<BACK NUMBER>第94回 苦手克服研究所 民法「債権者代位権」
みなさん、こんにちは。
伊藤塾講師の藤田です。
それでは、今週も一問一答をやっていきましょう。
今回取り扱うテーマは、
民法の「債権者代位権(効果)」です。
題材としては、「令和3年度 問題32 肢3」を扱っていきます。
まず、「令和3年度 問題32 肢3」を以下に示します。
肢3 債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利が動産の引渡しを目的とするものであっても、債務者の相手方に対し、その引渡しを自己に対してすることを求めることはできない。
……
いかがでしょうか?
結論からいうと、本問は誤りです。
以下、解説していきます。
本問は、債権者代位権の効果についての知識が問われています。
まず、民法423条の3前段は、「債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利が『金銭の支払又は動産の引渡し』を目的とするものであるときは、相手方に対し、その支払又は引渡しを自己に対してすることを求めることができる。」と規定しています。
そして、本問は、「債権者は、……被代位権利が『動産の引渡し』を目的とするものであっても、……その引渡しを自己に対してすることを求めることはできない。」とあります。
したがって、本問は誤りです。
もっとも、同条は、あくまでも、被代位権利が「金銭の支払又は動産の引渡し」を目的とする場合の規定です。
ここに、不動産登記請求権は含まれていない点に注意が必要です。
本試験で混乱しないように、今の段階から意識しておけるとよいですね。
なお、詐害行為取消権にも同様の規定があります(424条の9参照)。
H25-30-5等の過去問で知識を確認しておけると、なおよいでしょう。
今後も、試験合格に役立つ知識をお伝えしていく
予定ですので、日々の勉強の息抜きに
ご活用ください。