<BACK NUMBER>第86回 苦手克服研究所 行政法「行政不服審査法(裁決)」
伊藤塾講師の藤田です。
それでは、本日も一問一答を始めていきましょう。
今回取り扱うテーマは、
行政法の「行政不服審査法 裁決」です。
題材としては、「平成21年度 問題14 肢2」を扱っていきます。
まず、「平成21年度 問題14 肢2」を以下に示します。
肢2 裁決においては、違法を理由として処分を取消すことはできるが、不当を理由として取消すことはできない。
……
いかがでしょうか?
結論からいうと、肢2は誤りです。
以下、理由を解説していきます。
まず、行政不服審査法1条を以下に示します。
「この法律は、行政庁の『違法又は不当』な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。」
このように、審査庁は、審査請求において、「適法・違法」のみならず、「当・不当」の審理を行い、不当であるとして処分を取り消すことができます。
したがって、本問は誤りです。
行政事件訴訟法との違い(適法・違法のみ)を意識しつつ、押さえておきましょう。
行政不服審査法と行政事件訴訟法の比較は、本試験でもよく出題されます。
執行停止のあたりも含めて、確認しておけるとよいですね。
今後も、試験合格に役立つ知識をお伝えしていく
予定ですので、日々の勉強の息抜きに
ご活用ください。