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成人の日と美容室
操作イトウです。美容室にとっては“切っても切れない”年始のイベント、それが成人式です。
今回は「美容師目線の成人式」について。あの「ヤンキー伝統の成人式」ではなく、一般的な方のお話です。今年もテレビでやるのかな?
改めまして、新成人の皆様、おめでとうございます。
「成人式のヘアセット」は、やらない美容室が多い
一般的に「成人式のヘアセット」は、どこの美容室でもやっているイメージかもしれませんが、相対的に見ると「予約を受けない」お店が多いです。それは多くの場合、その美容室が「着付をしない」美容室だからです。
美容室にとって「ヘアセット」はもちろん専門ですが、「着付」は“できる”美容師さんと“できない”美容師さんがいます。ほとんどの男性美容師には技術的“にも”できないですし、女性美容師で、かつ着付を提供できる方は少数派であると言えます。
そして着付をするためには、店内にもそれなりのスペースと仕切りが必要になります。全身が見える姿見が必要だったり、間仕切りするカーテンのためのカーテンレールを天井に付けたりするため、内装にも影響します。
そのため、“今年成人した、常連のお客様”以外の受付はしない美容室の方が、割合としては多いと感じています。
ですが一般には、「成人式だから休みにしている」または「忙しそうな日」のイメージが強いためか、祝日でお店を開けていても来客が少なく、ぽっかりと暇になりやすい日でもあります。
成人式の「着付とヘアセット」はほぼセットメニュー
多くの「成人式の着付」を受け付ける美容室やレンタル着物店では、「着付とヘアセットを一緒にやる」形を取っています。つまりセットメニューです。新成人には「着付はこのお店」、「ヘアセットはこのお店」とハシゴする時間的な余裕はありません。
予約は一年〜半年以上前から受け付けられ、早め早めに埋まっていきます。それは振袖をレンタルする場合、人気の“可愛い柄”が予約の先着順で争奪戦になるからです。また当日の予約時間も先着順のため、予約が遅れると割を食ってしまいます。
成人式は、とにかく朝が早い
「成人式」の特徴、それは極端に朝が早いことです。「着付+ヘアセット」はそれなりに時間が掛かります。経験した方は分かると思いますが、式の開始時間から逆算した予約の順番によって、まだ空が暗い時間にお店に行かなければならないこともあります。
当日、お店はてんやわんや
僕も「着付をする美容室」に勤めていたことがあるため、成人式はサポート側としての経験があります。店から近い同期の家に前乗りして、電車の始発に乗って出勤したのを、今でも覚えています。
新成人たちは、事前予約の段階で「この着物でこのヘアスタイルにする」といった相談(カウンセリング)を終えています。お店側からしても、式に間に合う時間は限られているので、沢山のお客様を効率よくやるために、分刻みの時間割を予定しています。
ですが必ず一件二件と起きるのが、お客様の「遅刻、寝坊」「忘れ物」です。
着物は備品が多いため、事前にお店に預けるパターンもありますが、それでも当日は大荷物になりがち。ヘアアクセサリーなどは細々(こまごま)としていたり、着付には“無ければ着付けられない”アイテムもあります。
また「寝坊」したからといって、振袖を着ないで“晴れの舞台”成人式に出席するわけにもいきません。そのため「なんとかならないか」と、こちらも全力で対応することになります。
また、当日は「天候」にも左右されます。
これも季節柄ですが、交通網がストップして「遅刻」してしまったり、親御さんが大急ぎで車を出してくれたり。
…もう、てんやわんやなのです。
疲労感と共に得るもの
式の時間によりますが、お昼前には全作業は終えるものの、その“心的”疲労感は中々のものです。
ですが、それは新成人にとって特別な瞬間です。ステキな人生の1ページにヘアセットさせてもらえる経験はとても感慨深く、ありがたいことです。美容師にとっては、そんな“花を添える”お仕事であることを再確認する、清々しいイベントでもあります。
今年も美容師さんたちは「ステキな思い出になって欲しい」と、全力を注ぐことでしょう。
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ではまた。