e-Taxで確定申告を何度かやり直したら還付金が10万円増えた件
はじめに
個人事業主となり、はじめての確定申告。自宅のPCからe-Taxで行いました。何度かやり直す度に、還付金が増えていった一連の結果についてご紹介します。
以外と知らないe-Taxのメリット
e-Tax(国税電子申告・納税システム)は、スマホや自宅のパソコンから確定申告や青色申告ができる国のシステムです。マイナンバーカードを読み取るICカードリーダーまたはスマートフォンがあれば、わざわざ税務署へ行くことなく、自宅から申告を行うことができます。e-Taxの主なメリットは以下の5点です。
(1)税務署への持参が不要(駐車場の大渋滞に巻き込まれることも無し)
(2)確定申告期間中は24時間利用可(メンテナンス時間を除く)
(3)添付書類不要(一部の書類を除く)
(4)印刷代・郵送代不要
(5)早期還付(3週間程度)
e-Taxは難しそうで、とっつきにくい感じがします。しかし、何度かやっているうちに「なんて便利なシステムなのだ」と感激するようになります。また、e-Taxは何度でもやり直しが効くため、間違えても大丈夫ですし、間違えながらやっているうちに簡単にできるようになります。
e-Taxで、しでかしたこと
確定申告は国税庁ホームページの「確定申告書作成コーナー」から行うことができます。既にご承知のことと思いますが、忘れてはいけないのが社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険控除、地震保険控除などの「所得控除」です。
私は、秋頃に送られてきた「控除申請のためのはがき」を見ながら、昨年支払った個人型確定拠出年金(iDeco)やJA共済に掛けた個人年金、一昨年住んでいたマンションの地震保険の端数処理に係る25円分の控除等、それぞれ入力を行いました。
確定申告の入力がすべて終わると、還付金があるか、納税が必要かが画面上でわかる仕組みとなってます。今回入力した結果、還付金は18万円であることがわかりました。
私は昨年会社を退職し、会社からの給与が年末調整されていなかったことから還付金を受け取ることになりました。一生懸命入力し、還付金があることに十分満足し、e-Taxを終えました。
しかし、申告完了後5分ほどして、落ち着いてよくよく考えてみると、一番重要な「社会保険料控除」を入力していなかったことに気が付きました。私は退職後、会社の健康保険を任意継続していましたが、その分の入力をうっかり忘れてしまっていたのです。
申告のやり直しがすぐできるe-Tax
e-Taxのヘルプを確認してみると
「Q:当初、提出した申告データに誤りがあり、訂正したいのですがどうすればいいですか」という質問に対し、
「A:申告期間内であれば訂正後の申告データを作成し送信してください。特に、訂正したデータを送信した旨を税務署に連絡する必要はありません。」という回答がありました。
税理士事務所等のホームページでも「確定申告期間内であれば何回でも申告書を提出できます。」という記述がみられます。
確定申告を書面で作成していれば、改めて書面を作成し、訂正申告をしに改めて税務署へ行く必要がありますが、e-Taxであれば間違えた箇所をWeb上で修正し、すぐに訂正・再提出ができます。ものの5分で訂正後の申告データを再送することができました。
社会保険料控除を訂正した結果、還付金は4万円増え22万円となりました。確定申告というのは注意しておかないとほんまに怖い制度だなと、「ボーっと生きていたら」取られる一方だなと、身に染みて思い知らされました。
昨今の裏金問題では、正確に確定申告をしない議員がいるような話を耳にします。しかし、国民の義務である納税を行う以上、しっかりとその仕組みについて理解しておく必要があります。
いずれにせよ、e-Taxは何度間違えても、申告期間中であればやり直しが可能で、申告作業中のデータをパソコンに保存しておくことができます。このため、e-Taxは自宅からゆっくり落ち着いて申請ができる、超便利なシステムなのです。
配当控除について
確定申告には、先ほど述べた「所得控除」のほか、「税額控除」というものがあります。「所得控除」は課税所得から一定の金額を控除できるのに対し、「税額控除」は算出された税金の額から、一定の金額を控除することができるというものです。
「税額控除」には、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)や配当控除、住宅耐震改修特別控除などがあります。昨年私は、特定口座(源泉徴収あり)で株を購入し35万円程度の配当がありました。そこで、配当控除について調べてみることにしました。
株券を発行する株式会社は、会社の利益に応じた法人税を納めたうえで、株主に対し配当金を支払います。また、支払われた配当金からは所得税・住民税が差し引かれて(源泉徴収されて)特定口座(源泉徴収あり)に振り込まれます。
このように、配当金が支払われる流れの中で、国は二重で税金を徴取しています。配当控除は、二重課税分を調整し、過剰に納めた税金を少しでも還元できる制度です。
私のように、退職して所得が低い人は「配当控除」で節税につながる可能性があります。一方、所得が高い人は「配当控除」を行うことで納税額が増える場合があります。また、配当を申告するとその分収入が増えるため、社会保険料が高くなる可能性があるなどのデメリットがあります。
このあたりはシビアな話になりますので、税理士等の専門家の意見等を参考にご検討いただければと思います。
私は配当の利益だけでしたので、証券会社が発行する「特定口座年間取引報告書」をもとに配当金額を入力し「配当控除」を行いました。その結果、還付金がさらに6万円増え最終的に28万円となりました。
まとめ
e-Taxはその場で納税額の確認、変更、やり直しができるため、大変便利なシステムです。しかし、「ボーっと生きていたら」本来納税すべき額以上に納税してしまう羽目になります。私はうっかりミスに気が付き、2回申告をやり直したところ、還付金が10万円増える結果となりました。
確定申告は時間に余裕を持って、落ち着いて正確に入力してください。
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