予備試験論文式試験受験生の皆様へ 先輩からのアドバイス「口述試験の大変さ」
こんにちは。
伊藤塾 司法試験科です。
2023年予備試験論文式試験から２か月がたとうとしています。受験された皆様はいかがお過ごしでしょうか。
今回は「口述試験の大変さ」をテーマに、昨年の合格者からのアドバイスをお届けいたします。いよいよ来月には論文試験の合格発表がございます。早めにしっかり対策をされることをおすすめいたします。
2022年予備試験最終合格者 Tさんより
まず、口述試験は、毎年10人弱しか不合格とならないため、「論文試験さえ合格したら後は消化試合だ」と思っている方ももしかするといらっしゃるかも知れません。
しかし、口述試験は、十分な準備が要求される試験であり、決して油断してはいけません。なぜなら、試験の難易度自体が低いわけではなく、また、仮に口述試験で不合格だった場合には、翌年以降再び短答試験から受験し直さなければならないためです。
令和5年度の予備試験では、論文試験の合格発表から口述試験まで約4週間ほどの間隔がありますが、その間に年末年始を挟むため、気を抜かないよう特に注意したほうがいいと思います。
次に、私が口述試験までにやっておいたほうがいいなと思うことをお伝えします。
一つ目は、要件事実、刑法の学説や具体的事案における当てはめ、民事刑事手続の確認です。私は、いわゆる大島本や基本刑法Ⅰ・Ⅱ、刑事実務基礎の定石等の本を用いてこれらを確認していました。
二つ目としては、口頭での受け答えを練習することです。私は、伊藤塾から頂いた過去の口述試験の再現集を利用して、友達に主査役をやってもらい、毎日のように練習をしていました。一人で勉強している方であっても、ご家族に質問を読み上げてもらう、あるいは、自分で質問を発しそれを自分で答えるということはやっておくと良いと思います。
また、試験当日の不測の事態等も十分に想定しておく必要があると思います。私の経験を語ると、2日目の民事において、試験室外の鳥のさえずりが室内まで響いて集中力を欠くということがありました。私のようなケースも想定し、カフェなど人の声があるところで口述の練習をするのもアリかも知れません。主査の質問を聞き逃した場合どうするか等もあらかじめ想定しておくと良いでしょう。それから、入室番号次第では、数時間待たされる可能性もありますので、そういった場合に自分がどうすれば集中力を保って試験に臨めるかを確認しておくことも大事かなと思います。
こういった事態で合格を掴めるチャンスを逃してしまっては非常にもったいないので、十分な準備をしておいてください。
2022年予備試験最終合格者 Fさんより
口述試験は９割以上の人が合格するため、「直前にしっかりやればなんとかなる」という印象を抱いているのではないでしょうか。
たしかに、落ちることはほとんどないですが、直前の勉強と２日間の試験は本当に大変です。
まず、直前の勉強といっても、民事訴訟法、要件事実、刑法、刑事訴訟法、民事執行法、弁護士倫理規定・・・と今までに出題された分野をすべて勉強することは不可能と言っていいほど出題範囲は広いです。そのため、試験までの限られた時間をどの科目にどれくらい使うかを冷静に分析しなければなりません。
さらに、上記の通り合格率が非常に高いにもかかわらず、対面の面接であり面接官との相性によっては知っている知識も上手く伝わらないことがあります。また、試験時間が１０分程度であり偶然知らない問題を問われた場合、色々なヒントを試験官が与えてくれるとはいえ時間を消費してしまい、最後の方の問題を答える機会すら得ることができずに終わることになります。
このように、試験当日には数時間待機させられ、並々ならぬプレッシャーを受ける状況が二日間続きます。そして、試験会場は駅から遠くほとんどの人が駅周辺のホテルに二日間泊まるため、なれない環境下で一泊し勉強しなければなりません。また、泊まるホテルでも周りは受験生ばかりで息つく暇もありません。
このように、論文試験後から口述試験までの間の「大変さ」と短答、論文試験の時までのような「大変さ」が異なることを認識していただくと今から勉強するモチベーションになるのではないでしょうか。
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【ご参照】11/8(水)司法試験の合格発表がありました！
今回も最後までご拝読いただきありがとうございました。
伊藤塾講師・スタッフ一同、皆様の夢をかなえるお手伝いができますことを願っております。時節柄、体調管理にご配慮いただき、学習頑張ってください。今後ともよろしくお願いいたします。