アフロドレッド体験記①
操作イトウです。
二子玉川で10年以上、美容師として働いています。
美容師という仕事柄、様々なヘアスタイルをしてきましたが、
最近初めて、アフロと、ドレッドヘアにしました。
アフロは昨年12月初旬〜1月末まで、
ドレッドは2月から今現在も続けています。
そんな、やたら目立つヘアスタイルの生活での体験談と、
初めての技術を試行錯誤した、技術者としての経験談を、
「アフロドレッド体験記」として(「15少年漂流記」みたいなイントネーションで言いたい)綴ってみようと思います。
アフロパーマをかける
2ヶ月生活する
ドレッドを編む
生活する ←イマココ
ドレッドを辞める。切り落とす
ベルギーチョコとアフロヘア
以前からアフロに対する憧れはありましたが、
やろうとするきっかけになったのは、昨年10月に行ったベルギー旅行でした。
無類の甘党である妻の、
「チョコ食べたい」
の一言で決まった旅行でした。
ブリュッセルの街はエリアによってお洒落意識も高く、美容界のはしくれの自分としても楽しい旅でした(僕はビール三昧でした)。
特に僕の目を引いたのは、ある黒人の女性でした。
バスに居合わせた、おそらく女子大学生のグループ4人。たしか2人は白人で、1人はスパニッシュ系、もう1人が黒人。
皆大きめのスウェットにタイトなパンツを履いていたり、褪せたGジャンを羽織っていて、カジュアルでヨーロッパ的なお洒落が印象的でした。
特に目立っていたのはヘアスタイルが無造作なアフロの黒人の子。
まん丸なアフロではなく、肩にかからないギリギリぐらいの長さで、四角いシルエットに近い。
ちょうど、ジャズベーシストのエスペランサ・スポルディングみたいな雰囲気。
「なにあれ、ちょーカッチョいいな!」と思って見ていました。
あれやりたいなー、なんて妻にも言ったのですが、渋った顔をされました。。
ドレッドヘアとフレンチキウイジュース
僕は音楽が好きで、とりわけ洋楽は10代のころから貪るように聴き続けてきました。
なのでファッションやヘアスタイルも、その時その時で自分が傾倒しているミュージシャンの真似をしまくっていました。
若かりし頃、
丸メガネにロン毛でGジャンと『NEW YORK CITY』のプリントTを着て
本気でジョンレノンになろうとしていたり、
金髪ロン毛にカーディガンとダメージジーンズ、足元はジャックパーセルで
本気でカートコバーンを目指していました。
他にも、痛々しい黒歴史は数多あるのですが、
今でも、ミュージシャンからインスパイアされることがほとんどで、
やっぱり憧れてしまいます。
そんな僕がドレッドヘアにするのを決定付けたミュージシャンが、
ボブマーリー。ではなく、
FKJ(えふけーじぇー)
French Kiwi Juice『フレンチ キウイ ジュース』でFKJ、名前もお洒落なフランス人ミュージシャン。
彼のアイコニックなドレッドヘアが、汚らしくなく、フランス人らしい清潔感を保っていてカッチョいいので、彼の音楽も相まって、憧れていました。
これもやりたいんだよねー、なんて妻にも言ってはみたのですが、やっぱり渋い顔をしていました。。
ヘアスタイルの虫、美容師
美容師さんは職業柄、色々なヘアスタイルを経験しています。
自分のヘアスタイルに余程こだわりが強くなければ、
大体の美容師さんはド金髪や真っ赤、真緑とか、
男性ならロン毛とか、女性ならベリーショートとか、くるくるのパーマを自身で経験していると思います。
ですが、アフロやドレッドに関しては、ほとんどの美容師に経験がありません。
なぜかというと、どこの美容室でもやっている技術じゃないからです。
派手なカラーやパーマはある程度需要があるため、普段から薬剤の使い方などの方法論に触れて、修得していくことができます。
そのため、最新のトレンドヘアであったり、新しい薬剤を美容師自身の髪の毛で実験したりもします。
しかし、アフロやドレッドの技術は需要が少なく、日々の営業でやる場面はまったくありません(僕も10年以上美容師でいますが、そういった場面に立ち会ったことがありません)。
なので、もちろんその技術を教わる必要はなく、
というか誰も教わっていないので、教えられる技術を持った人がほとんどいません。
つまり多くの美容師さんは、アフロやドレッドにする技術をやったことがない、ということです。
美容師の間でなんとなく「こうゆう工程でやるらしいよ」と、伝え聞いているぐらいでしかありません。
じゃあ実際に、アフロやドレッドにしている日本人がどこでやっているのかと言えば、
専門店でやっている方がほとんどです(中にはセルフでやる方もいます)。
美容室の中でも、特殊系のヘアスタイル(エクステなども含む)を得意とするお店が存在します。
そのほとんどは原宿や高円寺など、ファッションに寛容なエリアにお店を構えているようです。
そこには日常的にアフロやドレッドにするお客様がいらっしゃる為、修行中のアシスタントの段階からたくさん経験値を積んでいます。
そんな専門店にお願いしても、施術に相当な時間がかかります。
朝から晩まで美容室に滞在して、料金も4〜5万円ほど必要とします。
それはファッション的に許されている美容師からしても、やっぱりハードルが高い。
やってみたい願望はあるけど、、、というのが本音です。
かくいう僕も興味はあったのですが、もちろん踏み込めずにいました。
じゃあ次のヘアスタイル、どうしよっかなーと思っているうちに、
気づけば肩にかかるほどのロン毛になっていました(自分をおざなりにしてしまうのも美容師あるあるです)。
あきらめきれずに、なんとなくYouTubeで検索すると、
やっぱり出てきました、技術をアップしている美容室さんがありました(すごく参考になりました。ありがとうございました)。
「なるほどー、なんかできそうじゃね?」
と、スタッフにやってもらえないかとお願いして、一緒にやってもらうことにしました。
理想のイメージ
アフロにしたチリチリの髪の毛を編み込んで、絡ませることでドレッドヘアになるので、
まずはアフロにするところから始まります。
やりたいアフロヘアでイメージしていたのは、
ファンキーなまん丸のアフロではなく、
これじゃない↓
ベルギーの黒人の子みたいな、エスペランサみたいな、無造作アフロでした。
もっと言うと、
アリシアキーズみたいになりたい!
と思っていました。
彼女の代表作、『HERE』のジャケット写真の、束感のあるモシャモシャアフロ↓
これにしたい!
アリシアキーズに、俺はなるっっ!
さて、技術の面ですが、、、
また次回にさせていただきます。お楽しみに。