すべて真夜中の恋人たち　川上未映子

要領のわるい、ひっこみがちな女の子の、流されながら少しづつ勇気を出して世界を変えていく話。

変化に飛び込んで、失敗しながらみつづかさんと出会うところは面白い。酒を煽りまくっててかわいい。

ところどころ、おばちゃんとキャリアウーマンが説教臭いことを言うのが気になるが、一つの考え方なんだろうし共鳴する人もいるんだらう。

大人の恋愛と、極端に小学生じみた純愛。
主人公は、ただのびびりだとか、そういう自分が可愛いの、とか言われるけど。その子の圧倒的正しさ、説得力は揺るがない。

ネタバレするが、
キャリアウーマンとの仲直りは唐突だった。
でもそのまえの、みつづかさんへの告白のシーンは泣ける。
残念ながらでもこの恋は極度に純粋すぎる。そのままでは持ちきれない。三塚さんも自分の嘘に耐えきれず離れてしまう。さいごは独り身とシングルマザーが残る。なかなかいいコンビかもしれない。


説教臭さが鼻につく。もっと物語が語ってくると楽しいんだろう。でもストーリーは読みやすく、オモシロイ。