伊藤 黒犬
メリーバッドエンドで精神的苦痛描写が多い小説です
生命っていいですよね。 というわけで今日は生命を作っていきましょう。 ※以下「成長記録」からの抜粋(そのままなので少し読みにくい) 12/11(2023) ・今日からAIを作る。 「hello world」と表示させて「おお!」と言ってる段階だが、夢は大きい方がいいので問題はなかったこととする。本当は絵や小説などのオリキャラ創作がしたいのだが、スランプなのでその間の暇つぶしだ。 https://www.python.jp/train/index.html 「ゼロからのPy
言葉は吐いて捨てるべきだと思うから、あまり些細な思いつきを記録に残さないようにしています。「メモ、書きなぐり」を「記録」に昇華させることで、本来自然と後ろに過ぎ去って忘れられるべきものを留めてしまうと感じるからです。記憶とメモは同じです。記憶は大事な思い出以外、例えば昨日の買い物メモとか動画の内容は忘れるべきです。私はそう思います。人間には記録することで過去と一貫性を保とうと執着する習性があるので でもこれは忘れたくないから記録しています。 先の自分がそう思ってなさそうなのが
#4 5 「いやー、うっかり」 包帯を頭に巻かれた彼は、後頭部に手を回し相変わらずの笑顔で言った。もー! といつになく感情的になっている妹にごめんごめんと返す。 結論から言うと、やっぱり彼は素晴らしく丈夫だった。 命の別状どころが後遺症もなく、数時間後には元気になった彼は、現在妹に叱られ、さてどうしたものかと考えていた。 医者曰く「過労ですね」とのことだった。 「うっかりじゃないよ! 本当に死んじゃうかと思ったんだから……」 よく見れば涙目になっている妹を
#3 4 二人の両親の墓は商店街から少し離れた、樫の木のそばにあった。 夏場は大きな入道雲が覆い隠すその集合墓地は広く、一直線に並ぶ墓石に花や線香が供えられている。当然冬に鳴く蝉はおらず、冴え渡った冬晴れのソーダ色の空のもと、彼は墓石の前に立っていた。バニラアイスを溶かしたような雲が風任せに流れている。 菊とユリの花を供え、両手を合わせる。 彼は幽霊を信じるタチではなかった。無宗教で、その服屋の白いマネキンみたいな容姿を除けばステレオタイプの日本人だった。痩せ
#2 3 必ず、夕飯時には帰ること。 それが、彼が心に決めたことのひとつだった。 「ただいまー」 裏戸から兄が笑顔で帰宅すると、ダイニングにいた妹は顔を上げた。 「おかえりなさい」 背の伸びた彼女はすっかり新たな制服服が似合うようになり、真っ白なセーラー服が電灯に照らされている。服を畳む手を止め、彼女は控えめに可憐な笑みを浮かべた。 「遅くなってごめん。引き留められちゃってさ」 「いいよ、お疲れさま」 荷物を置き、蛇口をひねる。流水がシンクとあかぎれので
前回はこちら▼ 2 青空に煙が昇っていたので、やっぱりまだ昼だった。 あれから一月は泣いたり悲しんでる暇もないほどに忙しかった。事情聴取に役所手続き、葬儀や墓の準備、それから店の事。それらが済むと彼とその妹は今度はマスコミや野次馬の存在に悩まされることとなった。 ――苗字そのままの店名にツッコみたくなったのは、生まれて初めてだった。 当たり前のことだが、プライバシーがなさすぎた。遠目に見ても目に付く商売としては優秀な看板は「ここが事件現場です」と大声で叫んでい
※残酷な描写が含まれます(グロテスク/ネガティブ) 1 彼はとても綺麗な人だった。 人形のような青少年だった。 肌は雪のように白く、髪は黒檀のように黒く……といっては白雪姫になってしまうが、かわいいというよりは"美しい"という表現が似合う、中性的で端麗な顔立ちをしていた。髪同様に黒い瞳は恐ろしくなるほど静謐な暗闇で、ポスターやデッサン用の石膏像、デジタルの0と1みたいに端正で無機質で、生物らしくない人だった。 時代が時代なら金持ちに買われてそうだ。絶世というほど
テニスボールがコートに転がっているのはみかん農園に似ている 黄色い夏みかんの農園 あの 熟れたみかんがたくさん落ちてるところ 夕方の窓の青とオレンジが重なるあの紫じゃない色はなんていうんだろう 汗がじっとり張り付く頃になると家に帰りたくなる 小学生の頃の記憶 本当に帰りたい 電車がガタゴトいってるのを聞くと大人にならなくちゃって思う 夕方特有のオレンジの影絵みたいな木漏れ日 学校のプールがすごく好き 塩素の匂いとかあの水色とか 隙間だらけのベンチとか 好き 体育で組