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クノッソス宮殿という迷宮に迷い込む

Καλημέρα(カリメラ)。2日連続船上でのおはよう。床で寝る作戦が功を奏し、想像していたよりは寝れた。よかった。

床で寝たってどういうこと?という方、よろしければこちらの投稿をどうぞ。

ただいま朝の7時15分。わたしたちを乗せた船は1時間遅れでクレタ島イラクリオン港に到着した。

今日のわたしはちょっと忙しい。なぜなら、クレタ島中央部の小さな村にあるホテルに無事辿りつかなければいけないからだ。バスの本数も限られている。でも、そこに向かう前に、どうしても見たいところがイラクリオンにある。

それが、クノッソス宮殿(Το ανάκτορο της Κνωσού)だ。

デンマークのフォルケホイスコーレ在学中に、受講していたアートクラスでクノッソス宮殿に関する動画を観てからずっと行きたかった場所。旅の最初の目的地をギリシャにした理由の1つ。(あと2つは映画『マンマ・ミーア!』と単純にずっと行ってみたいなと思っていたから。)だからこそ絶対に外せない。

時間が限られているので、早速クノッソス宮殿へ向かう。バスで1本、距離は6キロメートルほどだ。

バス停が見つからない。最初に港近くのバスターミナルに向かったのだが、そこから出ているのは基本的に長距離線で、イラクリオン市内を運行しているバスはここには止まらないとのこと。こんなところで時間をロスしたくないのに。周辺をぐるぐるし、なんとかクノッソス宮殿行きのバス停を見つけた。

券売機でチケットを買う。でも買い方がイマイチ分からなくて、画面を眺めていたら、おそらく地元の方と思われる女性が、「May I help you?」と声をかけてくれて助けてくれた。「現金はピッタリか、なるべくお釣りを少なく入れないと、お釣りが返ってこないこともあるから気をつけて。大きいお金しかなかったら、そこのパン屋さんでくずせるよ。」というアドバイスまで。わたしはその時5ユーロ札しか持っていなかったので、早速そこへ行き1つパンを購入してお金を崩した。

購入したパン。素朴なお味。

わたしが券売機へ戻るのを優しい彼女は待っていてくれてチケットを発券してくれた。帰りの分まで。とっても素敵な方だった。本当にありがとうございました。

優しいお姉さんが購入を手伝ってくれたチケット

それにしても、海外旅中は1つ1つが試練だな。日本では当たり前に出来ることが出来ない。でもそれも旅の面白さの1つ。

クノッソス宮殿到着。

クノッソス宮殿は、紀元前2000年頃にミノス王によって建設されたとされている遺跡。ミノア文明の中心地で、政治、経済、宗教の拠点として機能したが、ミケーネ人による支配、度重なる災害等により衰退した。迷路のように複雑な構造が特徴。ギリシャ神話のミノタウロス伝説の舞台ともされている。

現在わたしたちが実際に見ることが出来るのは、イギリスの考古学者、アーサー・エヴァンス(Arthur Evans)が19世紀末から20世紀初頭にかけて発掘し、一部再建したもの。この復元には賛否両論あり、復元にコンクリートが使用されたり、時にはエヴァンスの想像によって復元作業が行われたりと、過剰な復元に対して批判を浴びている。一方で、遺跡が風化や崩壊から守られたことや、一般の人々がミノア文明を視覚的に楽しめるようになった点は評価されている。

宮殿のメイン見学ルート

孔雀を見つけたので記念に1枚。

ミノタウロスに関連する壁画。その名も「牛跳びのフラスコ画」(Η τοιχογραφία της Ταυροκαθάψιας)。

グリフォンのフレスコ画(Τοιχογραφία με γρύπες)。この部屋は「王座の間」であったとされ、写真中央には石製の王座が確認できる。フォルケフォイスコーレのアートクラスでこの壁画の模写をしたな。懐かしい。

「イルカのフラスコ画」(Η τοιχογραφία των δελφινιών)。「女王の間」にある。一番見たかったやつ。1周目では見つけられず、2周目でやっと見つけた。さすが迷宮だ。

「壺を運ぶ人々のフラスコ画」(Τοιχογραφία με ανθρώπους που μεταφέρουν αγγεία)の一部。ミノア文明期の日常生活や儀式の場面を描いたものとされる。

「リリーの王子(ユリの王子)」(Ο Πρίγκιπας με τα Κρίνα)。この絵に描かれている人物の性別は諸説あり。

「青の貴婦人たち」(Οι Κυρίες στα Μπλε)。

「岩山の中の青いサルのフレスコ画」(Η Τοιχογραφία με τους Γαλάζιους Πιθήκους σε Βραχώδες Τοπίο)。

「青いサルのフレスコ画」(Η Τοιχογραφία με τους Γαλάζιους Πιθήκους)。このサルはオナガザル科のヒヒで、アフリカ大陸北東部を原産とする。このことから、ミノア文明の人々がアフリカ大陸と交流があったのではないかという学説が濃厚とされているのだそう。

「牛飛びの儀式」(Η τελετή του άλματος του ταύρου στην Κνωσό)。

「青い鳥のいる庭園」(Η Τοιχογραφία με το Μπλε Πουλί στον Κήπο)。

基本的にフラスコ画のオリジナルは、イラクリオン考古学博物館にあるので(わたしは行かなかった)、これらはレプリカ。ただ、断片しか残っていないものが多い。

歴史を浴びるという充実した時間を過ごせた。賛否両論ある遺跡ではあるが、わたし個人的には訪れてよかったと思えた場所の1つ。たくさん迷子になったけど。今回漏れなく全部見学できたとはとても思えない。

さて、今日はまだまだ長い。宿へ向かおう。

P.S. 訪問予定の方に1つだけアドバイス。早い時間に行くのをお勧めします。わたしは午前8時半ごろから見学を始めたが、その30分後には多くの観光バスが到着し賑わっていたので。



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いときち
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