「妻が口をきいてくれません」・・手塚治虫文化賞(短編賞)受賞!
随分前に、ブログに
「妻が口をきいてくれません・・6年も」
という記事を書いたことがありす。
その後続編として、
「妻が口をきいてくれません・・
妻が決断する時」
という記事も書きました。
このブログは、2つとも
読者の方の興味をひいたのか
書いてから随分立つにも関わらず
今でもランキングの上位に常にあり
読み続けていただいています。
「妻が口をきいてくれません」
は野原広子さんという方のマンガです。
レタスクラブという主婦向けの雑誌に
連載されていた当初から
話題になっていました。
何が話題になっていたのか?
野原さんのマンガは、
どこにでもある日常生活の中にある
心の底に潜む不満や葛藤を
あぶりだしているのです。
読むと「あるある。私も同じ・・」
と共感できる言葉が
随所にちりばめられています。
野原さんのマンガでは
他には「消えたママ友」
「離婚してもいいですか」
などがあります。
その野原さんのマンガ
「妻が口をきいてくれません」
「消えたママ友」
が手塚治虫文化賞(短編賞)
を受賞したのです。
手塚治虫文化賞といえば
マンガを書く方にとっては
最高峰ともいえる章です。
2021年度の受賞者は
マンガ大賞:山下和美『ランド』
新生賞:原作・山田鐘人/作画・
アベツカサ『葬送のフリーレン』
短編賞:野原広子『消えたママ友』
『妻が口をきいてくれません』
特別賞:吾峠呼世晴
(社会現象を生み出した
『鬼滅の刃』の功績に対して)
とそうそうたるメンバーと作品です。
私は、
たまたま野原さんのマンガを知り
どこにでもある日常生活の中に
潜んでいるこころの奥底を
さりげなく救い上げるその内容に
「すごい!」と惹かれ
ブログに書いたのです。
今回、この受賞を記念して
エッセイストの酒井順子さんが
かかれた記事にとても共感したので
引用したいと思います。
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「妻が口をきいてくれません」は、
2人の子どもを持つとある夫婦の物語ですが、
妻、美咲が夫へのイライラを募らせ
「雷に打たれて死ね」
というシーンは、
多くの女性が深くうなずいたことでしょう。
殺したいほど深く合い呈している訳ではない。
「ただ、死んでほしい・・・。」
そんな気持ちを抱きながら、
諸般の事情から
一緒に住み続ける夫婦が
日本にどれほど多いかを
本書のヒットは示します。
~中略~
妻は夫への絶望を
「何も語らないこと」で表現します。
当然ながら、肉体的な接触も拒否。
コミュニケーションを断絶することが
彼女の「叫び」なのです。
しかし夫は、
妻の沈黙が妻のSOSであり
「私を見て!」という叫びで
あることに気づかず
そのすれ違いが更なる沈黙を呼ぶ・・
~中略~
我々は、自分の心情を
言葉にすることが得意ではありません。
下手に言葉にして波風を立てることを嫌うし
言葉にせずとも
「察する」ことを
よいとされているのです。
「パパ」「ママ」と呼び合いながら
気持ちは表現せずに、
「察して」と思い合う、日本の夫婦。
世の中が大きく変化する中でも
家庭内ではその図式は
驚く程変わっておらず
そして、夫婦のどちらかが我慢する
ことによって保たれてきた
その図式がそろそろ限界である
という事実を、本書は明らかにしました。
コミュニケーションに伴う
面倒くささを家庭内に
もちこまなくてはならない時が
日本にやってきたのでは
と思わせるのです。
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本当にそのとおりだと思います。
「察して」ではもう難しい。
ちゃんと
「言葉にして表現して伝える」
ことの重要性が
認識されるべき時が来た
のだと私も思うのです。
「話し合い」=対話(ダイアログ)
のスキルを身に着けるべき時
が来ているのです。
「妻が口をきいてくれません」
の結末のようにならない為にも・・・
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