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仲間ルール、カップルルール

 「無駄なことが大事」「意味のないことが楽しい」と明言している私だが、とどき効率がよくないなぁ、とポリシーに反して思うことがある。
 某行列ができるラーメン屋で待っていたときのことである。
 狭い店で、店主が、ひとりでラーメンを作って提供している。
 その店は、カウンター席7席。
 店主は、行列には無関心で、ラーメンを食べ終わって一人出ると、行列の先頭の一人が入る、という不文律で動いているらしい。
 だが、5人のグループで来店する客がくる。
 すると、5人で同時に、食べようとするのである。
 具体的には、5人が出るまで店には入らない。
 その間、席はあいている。
 待っている客がたくさんいるのだから、一人ずつ入って、食べ終わったら店外で待っていれば、席の効率もよくなるのではないか、と思うのだが、そうはならない。
 いつもいっしょじゃなくてはならないらしい。
 仲間のことを考えるあまり、仲間以外の人間のことは考えない。考えられない。
 まあ、若い者に多い。
 カップルも同様である。
 食べ終わった客二人が出るのを待って、二人でいっしょに席に着く。
 隣同士になるとは、限らないのに。
 自分たちのことを考えるあまり、自分たち以外のことは考えられない。
 そのラーメン屋の行列でも、「待っている人がいるのだから、どんどん店に入って、食べ終わったら、外で待っていたら?」というようなことをいう人間があらわれて、トラブルにならないか、心配である。

 無駄なことが好きな人間が、効率のことをつい考えてしまうのは、できるかぎり無駄を省く、という病に毒されているのかもしれないけれど。

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緒 真坂 itoguchi masaka
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