに通うかをまず決め、半年様子を見て出来なかったら病院へという事にしていたのですが、その後運よく授かった。
このまま順調に行けば、来年1月には家族が増えます。
私はずっといらないといっていた手前、おめでとうとお祝いを言って下さる方に対していつも申し訳ない気持ちになってしまうのだが、ただ、子どもを授かった事はやはり嬉しい出来事でした。
何より夫が喜んだ。
これが一番。
子どもが生まれる事で先々の問題が山のように積み重なり(保育園とか)、解決の見通しが全く立っていないという状況ではあるが、
親の不安定な体調をよそに子は順調に育っているので、
まずはこのまま無事生まれてきてくれたらと思う。