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オムツ卒業への第一歩

「トイレいく?」 
 
直立した状態であきらかにふんばる体制に入りそうな娘を見て、トイレに誘導したはついこないだのこと。  
 
いつも「嫌だ」と言うのにその日は珍しく「うん」と言うのでそのままトイレへ駆け込んだ。 
 
便座に座らせ少し様子を見ていると、なにやらスッキリした顔で「でたぁ」と一言。  
 
 


え、ほんとに?でた?でちゃった??  
 
側で見ているとよくわからず、半信半疑で便座からおろしてふたりで便器を覗き込む。  
 
お、お、お、お・・・・  
 
「おーーーー!!でてるでてるー!!トトちゃん、できたね!やったね!」 
 
自分でもびっくりするくらいはしゃぐ私を見て、娘も「トトちゃんうれしいなっ!」とご満悦。狭いトイレの中でしばらく喜びをわかちあった。  
 
その晩、毎晩恒例の夫とのテレビ電話タイムでも「ついにトイレデビューしました報告」をして、そこでもワイワイ。  
  
 
その日以来、徐々に自分から「トイレいく!」と言うことが増えてきて。   
  
  
今日も、例のごとく「トイレいく!」と言うので連れていった。  
 
で、便座に座った瞬間「でたぁ」って。  
 
文字通り便座に座った「瞬間」に。 
 
えええ。早くね?シーともスーともなんとも聞こえないけど、出たのかな? 
 
疑うのはよくないと思いつつ、「ほんとに出た?」と聞くと、「うん、でたぁ」と。
あの「でたぁ」の顔で。  
 
ほえーと思いつつ、娘を便座からおろして中を確認しても、いまいちよくわからない。   
     
で、出たのかこれは……?
 
そんな私の横で、「トトちゃんうれしいなっ!」とニコニコしながらトイレットペーパーをちぎって拭き拭きしようとする娘。
 
単にその一連の動作をしたいだけのようにも見えなくもない。
 
    
   
    
……と、あの「ついにトイレデビューしました」の日以来、毎回こんなかんじ。
       
こんなかんじで、ちゃんと出てるのかよくわからない。
 
よくわからないけど、ま、いっか、と思って。 
       
本人が出たって言ってるし。  
 
なんか楽しそうだし。 
 
嬉しそうだから、とりあえず一緒に喜んでる。
 
細かいことは気にしないでおこ。
 
まずは「すすんでトイレに行こうとする」というオムツ卒業への第一歩を踏み出したということで。 
 
焦らずゆっくりやっていこっと。
   
      

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