㉓宝くじに当たれば働かないのか?
5億円の宝くじに当たったら働かないのか?もし宝くじで5億円が当たったとする。そうするとどうするか?サラリーマンの生涯収入は4億円ほどと言われている。5億円に当たると一生分の収入を得たことになる。働く必要はないだろう。仮に5億円を投資信託に預けたとする。運用益が年利2%だとすると、5億円の2%だから年に運用益だけで1000万円になる。投資信託の運用益にはもっと高いものも多いので1000万円を超える可能性もある。運用益は不労所得なので高い税率がかかるが、それでも運用益だけで家族全員がなんとか暮らしていける金額だ。それに、そもそも5億円の元手があるのだから、これを少しづつ切り崩していけばけっこう贅沢な生活ができる。年間500万円の生活費で暮らしていけば100年間生きていける。年間1000万円づつ切り崩しても50年間は生きていける。それにさらに先ほどの運用益がある。これを足すと年間1500万円の収入で50年間、生活できる。もし配当が年利3%になると運用益だけで年間1500万円にもなる。さて、どうする?働く?働かない道を選ぶ?
働くことへの切実感がまだない学生からすれば、「働かない人生を選ぶ」という人が多いかもしれない。しかし、働かない人生を選べば、学生時代のような同級生や、会社の同期の仲間はできない。何をするにしてもたった一人。かっての友達を遊びに誘おうにも友達は働いているのでなかなか付き合ってくれない。働いている友達は君たちよりも会社の同僚との付き合いを優先するだろう。かっての友達はみんな今の交友を中心にするので君のことを気にかけてくれない。また同期会に呼ばれることもない。どこまで行っても一人ぼっち。それで人生は楽しいのだろうか?
デイトレーダーがいる。日夜、自分の部屋で何台ものパソコンモニターをのぞき込み、グラフをみながらパソコンを操作する。それで一日に何千万円も稼いだり、何千万円も損をしたりを繰り返している。一日に動かす金額は二桁の億を超える。そして蓄財を繰り返し、何十億の資産を築きあげている。資産何十億円というと、人は彼らを羨ましく思う。しかし、そんなに羨ましい存在なのか?毎日、パソコンだけを相手にした生活。誰とも話さず、ただただモニターを眺める毎日。市場が閉まっても海外の動きが気になるので、おちおち寝ていられない生活。昼と夜が入れ替わるような生活をマンションの一室で送り続けるのだ。
多くの人が、「宝くじに当たったら仕事など辞めてやる!」とよく口に。しかし、それは夢。最初から、叶っても実現させる気がない蜃気楼のようなものと考えた方がいい
「人間」とは「「人」と「人」の「間」に存在すると書く。たった一人でも生きていける、孤独に耐えられる、という人は働かない道を選んでもかまわない。しかし、ほぼすべての人は、たとえ宝くじが当たったとしても、社会の中にいる方が幸せなのではないか。