(要約版)「ARR 一億円を超えたSaaS企業が立ち向かう壁」〜 FOND 福山太郎とBEENEXT 前田ヒロのセッション メモ

9/26(水)に前田ヒロさん主催のSaaS特化カンファレンス「SaaS Conference Tokyo 2018」のプレイベントに参加しました。
「ARR 一億円を超えたSaaS企業が立ち向かう壁」〜 FOND 福山太郎とBEENEXT 前田ヒロのセッションということで、FOND福山太郎さんが圧倒的な情報量で色々至言を尽くされていたのでメモ。こちらは要約ですw

もっと詳細もあるのですが、長すぎるのでこちらに詳細版をまとめております。
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なお、大きいポイントはここに集約されると思います(要約の要約)
■全ては戦略があってこそ。ARR100億、10億にいく方程式・戦略を考え、そこからの逆算で考える
・ボトムアップの積上げには再現性がなく、意味がない!
■SaaSで売上100億円を考えると、自ずと高単価であることが重要。結果、ほぼ全てのSaaS企業は大企業にリソースをオールインするべき
■どこの顧客層に攻めるか、どういうリソース配分にするのか、どのカスタマイズはする・しないのか、など大きな決断はトップにしかできない
・1. まずトップが決断すること、2.その時に大きな戦略観・方向性をもって決断することが大変重要である
■任せる・重要なポジションを採用するということは「自分に仮説があるものを任せる」ということ
・わからないものを預けることではない
■目標設計や組織の向かう道は明確であること、全社員にしっかり伝わっていることこそが大事
■SaaSの意義は、エクセル・Eメール・SIerを駆除すること
・エクセル・Eメール・SIer、を使っている状態 = 何らかの形で非効率が発生
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(以下、ちゃんとした要約です)

■ARR100億円を達成するために
## ARR1億円は、実際にペインがあって確実に解決できていることの証左。そこから10億円、100億円は「方程式」を考えて積み上げていく

## ARR1億円から10億円、10億円から100億円にいくための「方程式」 = ARR100億円からの逆算で考える
・ARR100億のときの顧客ポートフォリオから逆算してターゲットセグメントを定める
・大半はARR1億時点の顧客ポートフォリオをそのままの割合で成長させようとするが、これは大きな誤り

##ARR1-10億までの時間軸: 一般回答では2-3年だが、時間をかけてでも再現性がある形でのARR10億円が大事
・再現性ある方程式をわかっていることが何より大事になる

##ターゲットセグメントの考え方:結論、99%のSaaSは大企業を攻めるべきであり、そこにオールインすべき
・単価を上げることを考えると大企業を当たらざるを得ない
・大企業を1mmでも想定するなら、最初から大企業にオールインすべき
・このオールインの決断はトップしかできない
・ベンチャーはリソースがないんだから、リスクはあるとしても、大企業をどこかで狙うなら、可能な限り早くから全てを大企業に突っ込むべき
・未来から逆算していかに最速でいけるかが戦略

##SMBを最初に攻めSMB中心になると、どこかで大企業に広げざるを得なくなり、そこでエンタープライズの谷にぶつかる
・これだけ言っても多分多くの人は最初SMBにいく
・大企業対応の間は、売上は停滞する。その時、人だけ増えて売上横ばいという現象が発生

## しかし、この谷を初期に持ってくるか後半に持ってくるかは経営判断、決められること

■大企業への登り方
## 大企業へのカスタマイズはConfigurability(他者にも適用できるもの)に基づくもののみやるべき
・1社にしか適用できないカスタマイズ(=Customerizability)はやるべきではない
・一社だけのカスタマイズを認めていくと、開発負債が積み上がってスピードが落ちる
ただ、何をどこまでやるかは経営が決める。この一社がとれたらそれ以上のバリューがあるのかというのであれば、例外措置的に発動することもある

■SMBとの距離の取り方
## 大企業にフォーカスするという前提で、SMBとはそもそも話さないことが一番良い

・大事なことは、世の中で満足しない顧客をミニマイズすることなので中途半端な対応は避けたい
・ベンチャーで20人しかリソースがないので1人でもSMB対応をすると、5%のリソースをそこにさくことになる...そういう考えが必要
・やることとやらないことを早くから明確にしておくことがトップの仕事

■プライシング問題
## 単価を上げる方法は「大企業にいくか」「複数プロダクト出すか」の2つ
 ・初期は「大企業にいく」かしか単価を上げれないはず
## 値段の最適化:毎年20%ずつ値上げし続けるマインドがいい
・価格を上げるのは、新規顧客はマスト。既存顧客はどちらでもいい
・極力ディスカウントはするべきではない
・提供できる価値は上がっているのだから、値上げは全然正当化できる

■ARR1億を超えた時の指標
## 基本的にはARR1億超えた時点のチャーンとかの指標はあまり意味がない
## 大事なのは、「顧客が満足してるか」「本来いきたいセグメントか?」の2つ
・本当に満足してたら、顧客が顧客を紹介してくれるはず。
## チャーンレートだけ見て対応するのは、時すでに遅い
・チャーンが発生するより早く「お客さんが満足しているのか」「チャーンしそうなのか」について捕捉できるかが大事
## お客さんに、満足してますか?と聞いて、よかったら他のお客さん紹介してくれませんか?と営業していくのが一番いい

■セールス・マーケティングの考え方
## ARR1億達成時の組織構成:営業は少なくする。営業マンの数に売上を依存する組織にしないこと
・ファウンダー+エンジニア6-7名、営業2名、CS(カスタマーサクセス)1-2名の10名くらい
・プロダクトに一番投資をすることが大事
・営業マンの数に依存しない
・営業マン1人あたりの生産性(獲得ARR)最大化は急ぐべきこと
・営業マンの人件費については、顧客の単価/営業マンの予算によって大きく変わる(もちろん高い方がいいし、だから高く設定していくべき)
## アウトバウンドとインバウンドの割合は、そもそも基本アウトバウンドが良い。インバウンドマーケティングに寄せるのはおすすめしない
ダメな理由1:費用対効果が悪い
・ダメな理由2:ターゲティングがうまくいかない
## 唯一例外は単価が低くて、アウトバウンドの効率が悪い場合はインバウンドに寄せた方がいい。
## 原則、大企業向けのSaaSはアウトバウンドからじゃないと発掘できない
## 単価を高くできる大企業を想定するなら最初からアウトバウンド
## 口コミや紹介は、獲得コストめちゃくちゃ低くクローズレートは高いので、口コミをどれだけ増やせるか、お客様を満足してるかをちゃんとみていくこと

■ABM(アカウントベースドマーケティング)の考え方
## アウトバウンドの成約率(電話からのリード獲得)改善はABM
・FONDはFOND BOXというものを作って送ってる。それだけで成約率は0.X%から数%にかわってくる。少しのコストでそこまでできる
## ABMのtips1:自分を大きく見せること
## ABMのtips2:セールス担当者がセールスプロセスのマッピングができてそこに向かって適切なチャネルで認知をはかれること

■プロフェッショナルサービス
## プロフェッショナルサービス(= お客さんのオペレーションをやるということ)は大企業にはニーズがある
・リスクなく、粗利の絶対額はあがって、顧客満足度が上がるのでいい
・懸念は、SMBでのニーズが限定的であることと粗利率が低くなること
## プロフェッショナルサービスを売り始める時期はARR10億以後。10億まではカスタマーサクセス・顧客満足度向上に注力するべき
・それまでは基本カスタマーサクセスをできるだけ雇って、しっかりプロダクトを使いやすくすること、顧客満足度を上げることが大事

■社長の時間の使い方
~1000万:プロダクト
~1億:営業
~10億:カスタマーサクセス
・カスタマーサクセスを早く雇うと同時に早い段階で既存のお客さんと社長が話しまくっていることが大事。トップ20の顧客には年2回は会うこと
~100億:採用と組織づくり

■目標設計や評価について
##カスタマーサクセスの目標・評価:FONDはネットチャーンを見ている
・チャーン + アップセル - ダウンセル
・アップセル自体よりも既存顧客に満足してもらうこと(チャーン減少)を優先
## 営業マンの目標設計:70%くらいが達成できる目標がベスト
・目標はどれだけ明確にするかが一番大事
## 組織の中でイノベーションは起こさない。トリッキーなことをしない。プロダクトに全てイノベーションをかけるべき
## 評価基準は、15人までは社長が見れる。15人くらいからは見えなくなるから必要に応じてやる。SmartHRのものがいい

■採用について
## VPレベルは、社長がスケールする絵が描けて、その実行を任せるフェーズで採用する
・一番まずいのは、スケールの仕方わからないからとりあえず任せるみたいな状態。仮説がないのに任せるのは危険
##重要人材の採用プロセス:「自分が一番考えている課題を与えてソリューションを考えてもらう」が有効
・自分が来年超えたい壁を超えてくれる人を探すわけだから、その課題にこたえてくれるのがいい

■組織について
##組織の健全性:全社員にこの瞬間会社で一番大事なものがなにか?と聞いて80%以上が同じ回答をしないと、組織文化づくりでミスが起きている
・だから、まず何が大事なのかを明確にすること、これはトップにしかできない。そしてそれをしっかり浸透させること

■SaaSとは
##SaaSの意義:エクセル、Eメール、SIerを駆除すること
・エクセル、Eメール、SIer、を使っているというのはなんらかの形で非効率が発生しているということであり、マクロの観点でもSaaSが代替するのは時間の問題だと思う。
・その流れが5年前に来たのがアメリカだし、いま少し日本にも来てる
・基本的にSIerに依存してる会社はなくなっていくはず
##SaaSのいいところは、売上が積み上がっていくところ
##SaaSの大変なところは我慢が必要なところ
##しっかり節目節目でマイルストーンの達成を祝うことが大事!!
繰り返しが多いと飽きる社員も出てくる。だからこそ、組織づくりはすごく大事になってくる

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もっと詳細編はこちらでどうぞ!!
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