ホットペッパービューティーがAI画像って、マジかよ!?【ヘアカタログの遍歴とこれから】
操作イトウです。
今回は、ホットペッパービューティーのヘアカタログにまつわるお話。
キッカケは、お客様から「こうしたい」とスマホで見せて頂いた、ある写真。それはホットペッパーで検索された写真だったのですが、よく見ると「AI画像」だったのです。
僕は一目見て「AI生成された画像だな」と判断しつつ、そのことに触れずに施術していました。
ですが後々その旨をお話してみると、お客様は「画像修正してるだけかと思った」と、AIだと認識していなかったのでした。
ヘアカタログがAI画像って、ありなの?
◾️ヘアカタログに「AI画像」はあり?無し?
実際にホットペッパーを検索してみると、ヘアカタログの中にはチラホラ、AI画像であろう写真が見受けられます。
そして画像元を追ってみると、その美容室のヘアカタだけでも、全部じゃないけどいくらか認識できるぐらいにAI画像を見つける事ができました。
正直僕は、美容室のヘアカタログがAI画像であっても、悪いことだとは思いません。見慣れていない人には見分けがつかないのだから、でもそれでイイのではないでしょうか。
「AI画像を使ってるなんて、ズルい」と考える方もいるかもしれませんし、同業者ほどそういった意見になりそうなものです。
ですが、精巧に画像を生成できるようになった現代においては、「現実か虚構か」なんて言ってる場合じゃないのです。
▼そもそも修正し過ぎて、すでにみんな「AI顔」じゃん?
そもそも従来の「実写のヘアスタイル写真」も、「画像修正」しているのがほとんどです。キレイなお姉さんの顔なのに、さらに画像修正されまくっている。
またSNSでも、自身の顔写真が別人のようになっている方も少なくない。
web上では、すでに皆「AI顔」になっている。とすると、もはや「実写」である必要は無くなっているのかもしれません。
▼実はヘアカタログのヘアスタイルは一緒!?
そして、ヘアカタログの肝である「ヘアスタイル」も、実はほとんど一緒です。美容師から見るとヘアカタログに並ぶヘアスタイルは、「細かいディテールを変化させているだけ」なことが多いのです。
そのため、お客様が「どんなヘアスタイルにしようかな?」と眺め見る際にも、違いのない画像から選び取っていることになります。
そう考えると、実は「ヘアスタイル」を選んでいるのではなく、無意識のうちに「顔」と「ファッション」を選んでいるのではないでしょうか?
ということは、本人も気付かないうちに、自分の「好きな顔/なりたい顔」を選んでいるだけ、とも言える。
すると、「画像修正された実写」と「AI画像生成」の区別は、必要ないような気がします。
むしろ、ヘアカタログにおいて「AI画像生成」は、「画像修正」の上位互換だと言っても過言ではないのではないでしょうか。
◾️「AI画像」一目で見破れるのはなぜ?
去年、瞬く間に世間を席巻した「AI生成画像」ですが、いくつか画像を見ているだけでも、「AI顔」ってありますよね。
僕が一発で見分けられたように、絶妙に「実在しない顔」な感じがあって、整いすぎているからなのか、すぐ見破ってしまう。見分けられるようでは本末転倒な気もしますが、これが「大衆にウケる顔」ってことなのでしょうか。
ですが、どんなシチュエーションも描けてしまうから、ホントに便利。上手にプロンプトを打ち込めば、理想の画像が出来上がるのです。
僕もフリー画像を探すのには時間を費やしてしまっているので、「簡単なら、いっそやってみようか」とも考えています。
▼AIで、髪の毛は再現できるようになった
僕は以前から、「ゲームやCGの髪型はまだ未熟」と見ていました。ですが生成AIの画像は、もはや「髪の毛は描けるようになった」と見て良いでしょう。
アニメやマンガを始めとして、デフォルメされたキャラクターの髪の毛は、「大きな束感」で描かれてきました。
ドラゴンボールの悟空よろしく、現実ではコスプレ感が出てしまう見た目のヘアスタイルも、アニメ上では「過剰にデフォルメしないと、変に見えてしまう」のです。
ですがAI画像を見てると、顔が精巧だからか、髪の毛も「過剰なデフォルメ」がありません。
美容師目線では所々やり過ぎな演出が見えるものの、限りなく実写のニュアンスが掴めているのです。
◾️昔は大変だった、ヘアカタログ撮影
かつては、雑誌や自社のHP上に掲載するヘアスタイルの写真を撮るのは、簡単ではありませんでした。
美容師は一眼レフカメラを駆使して、自分で撮るための勉強もして、PCでPhotoshopの画像修正の勉強もして、めちゃめちゃ大変だったのです。
▼【モデルの探し方】街でモデハン → マッチングサイトやインスタでDM
まず、被写体になる「キレイなモデルさん」を用意する事からして大変でした。
マッチングサイトやSNSが普及する以前は、ひたすら街で声を掛けていたり(業界では「モデハン」と呼びます)キレイなお客様にお願いしたり、人伝に紹介してもらったり。
モデルを連れてくるのはアシスタントの仕事、みたいに決まっているお店も多かった。
▼ヘアカタはモデルさんの「キメ顔」がないと、様にならない
更に、モデルさんがキレイな人ならいい、という訳でもありません。
ヘアスタイルをカッコよく仕上げていても、その方が撮られ慣れていないと、ポージングや顔がキマらなかったりするので、写真が様にならない、ということも多くあります。
それ故、セミプロ級に撮られ慣れている方でないと、ヘアカタログはなかなか成立しません。セミプロ級の方なら、カメラを向けられるなり「キメ顔」をしてくれるので、撮る写真のほとんどがステキな写真に仕上がります。
そのため、セミプロの方を中心に「サロンモデル」という仕事も生まれました。今でもバイトや副業の感覚でする方が多く、中にはそこから人気女優に駆け上がった方もいます。
◾️【結論】進化してWin-Win
時代の変化に伴って、そんなヘアカタログにまつわる苦労は大きく変化しました。
美容師は、スマホさえあればヘアカタ級の写真が撮れるようになり、お客様を撮ってInstagramにアップすれば、日々の営業のパフォーマンスのレベルを見せることができて、一石二鳥。
お客様側もすでに、写真を撮られ慣れています。若い層では、自身の「キメ顔」ができるアングルも知っていて、「利き手」ならぬ「利き顔」もあるのだそう。
今後も美容師のヘアカタ撮影の文化は残るでしょうが、多くの写真はAIに置き換えられることでしょう。さすがに先進的なスタイルは無理だとしても、オーソドックスなスタイルはほぼ問題なく利用できます。
そもそも、そんなに奇抜なスタイルは求められていないので、その方が絶対楽なのだから、穿った見方をせずに受け入れるのがイイと思います。
ではまた。
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