見出し画像

はじめての老い -太るのか痩せるのか問題-

去年あたりに、7キロばかし痩せました。
ChocoZapにハマってしまって…とかだったらよいのだけど全然そんなことはなくてですね、流行り病にかかってメシが食えず体重が落ちまして、そのタイミングがちょうど「体重落とさなくちゃなー」と思ってたもんで私は転んでもタダでは起きなくて二度寝15分スヌーズでもまだ起きないぞ精神でして、体重落ちたのをコレサイワイと、いまのキログラムをキープするぞ!! としてみたら案外キープできた次第です。
とは言っても、「肥え」→「やや肥え」に移行した程度でまったくもって「肥やし系」なままなわけですが。

でですね、体重が落ちてみての、周りの反応が面白かったんです。
ある人は「あれ、ガビンさん、シュッとしました?」みたいなことを言い、またある人は「あれ、ガビンさん痩せました?」と心配そうに言う。わたしにはわかる。その目線は、わたしの病気を案じているということがわかるわかるぞ。
そうなの。年がある程度いってから痩せると、あれ、、、、大丈夫? みたいな視線を浴びることになるんですよ。ここに他人から見たときの「じいさんスレッショルド」があるわけですよ。ダイエットで病を疑われるというラインが、人生にはある!
ですので「あれ、ガビンさん…」と聞かれた時はすかさず「はい、病気ではないです」と応えるようになりました。

この肥え痩せ問題、なかなかに興味深いテーマなんですよね。

ちょっと前に、高齢者の栄養管理のプロフェッショナルの方にお話を伺う機会がありました。その方いわく、後期高齢者になったらとにかく食べさせることを重視するとおっしゃっちょりました。
栄養バランスなんかより、とにかく痩せさせないことが大事だと。
痩せてしまうと、いろんなところに影響が出始める。痩せさせないことが重要なんです、と。ふむ。

たしかに自分の両親含めて、私の数少ない観察でも、痩せ始めた時に老いが加速したような。病で体重が落ちることは誰もが理解するところだと思うのだけど、体重が落ちることから老化にターボが感じはあまり意識されていないかもかも? 歩く速度は遅くなり、老化は早くなる。一歩すすむうちに老化が進んでいく。タイムラプス映像の老いていく。

「中年男性の絵をハイ描いてください」と言われたら、そりゃもう腹が出た姿を描くじゃないですか。中年といえばお腹にお肉ですよね。そして健康診断にいけばメタボですとか言われ、家族からはもうちょっと痩せなよと言われるお年頃。クリスマスプレゼントに健康グッズが届く。サンタさんありがとう! でも、あなたのおなかもたいがいやで。サッコンの世の中では唐突にデブと罵られることは減ったかと思いますが「なんかガビンさん大きくなりました?」「貫禄出ましたね」とか言われますよね。
わたしも京都4年めなので「お肌つやつやでよろしいな〜」と言われたら、太ってシワが消えてますやんと瞬時に翻訳できるくらいにはなってきてるんですよ。
自分の中年期は、油断せずとも太るなあと思っておりました。
息をしているだけで太る。酸素を脂肪に変える未知の物質が私の体にあるのでは? というくらいに中年期は太ったな。いやあ、太った太った。

そんなこんなで中年という時期は、体重が増えすぎることに対する注意を受けまくるお年頃なんですよね。にもかかわらず、後期高齢者になると「いいからとにかく食べて!」 というモードチェンジが来るという……。
中年と高齢者の端境期を生きる私は「もう〜、どうしたらいいんだあ!」と膝で笑って心で泣いている状態です。日々の体重推移をデイトレーダーのようなウォッチしながら、体重を増やす瞬間を見つめているのです。

いま現在、私自身はどのようにこの難局を乗り越えようとしているかと申しますと、来たるべき「とにかく肥える!」の前に、少し絞っておこうーと思っているのです。筋トレなどもたしなもうかと存じます。
10年後にしっかり肥えるための絞り。
よくわからないけれど、そんな気分で体重計に毎日乗っています。

過去の「はじめての老い」は、こちらからどうぞ
https://note.com/itogabin/m/mfadfc4b35ea7


いいなと思ったら応援しよう!