とある合格者の4年の軌跡
みなさんこんにちは。制作スタッフの野口です。
早いもので、気がつけば今年も残りわずかとなりました。
私は全くの初学者から学習開始し、昨年の令和5年度の試験に、4度目の挑戦で合格することができたのですが、せっかくの師走ですので、学習開始から合格するまでの私の勉強法を、良いこと悪いこと含め、思い出せる範囲で振り返っていきたいと思います。
■1年目 2020
2020年合格目標の入門講座受講終了して最初の試験でした。
講義は全てライブ受講で、ほぼ無欠席でしたので、講義をこなせなくて遅れるということはありませんでしたが、復習や直前期の勉強の進め方に問題がありました。
当時はテキストを読み進めるのが本当に苦痛で、直前期に入ってからは特に過去問を中心にぐるぐる回していて、間違えた問題だけ、テキストの該当箇所に戻っていました。
ただ、該当箇所と言っても、ピンポイントでその数行のみを読んで、やった気になるというようなものでした。ほとんど意味なかったと思います。
そもそもの勉強の仕方がわかっておらず、全科目通して同様で、結果、過去問を7周も8周も回したところでほとんど頭には入っておらず、本試験はコロナの影響で3か月延期になったにも関わらず、午前午後ともに択一基準点を超えることができず、散々でした。
〔使用教材:伊藤塾入門講座一式、択一答練、記述答練、模試(他社分合わせて計7回)
伊藤塾の択一過去問(主要4科目)、合格ゾーン過去問(マイナーのみ)
■2年目 2021
1回目の試験直後のカウンセリングで、どの問題をどんなふうに間違えたのか、また、条文問題が苦手なのか、もしくは事例問題が苦手なのか等、検証をして振り返りをするように言われ、自分なりに一生懸命考えましたが、考えたところで何が問題なのかよく分からないような状態でした。何かを理解できているような感覚もないし、何が苦手とか偏りもよくわからず、ただ一つ分かったことは、「とりあえず過去問の答えの〇×を覚えただけだった」ということでした。
なので、2年目は、いったんすべてリセットして、再度、一からテキストをきちんと読み込み、理解して覚えていこうと考えました。過去問との割合は半々で進め、もちろん、1年目の反省をふまえ、過去問とテキストの往復では、必ず周辺知識まで目を通すようにもしました。
結果は、総合的には前年よりは伸びたものの、午前の択一が基準点に乗らず、しかも科目によっては前年よりも悪くなっているものもありました(例:会社法は4問)。でも、一年目はたまたま運で取れた点数で、2年目は〇×判断できる程度にきちんと理解して取れた点数なんじゃないかなと思っています。
また、記述については枠ずれもあり、全体的に崩壊していました。私なりに限界まで時間をかけて精一杯頑張ったつもりでしたが、精神的な部分も追いついておらず、記述を解くころには大パニックだったので、まだまだだなと感じていました。
〔使用教材:1年目の教材+「思考力」完成コース(択一過去問はすべて伊藤塾の厳選過去問)〕
■3年目 2022
漠然とですが、ここまでやってきて何となく見えてきた感じがあり、このまま進めれば大丈夫じゃないかという感覚がありました。なのであと一年、講座は取らず、引き続き自分でテキストを読んで詰めていこうと考えました。
カウンセリングで、テキスト読みと過去問の割合も考えるようにアドバイスを受け、だいたい6:4か7:3くらいの割合で進めたように思います(記録を取っているわけではないので実際どうなっていたかは細かくは分かりません)。
学習開始からずっと同じ入門テキストを読んでいるので、何回も繰り返しているはずですが、それでもまだ覚えきれていないところがたくさんあったので、意義を理解して制度趣旨を考えたりして自分なりの理由付けをし、付箋などにメモして必ず残すようにしました。
忘れたらまた何度でも戻ればいいと割り切って、この頃から忘れることを怖がらなくなっていたように思います。
あと、午前択一が1時間で終わらなかったり(どうかすると1時間半超える)、不登記述での異常な焦りによる枠ずれ等、大きな悩みもありましたが、択一では、考え込んでしまいそうな肢、問題等は飛ばして後回しにする方法をこの年からやっと採り入れたり、午後は問題を解く順を入れ替えたりもしました。不登記述を最初に持ってくることでいくらか落ち着いて解けるようにもなったし、あと、記述についても間違えた論点は必ずテキストに戻ることで択一と記述とで知識がつながるようにもなり、枠ずれも減りました。
〔使用教材:1年目の教材と同じもの(択一過去問はすべて伊藤塾の厳選過去問)〕
■4年目 2023
前年の結果がおよそ択一2問分足りないというところで、死ぬほど落ち込み、直前期まで引きずりましたが、その後なんとか持ち直し、やっとのこと勉強を再開しました。しかしあまりに遅いです。
時間もなかったため、やるべきことを優先順位を付けて厳選して進めました。
割合的には、テキスト読み5、択一過去問(答練・模試含)3、記述1、その他1というところでしょうか。テキスト読みと択一過去問類は、科目間でも優先順位をつけたため、バランスのバラつきもありました。
取り掛かりが遅く、だいぶ勉強から離れ気味でもあったので、まずはテキストを一周し苦手分野をあぶりだして付箋等を付けてチェックし、そこを中心に周回してどんどん絞り込んでいきました。
読んでるうちにごっちゃになっている論点が浮き出てきたりするので、そのたびに分野や科目またいででも横断整理をしたり、前年同様に理由付けをしたりして何とかして覚えれるようにしました。その調子でどんどん絞り込んでいきましたが、それでもどうしても覚えられないところはあるので、それは本試験当日まで持っていきました。
あとは、一日ひととおり勉強をした最後に、模試や答練、年度別過去問を使って、5肢択一で解く練習をしました。午前・午後とも60分で解くとともに、軸肢となるAランクの知識を血眼で探す練習です。間違えた問題だけ抜き出して解説を照らし合わせて、どの肢を判断しなきゃならなかったのか等を検証しました。択一に苦手意識を持っていた私には、この練習はとても有用だったように思います。
記述に関しては毎日、不登・商登各1問ずつのペースで答練・模試・過去問を繰り返しました。最後数日、疲れが出たのか枠ずれしたり役員がめちゃめちゃになったりしたこともありましたが、とりあえず軽く復習だけして開き直っていたのもよく覚えています。
〔使用教材:1年目の教材と同じもの(択一過去問はすべて伊藤塾の厳選過去問、答練・模試は択一・記述
ともに過去3年分)〕
長くなってしまいましたが、要するに大事なのは、あと何点取れば合格できるのか、取るべき問題をなぜ落としてしまったのかを検証し、合格点を取るためには何をするのか、何を削るのか、その問題を落とさないようにするにはどうしたらいいのか等を真剣に考えて、覚えるべきことは何としてでも覚えるよう全力を尽くすことでしょうか。
学習開始当初は、もちろん私も、一回で合格したいと思っていました。でも今思うと、それらを本気で考えれていなかったことが、合格までに時間がかかってしまった要因のように思います。
楽をして受かる試験ではありません。苦しんだもん勝ちだと私は思っています。
本試験まであと半年。ここからが勝負です。
本格的に寒くなってきましたので体調管理には気を付けて、令和7年度の本試験で合格することだけを見据えて頑張ってください。