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美容師のファッションは、アパレルのそれとはちょっと違う
操作イトウです。今回は美容師のファッションについて。
一般的に美容師さんは、お洒落なイメージで通っています。もちろんお洒落が好きで始める仕事なので、ファッションに興味のない美容師さんはいないといって過言ではないと思います。
でも美容師目線で言うと、アパレル関係の方とはちょっと違う雰囲気を持っています。例えて言うと、美容師のファッションは『古着屋の店員』よりも、『ユナイテッドアローズの店員』っぽい人が多いのです。
では、具体的に何が違うのか?
美容師あるある、服が汚れちゃう
美容師にとって一番の懸念、それはカラーの薬で服が汚れることです。塗る時にも流す時にも、色の付いた水が飛び跳ねたり、それは日常茶飯事。クリーニングに出しても特殊な染料だから取れないし、高級なお洋服も汚してしまう恐れがあります。
そのため、仕事では着れない服がある美容師さんは多いです。「仕事はユニクロしか着ない」と決めている人もいるし、エプロンを使う人も珍しくありません。
また、冬に大ぶりのニットを着る美容師さんは極めて少ないです。
これは、切った髪の毛がめちゃめちゃ付いちゃうから。後で取るのも大変だし、かといってチクチクするし、粘着テープで無理矢理取ると、生地がケバケバになってしまいます。
お店のコンセプトに合う服を着る
美容室は演出する雰囲気、客層、地域性に合うように、ファッションのルール付けをすることがよくあります。お店の客層や自分の抱える客層によって、美容師が意識する要素は変わります。
原宿や表参道のようなファッション最先端の地では、ハイブランド系やモードな服を着こなす美容師さんが多いです。美容室も高いファッション性を売りにしているので、会社から「センスを磨く」名目で給料の〇万円を洋服代として手当されるケースも聞きます。
美容師は広い層をリーチしたい
『美容師のアローズっぽさ』は、美容師が持つ「お客様を不快にさせない」「TPOに合わせる」意識が強いからです。チェーン展開する美容室では上下制服が決まっているところも多く、高級なバーバーなどではビシッとスーツを着ることもあります。
中には美容室にテーマカラーがあって、必ずその色を着るお店があったり、美容師なのに「あまり派手なヘアスタイルはしてはいけない!」というのもありました。現存しているかは疑問ですが。
昨今ライフスタイルの価値観が変化したため、会社からのファッションのルール付けは緩和されている傾向にあると感じます。ですが僕が美容師として勤め始めた10年以上前は今よりルールが厳しく、未だに気にする部分もあります。
例えば、サンダルを履かない美容師は多いです。パタパタしながら歩くのはだらしなく見えがちです。中には「スニーカーはアウト!革靴にしなさい」というのもありました。スニーカーはだらしないのか??
ショートパンツやミニスカートを履かない美容師さんも多いです。これはすね毛を不快に感じるお客様もいるから。同じ理由で、香水にも気を使います。香りは好みが分かれやすく、苦手なお客様も多い。
ジーパンがダメな美容室もあります。これはご高齢なお客様の意見で、「ジーパンは作業着だから汚らしい」といったことらしいのです。ダメージジーンズやボロボロの古着があまり良くないのは理解できますが、僕ら世代の感覚では正直、理解に苦しみます。
胸元が大きく開いている服や、セクシーさが強いものも懸念されがちですが、これは美容室のコンセプト、美容師のキャラクター次第とも言えます。
美容師のキャラクターは「得意技」の表れ
それでも美容師は、ルール付けの中で自分の好きなファッションを着こなしています。ファッションは、その美容師さんのキャラクターそのものです。美容師は「自分自身が売り物」であるため、キャラ付けのために明確に私服と分ける方もいます。
そして美容師さんがしているファッションは、得意なヘアスタイルの表れです。LDH系であればイケイケなスタイルが得意だし、ナチュラル系ならふんわりしたスタイリングが得意なのです。
TPOはその場所とそこにいる人によって変わります。もちろんギャル系を得意とする美容師はセクシーな格好もしていますし、海外志向の強い美容師にタトゥーが多くてもいい。ギャル系美容室にナチュラル系の人がいると、むしろ浮いてしまうのです。
美容師の第一印象は期待感に繋がる
「優しそうで、丁寧に対応してくれそう」
「親身に話を聞いてくれるし、趣味が合って仲良くなれるかも。」
「この人に切ってもらったらカッコよくなれる。可愛くしてもらえる。」
お客様がプラスに捉えてもらえるものを、美容師は貪欲に取り入れています。
美容師にとってのビジュアルは第一印象を決定づける、重要な要素です。自分よがりでない、その好感度高めな『アローズっぽさ』は、お客様への献身の表れかもしれません。
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ではまた。