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<BACK NUMBER>第96回 苦手克服研究所 民法 抵当権(時効取得による消滅)

みなさん、こんにちは。

伊藤塾講師の藤田です。

それでは、今回も一問一答をやっていきましょう。

今回取り扱うテーマは、
民法の「抵当権(時効取得による消滅)」です。

題材としては、「平成21年度 問題29改題 記述エ」を扱っていきます。


まず、「平成21年度 問題29改題 記述エ」を以下に示します。


エ Aに対して債務を負うBが、Aのために、自己が所有する土地に抵当権を設定した場合(他に抵当権者は存在しない)において、第三者Cが、土地の所有権を時効によって取得したときには、Aの抵当権は、確定的に消滅する。



……



いかがでしょうか?



結論からいうと、本問は正しいです。


みなさん、解けましたか?


誤りだと考えた方もいらっしゃるかと思います。


それでは、解説していきましょう。


本問は、抵当不動産の時効取得により、抵当権が消滅するか否か、という知識が問われています。


そこで、抵当不動産の時効取得による抵当権の消滅について定める、民法397条を以下に示します。


同条は、「債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅する。」と規定しています。


したがって、第三者Cが、土地の所有権を時効によって取得したときには、Aの抵当権は、確定的に消滅します。


よって、本問は正しいです。


本問の結論は、所有権の時効取得の効果が原始取得であるという知識からも導くことができます(原始取得は綺麗な所有権を取得するものであるため)。


即時取得による所有権の取得も原始取得であるという知識とともに、改めて確認しておきましょう。


今後も、試験合格に役立つ知識をお伝えしていく
予定ですので、日々の勉強の息抜きに
ご活用ください。