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◆新人司法書士の登記オンライン申請システム障害顛末記◆

皆さんこんにちは。令和5年度の司法書士試験に合格し、現在某司法書士法人にて勤務をしている新人司法書士です。

まずは、本職の先生方、補助者の方々、そして法務局の職員さん、その他登記業務に関わっている皆様、年度末本当にお疲れ様でした。無事に予定していたすべての申請が受付されていればいいなぁと願っている今日この頃であります。

受験生の皆さんや、実務に就いていない方は「何かあったの?」とお思いかもしれません。実は年度末という、司法書士にとって一年間で一番忙しい時期に、登記のオンライン申請システムが使えないというトラブルが起こりました。

受験勉強の中ではほとんど書面申請を前提として学習が進んでいきますが、実務では現状、大半がオンライン(ただし添付書面は郵送又は持込あり)申請です。

私自身はまだ事務所に入って数か月の新人で実際経験はありませんでしたが、システムトラブルはたまに起こるという話は聞いていました。意外に早くその時が訪れてしまいましたので、その時の状況や対応等を話せる範囲で体験記的にお話させていただきたいと思います。

ただ、あくまで新人司法書士からの目線ですのでその点はご了承いただければと思います。

まず、システムトラブルは、年度末のこの時期に2度起こりました。
1回目は3/25(月)。そして2回目が平日最終日の3/29(金)でした。

まず1回目の3/25は、午前中から登記情報検索サービスに接続できず、当日謄本(登記事項証明書)の確認が取れないところから不穏な空気が漂い始め、時間が経つにつれ午後には全国的に申請ができなくなるという事態になりました。

謄本については、管轄外の法務局でも取得ができるため近くの法務局に行けば何とかなりますが、申請については、オンラインが使えないとなると管轄法務局へ申請書類を持ち込まなければならなくなるので、その日の申請件数や管轄によっては物理的に人手が必要となります。そして申請の締め切り時間は17:15。

この日は復旧の目途が立たないとお知らせが出ていたので、私が勤めている事務所においてももちろん書面申請に切り替えましたが、幸いその日は割と近場の申請のみで、また、何とか人の確保もでき、予定していた分はすべて受付時間中に持込できました。ただ、それでも書面申請用に整えたり、印紙の準備等バタバタでした。

最終的に夕方にはシステムが復旧していたようですが、翌日も通常通り動くかどうか心配ではあったため、念のため、翌日分においても書面申請の準備、当日謄本を法務局窓口で取得する準備を整えて一日を終えました。

そしてその翌日以降は無事、通常通りシステムが稼働していたものの、2度目のシステムトラブルがまさかまさかの年度末最終日に起こりました。
午前中は普通に申請できていたのが午後から動かなくなったとのことで、私自身は午後から決済だったのですが、またシステムが動かないと連絡が入ったため大至急で事務所に書類を持ち帰り、そのまま書面申請する流れとなりました。

連絡を受けた時は耳を疑いました。え、また?!さすがに今日はないだろ、今日はそんな余裕ないぞ無理だぞお昼まだ食べてないんだぞ(ペコペコナンダゾ)と。

しかも私以外でも午後からの決済がいくつかあったため、誰が何時に帰ってくるのか、管轄がどこで何件あるのか、誰が動けるのかを確認したり、そして先回りして銀行に状況を連絡する等、もちろん申請以外にもやることはあるのに弊所でもさすがにみんな落ち着かずパニックでした。

その上、流れてくる情報では復旧したと言うけど実際はエラーが出るし、状況がよくわからないまま時間はどんどん過ぎていくし、もし今日申請できないとなった場合、いくらシステムトラブルとは言っても果たして銀行は許してくれるのだろうか、年度を跨いでしまった場合、とんでもないことになるのではないだろうか、どのくらいのどんな損害が発生するのだろうか等、色々考えてゾッとしました。

私自身は申請には走らず事務所で留守番でしたが、やはり窓口申請は混み合っており、だいぶ待たされたようです。印紙売り場も同様。

しかも場所によっては受付番号が発行されない法務局もあったりとか。無事受付番号が付されたものでも、シールの貼り方やスタンプから法務局側の混乱具合も伺えました。

結局、通常の受付時間中にはシステムが復旧しなかったためオンラインの受付時間が21時まで(窓口は20時まで)延長されることになりましたが、こんな事態は初めてだったようですね。

私自身はまだペーペーではありますが、今回の件については、司法書士の先生方の心労を想像するに計り知れないものだったのではないかと思います。
また、司法書士の責任の重さについても改めて痛感しました。ただしそれはあくまでオンライン申請を推奨される現在はその環境もきっちり整っていてこそのものだと思います。そうでなければ今後登記業務なんて怖くてできないと感じたのも正直なところです。

今回は何が原因でこんなことになっていたのかわかりませんが、4月から相続登記の義務化も始まり、登記業務はこれまでよりもどんどん忙しくなっていくのは明確なので、今後は二度と同じことを繰り返さないように、早急にきっちり整えていただくことを願います。

国民の権利を擁護するために。司法書士を守るために。

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